見出し画像

不便を愉しむ

電子レンジや食洗機が気軽に使えない「うつわ」が好きだ。

今の時代に電子レンジにかけられないのは実際不便だし、ハンドメイドものは手入れも必要。割らないよう丁寧に扱う心がけもいる。

だけれどそのぶん美しい。
だからこそそのぶん美しい。
触るたびに「やっぱりいいな」と見つめてしまうほどに。

考えたら、美しいものが簡単だとしたらつまらない。
簡単になってしまうとそこまでの苦労や色々なものが色褪せて、使い捨てになってしまうような気がしてしまう。

少しだけ手間で面倒くさいくらいが、ちょうどいい。
美しいのだから、当然の対価だと私は思っている。
単純に扱えるほうがそりゃあ気楽だし、もちろん作家さんの心遣いで気軽で手軽なものもたくさんあるけれども、手間がかかっても、面倒くさいものでも、
だからこそ、自己満足だとしてもそこに自分なりの価値が生まれる。

全て意味があるゆえに、そこに美しさの意味を見いだせるし、苦でも苦ではなくなる。それは少しだけ、神聖な気持ちに近いと思う。

そういうものを大切にして、自分なりに美しいと感じるものを愛でていきたいと思う。
そんな風に考えながら、今日も触れては「やっぱりいいな」と見つめてしまうのだ。