焼酎蔵でグレーンウイスキーづくりをはじめました! 『ニッカ・ザ・グレーン』②
■引き続き、限定品「ニッカ・ザ・グレーン」について解説!
ニッカ・ディスカバリー・シリーズ 『ニッカ・ザ・グレーン』①|チャーリー / ウイスキー日記|note
今回はこの構成原酒についてご紹介します!
■4つのグレーン蒸溜所の原酒をブレンド!
ニッカ・ザ・グレーンは、4つの蒸溜所のグレーンウイスキーをブレンドしています。
その蒸溜所は以下の通りです。
宮城峡蒸溜所と旧・西宮蒸溜所は、ウイスキーに詳しい方ならグレーン蒸溜所としてご存じの方も多いと思います。
しかし、焼酎蔵である「さつま司」「門司工場」で、「グレーンウイスキー」をつくっていることを知っていた方は、なかなかいらっしゃらないのではないでしょうか?
私も今回のこの商品が発売されるまで、知りませんでした。
■焼酎蔵とウイスキーづくり
「ウイスキー」と「焼酎」は、同じ蒸溜酒なので、かなり製法が似ています。
麦焼酎とウイスキーの違いは?|チャーリー / ウイスキー日記|note
このような違いはあれど、基本的な製法は似ているので、焼酎をつくっている焼酎工場が「ウイスキー製造免許」を取得さえできれば、(仕上がるウイスキーのクオリティは置いておいて)グレーンウイスキーの製造へは、比較的参入しやすいと言えます。
そのため、最近では、焼酎をつくっていた蔵元が、ウイスキー製造免許を取得して、ウイスキーづくりに新規参入するケースが多いです。
焼酎の本場は九州なので、特に焼酎蔵の多い九州で「ウイスキーづくりへの参入」が続いています!
■九州の焼酎蔵のウイスキーづくりへの参入
ジャパニーズウイスキー・イヤーブック2023で、「九州の焼酎蔵」の「ウイスキーづくりへの参入」を確認してみると、代表的なもので以下のケースがあります。
また、直近では薩摩酒造が、鹿児島県枕崎市に九州最南端の「火の神蒸溜所」の解説を発表しました。
薩󠄀摩酒造『火の神蒸溜所』がモルトウイスキーを製造開始|薩摩酒造株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
この『焼酎蔵→ウイスキーづくり参入」の流れは、まだまだ続きそうですね!
■焼酎蔵・さつま司蒸溜蔵のウイスキー製造免許の取得
実は、国税局のHPで、「ウイスキーの製造免許の取得企業」を確認できます。
そして、この国税庁のHPを確認すると、「ニッカ・ザ・グレーン」にブレンドされる「グレーンウイスキー」をつくった、さつま司蒸溜蔵の製造免許取得年は、2018年です。
◇さつま司蒸溜蔵(平成30年=2018年 ウイスキー製造免許取得)
酒類等製造免許の新規取得者名等一覧(平成30年分)(ウイスキー) | 酒類の免許|国税庁 (nta.go.jp)
同じ2018年には焼酎メーカーだけでなく、メジャーな日本酒メーカーも、ウイスキー製造免許を取得し、生産を開始しています。
どちらもすでに3年以上熟成のシングルモルト「遊佐」「丹波」を発売していて、人気となっています!
■なかなか面白い国税庁HP
「すぐには製造を開始しないけど、事前に免許を申請しておく」「試験蒸溜」などというケースもありますが、この国税局のHPを見ると、どの企業が、どこでウイスキーづくりを計画しているのかがわかるので、なかなか興味深いです!
ちなみに、平成28年=2016年頃から、ウイスキー製造免許の取得企業数が、一気に増えています。
今の日本のクラフトウイスキー業界を牽引している名前ばかりですね!
ここから、現在の「クラフトウイスキー蒸溜所の開設ブーム」に繋がるわけです。
ちなみに2016年には、こんなところもウイスキー免許を取得しています。
これはさつま司と同様に、本格焼酎蔵がウイスキー製造免許を取った事例です。
鹿児島県の焼酎蔵・大隅酒造は、2014年にサントリーのグループ会社となっていて、現在は本格芋焼酎「大隅」、本格麦焼酎「大隅」を中心に、様々な焼酎やスピリッツ製品を製造しています。
大隅酒造株式会社|サントリー (suntory.co.jp)
グレーンウイスキーも試験的に製造しているようで、以前にエッセンス・オブ・サントリー・シリーズで、ライス・ウイスキーが発売された時には、その原酒を大隅酒造が生産していました。
THE ESSENCE of SUNTORY WHISKY サントリー
■最後に
今回は、「焼酎蔵でも製造免許を取得して、ウイスキーづくりに参入しているよ」という話から、どんどん脇道へ逸れてしまいました。
次回は、今一度、ニッカ・ザ・グレーンに使われている4工場の原酒について、ご紹介したいと思います!
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