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あなたの知らない「窓際部署」はこんなとこ―地獄のメールの送り主は「成功体験共有おじさん」

筆者の職場は壮絶である。
筆者は、泣く子も黙る、超有名企業に勤めている。ハッキリ申し上げて、入社倍率は100倍をくだらない。
学生時分の時には、優秀な人がたくさん集まって、活気のある場所なのだろうなと思っていた。入社してからも概ね、その認識は追認された。
周囲の人の有能さに恐れおののいたことは一度や二度の話ではない。
対して、筆者がダメな社員であったことはすでに書いた→詳しくはこちら

だが、しかし。どんな企業にも窓際部署というものは存在する。
筆者は花形部署から、うつ病になり、まさにウルトラC級の大左遷をされて、現在の部署にきた。
ただ、お断りしておきたいのは、筆者自身は窓際部署に来てから、打席に立つ機会が多くなり、かなり評価されているということ。
賞与の査定も最高クラスを維持し、昇給ペースも最高評価を2年連続4期続けて取り続けている。(以上、イキりと弁解おわり)
さて、今回からは、筆者の部署の恐ろしいポイントを解説していきたい。


会社で干される人(いらすとや から)

成功体験共有おじさん

基本的に、窓際部署は誰でもできる仕事が回ってくる。
マニュアル化され、そのマニュアルを順守すれば作業が回るように作られている。何かを考えたり、クリエイティビティを発揮する場面はそうない。
なぜかって? 余計なことしかしないからである。

もし、あなたが仕事ができる人に”簡単に”思われたいなら、あることをすればいい。
それは「あなたにしかできないことを作り、その方法を独占する」ことである。何か助けを求められても「あぁ、いいよ。俺がやっとく」とさわやかにいえばOK。
本当に仕事ができる人は、その方法をきちんと共有する。そして組織がちゃんと回っているのを確認してから新しい課題にチャレンジするものだ。

さて、先ほど、筆者は「窓際部署はすべてのことがマニュアル化」されているといった。
そのマニュアルぶりといえば相当なものである。パソコンの電源位置から、コートのかけ方から、信じられないことに「コピペは右クリックでする」とかが本当にマニュアル化されている。
それを執行するのが窓際部署の仕事なのである。

筆者の部署にいる、窓際部署の古参「成功体験共有おじさん」はあるメールを送ってきた。
ちなみに彼がうちの部署に送られてきた罪状は「社内で賭博行為を働いたこと」である。(正確には興味もないし、知らない)

今、この部署には新しい「力」が加わりつつあります。<注1>
そんな彼らのために、私の成功体験を共有しようかな、と(笑)
少し長くはなりますが、「意欲のある人」<注2>「自分を変えたい人」<注3>は読んでほしいなと思います。
リモートワークも増えてきた昨今、膝を突き合わせて指導してあげることもできません。少しばかりの「先輩心」を受け取ってほしいです。

※筆者注
<注1>左遷された筆者のこと。加わったのではなく押し込められたのである。
<注2>そんな人いない
<注3>遅きに失している

成功体験共有おじさんのメールより(抜粋)

上司に○○という病

ちなみにこのメールを送ってきた人は、「子育てで一番大切なことはマネーリスクを減らすこと」と言っていた開成高校卒業の人である。(→詳しくはこちら

そして、そのメールに添付されていたのはA4用紙4枚の長大な文書。
しかも、作成年月日も、作成者名もない。インデックスなど、もちろんない。もはや怪文書である。

内容は徹頭徹尾、こんな感じである。

・マニュアルにはこう書いてあるが、私はこういう工夫を加えたら、上司から褒められた
・マニュアルにはこう書いてあるが、必要性を感じられなかったので、やらないという選択をしたら、上司から認められた
・マニュアルにはこう書いてあるが、むしろマニュアルにこう加筆したら、上司に受け入れられた

こんなことが、4ページにわたってつづられているのだ。
開成高校卒業、子どものマネーリスクを減らすために中学受験をさせた親が会社でこんなことをしていたら、筆者が子どもなら泣く。
しかも、恐ろしいのはこのメールを当の上司も含めた部署内の全員に送っているのだ。

マニュアルは守るためにある。
だが、そのマニュアルから離れたり、マニュアルを疑ってみたり、マニュアルに手を加えたりすることを人生の是としているのだ。

察しの良い方なら分かるとは思うが、この「成功体験」「上司に~~」というところにかかっている。
よって、作業効率や成果そのものに大きな変化はない。

当然のごとく、こういう人はマニュアルから離れたことを他人がすることを是としない。なぜなら、前述したとおり、「マニュアルから離れることを自分の特権」としているからである。

彼にはこんな言葉を贈りたい。

「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」

フリードリヒ・ニーチェ

また問題を起こしたけれど……

筆者はその内容があまりに面白かったので、個人的に社内チャットで連絡を取った。

筆者「メール拝見しました!アドバイスいただきありがとうございます!」
おじさん「いえいえ、若い人の力になれれば…と思った次第です」
筆者「ありがとうございます。大変参考になりました」(やり取りが面倒になって同じことを言葉を変えて送っているだけ)
おじさん「そう?(笑)」

「そう?(笑)」なんて言っている場合ではない。

いちいち先輩にこんなチャットを送る当時の筆者も、性格の悪さ全開ではあるが、いくらなんでも「そう?(笑)」ではない。
上司から認められることだけに心血を注ぐ窓際おじさんの「そう?(笑)」は小さなトラウマを植え付けた。
開成出たのに、うちの会社に入ったのに、どこから彼はこうなってしまったのだろう。そんな疑問でしばらく夜も眠れなくなった。

ちなみに、おじさんは成功体験をひとしきり共有した後、また問題を起こした。普通ならば異動が妥当なところだとは思うが、恐ろしいことに、筆者の部署は窓際部署なので、この部署にとどまり続けている、ということだ。

地獄のカルーセルは回り続ける。

次回予告
上あごについている歯の半分が抜け落ちた先輩は言った。
「俺らの仕事を馬鹿にしないでほしいよな!」
やめて、先輩!
この前、「作業が終わったらこのボタンをクリックしてくださいね」って言ったのに、それができずにトラブルになって、終いには「俺の仕事は忙しいんだ!」と言っていたのを見ていたわ!
年収1200万円をもらってクリック一つできないってどんな仕事なの!?
次回「仕事のことをバカにしてはいない。お前のそれは仕事ですらない」
デュエルスタンバイ!

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