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相続の基本2(相続人②亡くなった親の子はどこに)

 亡くなった方に子がいる場合、相続人は配偶者と子又は子のみです。一見シンプルに思えます。父母と子で構成された戸籍の中で相続が完結するように思われます。だけど金融機関等は亡くなった方(被相続人)の出生から死ぬまでの全ての戸籍を集めるよう要求します。何故でしょう?

 答えは被相続人に他にも子がいる可能性があるからです。1人の方が複数回結婚することは増えています。親子でも親が自分の過去を全て教えてくれているとは限りません。場合によっては何度も結婚し、その都度子があり離婚後はその子を残して新しい戸籍にしてきた歴史があるかもしれません。そこは被相続人から教わっていなかったとしたら、戸籍を追って調べるしかありません。

 調べた結果、お互いその存在さえ認識していなかった兄弟姉妹が相続の場で初めて対面、といったドラマや小説の世界にありそうな話が現実にもあります。民法上は全て子となるので、相続人となるわけです。

 被相続人が過去の子の存在を伝えなかったことには、それぞれの事情があり悪いともいいとも一概には言えないでしょう。ただ親が高齢になったとか認知気味になったとかの事情がある場合、予め親の戸籍を集めておくというのもありかもしれません。親の過去のことは意外に知らないことだし、なかなか聞きにくいことですから。

 ある人の出生から亡くなるまでの戸籍は令和6年2月までは本籍地の市区町村でしか取ることが出来なかったので、相続の際はかなり苦労して戸籍を集めた方もおられると思います。しかし、令和6年3月から本籍地以外でも取れるようになっています。更に近い将来はインターネットでも戸籍謄本を入手出来るようにすることが検討されています。手数料はかかりますが、戸籍を予め取っておくことは前より容易なことになっています。気になる方は検討してはいかがでしょう?

 もしかしたら、あなたのご両親の意外な半生に驚くかもしれませんが。


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