のどか ちひろ

書きたい想いがわいたときにちょこっと書きたくて登録しました。

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最近の記事

掌小説 「タペストリー」

※以前に趣味で執筆していた短編小説です。 元々はお題にそった短編小説なので、本題は「93:おしゃべり」という作品になります。 ---------------------------------------------------------  時を経てもあんなに鮮やかなのは、織った彼女たちの想いが強く、美しかったからだ。 【 タペストリー  】 「サヨはさ、全然自分のこと喋らないから何考えてんのか俺分かんない。もう別れよ」 え、と口から漏れた声は実際には空気に溶け

    • 趣味における自分の存在意義と、自身の心のやわらかくなさを反省する

      「私から趣味の踊りをとったら何も残らなくなっちゃう」 知り合いの子がぽつりと言った言葉に思わず(あ~、若いなぁ……)と思った。 彼女はおそらく自分の感傷に浸っていたいタイプなのは知っていて、「本当の私を誰も分かってくれない」「本当の自分は違う」と、年齢のわりにはちょっと中二病のごとし、黄昏アンニュイさで色んなことを斜に構えているんだろうな~という性格なのはだいぶ伝わっている。 対して、「何にも残らないってことはないと思うよ。好きなものはたくさんあったほうがいいし、自分の

      • 夜中のワルごっこと、焼きそばのかやくは麺の上に入れるか?下に入れるか?

        彼が飲み会から遅く帰宅した。 いい感じに酔っぱらっていて、会うなりニコニコしながら思い切り抱きしめにきてくれるので、甘えられることが嬉しい私はニヤニヤしながらおかえりと抱きしめ返す。 酔っぱらいのフィルターは毎度ながらご機嫌で、お風呂上りにすっぴんでダル着の私を見ても可愛い可愛いとほめてくれる。 私はとっても簡単な人間なので、そんな嬉しい事言われたらますます甘やかしたくなってしまうのだから、彼は本当に私の心のツボを押さえていると思う。 彼から言わせると「ほんとちひろは俺の事

        • 実家暮らしのことと二人暮らしをしてみて ~家族でも共同生活者~

          夫となる人と一緒に暮らすのが、実は人生で初めて実家を出る経験だった。 35年以上過ごした実家から出るのが初めてなことに、一番心配を抱いていたのが彼と私の父親だったけれど、私自身ものすごく箱入り娘というものでもないからさほど心配にも不安にもなっていなかった。 (まぁ、母も若干心配していたとは思う。) 実家の頃からたいていの家事はやれていたほうではあるし、しいて言えば飼い猫に触れないのはロスだなぁくらいに思っていたほど。 結論として、正直二人暮らしはとても楽しく、大変だと感じ

        掌小説 「タペストリー」

          縁あって

          少し前の話になるけれど、10年以上長く交際していた人と別れて、久しぶりのひとりになった。 10年以上付き合っていたけれど、その人と同棲する事はなかったことが唯一の救いかもしれない。 出会った頃の私は20代後半に入ったばかりで、将来的にも家庭を持ちたかったこともあり、初めから結婚前提のうえで交際を始めた。 それなのに、彼とは付き合えば付き合うほど一緒になる話はこじれていった。 原因は彼の複雑な生い立ちが関係して、最後まで結婚に対する考えが良いものにならなかったというのもある

          憧れる友達がいるということの嬉しさ

          友人の中に、憧れのような存在の子がいる。 短大の同級生で年齢はちょっとだけお姉さんのMちゃんだ。 憧れと聞くと「目上の人」や「手の届かない人」など、話したことはないけれどいつも素敵だなと思う人のイメージがあり、その友人も仲良くなる前はそんな感じに思っていたように記憶する。 今となっては仲良くなってもやっぱり憧れの人だ。 始まりとしては、学内で見かけるたびに、いつもふんわり乙女な空気を保っていて、素敵だなぁ、ちょっとお話してみたいなぁ、どんな子なんだろうという、まさに「話

          憧れる友達がいるということの嬉しさ

          不便を愉しむ

          電子レンジや食洗機が気軽に使えない「うつわ」が好きだ。 今の時代に電子レンジにかけられないのは実際不便だし、ハンドメイドものは手入れも必要。割らないよう丁寧に扱う心がけもいる。 だけれどそのぶん美しい。 だからこそそのぶん美しい。 触るたびに「やっぱりいいな」と見つめてしまうほどに。 考えたら、美しいものが簡単だとしたらつまらない。 簡単になってしまうとそこまでの苦労や色々なものが色褪せて、使い捨てになってしまうような気がしてしまう。 少しだけ手間で面倒くさいくらいが

          不便を愉しむ

          宝塚観劇におしゃれをしようと思った時の事

          初めての宝塚専用の劇場で、あの宝塚を観劇する! ライヴコンサートに行ったことはあっても、舞台、それもあの「タカラヅカ」を見るのは初めてだった自分の備忘録と、「観劇するにあたって、ただの舞台なのにおしゃれをして出かけていく理由」に気付かされたお話。 私と宝塚との出会いざっくりタイトルのとおり私は宝塚歌劇団が好きだ。 宝塚ファンとしては古参の方にくらべれば全然ライトなほうで、出会いとしては兄嫁(生粋のヅカファン)から借りた2013年の月組公演「ベルサイユのばら」のDVDを見

          宝塚観劇におしゃれをしようと思った時の事