24 「死ぬの、怖い?」
「死ぬの、怖い?」
私は母にたずねた。
死が間近に迫っている人に対して、なんて不躾な質問だ、と自分でも思った。
母はすぐに返してくれた。
「怖いよ。この世から自分が居なくなることが全然想像できない。」
そうか、そうだよな。
普通の答えだなと思った。
しかし、それが真理なのかも。
続けて私はたずねた。
「死んだらどうなると思う?」
「死んだら無になると思うよ。」
確かに母は、私が小さい頃から死んだら何もないんだよ、無が訪れるとか言っていたっけ。ブレてなかったみたい。
私「じゃあ、ばあちゃんにも会えないのかな。」
母「どうだろうね。」
私「じゃあ死んだ後に、ばあちゃんに会えたら、会えたよー!って教えに来て?会えなかったら、会えなかったよー!って教えに来て?お茶入れて待ってるから。」
母「分かった。でももし教えられなかったら、何らかが生じたと思ってね。」
私は、母とまた会う約束を取り付けた。
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