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会社でムカつくこと言われたら、「権力に絡めとられた存在」と思えば一発

 表題の通りである。
 筆者は、権力という存在を真っ向から否定する。もちろん、家庭においては妻が右といえば右に全力ダッシュするし、会社で上司から言われたことはすべてはいはいと満面の笑みで答える。

 その大半は筆者にとってさしたるものでもないからだ。例えば会社ですごく面倒なことを言いつけられたって、どうせまぁちゃんとやるし、やれなくても死にはしない。妻から言われたことも、まぁよっぽどじゃなければ腹をたてる必要もないことで、腹を立てたところで結局負けることが決まっているので、もう逆らわなない。いずれのことも筆者にとってはさしたることではない。

 だが、だが一方である。
 筆者はある時、会社の一つ上の先輩から「仕事はどうだ?」と聞かれたので「いろいろ順調だし、むしろ前の部署にいたときより仕事がやりやすい」と話したらこんなことを言われた

「そういう生存戦略もあるのか~~」

 これには筆者腹を立てた。正直に言えば、左遷させられた時のひやひやかんと言ったらない。筆者には幼い子供もいたし、当時は借金もあったので給料が半端じゃなく下がることはどうあっても看過できない事実であった。
 筆者にとっては生存戦略ではなく、もうここからどうやって上がっていくかしか考えていなかった。何とかここから子供たちが大人になるまでサラリーを稼ぎ続けるかということにしか頭になかったし、そういう腹の決まり方をしていなかったら今のような仕事はできていなかっただろう。

 めちゃくちゃ腹が立った時、筆者の脳裏にミシェル・フーコーがやってきてこういったのだ。

「怒るんじゃない。所詮やつは権力に絡めとられた存在だ」

 その言葉を聞いた瞬間、筆者の胸中に春風が吹いた。眼前のツーブロックヘアーは所詮その程度のものに絡めとられた存在なのだ。もはやそんなやつの言葉を聞く必要は全くない。

ムカつくやつは大体権力に絡めとられている

 世の中にはたくさんムカつくやつがいる。そして全員に決まっているのは権力に絡めとられているということだ。

 自分にいろいろ恩着せがましくものを言ってくるやつとか、いつから保護者になったんですかと思いたくなるほど指示してくるやつ、生まれるのが一年早かっただけでずいぶん偉そうなやつ、彼氏だからというだけでアドバイスをかましてくるやつ……。それらはすべて立場に依って発言しているだけにすぎない。その立場がなくなれば、私はそいつらの話を聞く必要はなくなるし、やつもそれを発言しない。

 そう、だいたい、自分がどう思っているかではなく権力の機構から発言しているにすぎないのだ。なんたる悲しさ、なんたる愚かさ。そういう権力にがんじがらめになったやつが私に何をいえようか。妻と2人の子供をだきしめ、仕事と真摯に向き合う筆者に何か意見を言えるわけが、ツーブロックバツイチにはない。

 あえて彼と同じ土俵に立てば、筆者と彼の権力構造の中で彼が筆者に意見できることなんて一つもない。

 そう、なぜ我々はムカつくやつと会ってしまうのか。それは会社なり友人関係なり家族なり、必ず権力の構造の中に組み込まれるからだ。そして、個人は知らず知らずにそれを求めているし、その要請に伴って新たな権力者があてがわれる。我々は常に権力と向き合っているのだ。

 だから、こうアドバイスしたい。ムカつくことを言われたら「こいつは権力に絡めとられた存在なのだ」と思って、ハーゲンダッツを思いっきり食べよう。

こんなキラキラした受験模様があってたまるか

受験に失敗したのも権力のせい

筆者は受験に失敗したことがない、センター試験(今でいう共通テスト)も実力通りに力を発揮して滑り止めには受かっていたし、第一志望の大学に偏差値を20近くあげて現役合格した。ついでに就活も余裕のよっちゃんであった。

そんな筆者からすれば受験に失敗するという感覚は全くわからないが、もし受験に失敗して悲しんでいる人が回りにいる、あるいはその当事者のみなさんにはこうメッセージを送りたい。

あなたがそんなに悲しいのは権力のせいであると。

ぶっちゃけ、大人になってみれば、受験に失敗したことは大したことではない。よく考えてみれば、まぁ(大半の場合は)親から金を出してもらって、自分のありあまる時間をつかって、”好きで”受験をしただけである。それに失敗したからと言って、別に誰かがあなたのことを責めることはない。

仮に親がなんか言ってきたからといって嘆く必要はない。だって、勝手に期待や要請や希望をしたのは、親なのであって自分は実力を発揮できなかっただけなのである。
申し訳ないとも思わなくても全然いい。これは親しか知らない事情だが、頑張ったことを知っているからだ。それだけで親からは見てみれば成長がうれしい。

そう、あなたが悲しいのは権力のせいなのだ。根源的な問題はなにもないにもかかわらず将来を悲観するのは、なんとなく「良い大学に入りたい」とか「こうなったら格好いい」という世間の目や、自らが権力者の立場にたって自分にそれを行使しているだけにすぎない。そう、権力なのだ。

だから、もう1年勉強するならすればいい。
やりたくなければやめればいい。
権力の構造を脱し、自らの意思を発現していくことのほうが、人間にとって重要な営みだからだ。

この権力の構造を脱したとき、筆者とあなたは心が晴れる。
夜をよく眠り、朝を目覚め、窓を開け大きく息を吸い込む。
あまりに清々しく晴れ渡る空と、すこし大きくなった背中。
権力者はそれを見送ることしかできないのだ。


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