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とろとろとろな穴子寿司に乾杯

ー8貫あるけどちょっとずつ味がちがうー

夕暮れどきの谷中銀座商店街、とあるお店を目指して歩く。

下町の人情味あふれる商店街で人がたくさんいた。

軽率にお惣菜屋さんでコロッケとか買いそうになる。

(野菜コロッケ33円!)

と思ってたら焼き芋屋の声が聞こえてくる。

ずるいぜ、、と思いきや車に初心者マークが貼ってあってきゅん。


お目当てのお店にたどり着く。

何か頑張ったら行こうと思っていたお寿司屋さん「すし乃池」


4時半の開店と同時くらいに行ったら既に4組くらい前に並んでいた。

ちょっと待っていたら開店の時間になった。

真横の灯りが灯った。


カウンターに通された。

1人でお寿司屋さんに行くのは初めてだったのでわくわくした。

ずっと食べてみたかったこのお店の名物「名代穴子寿司(8貫)」を注文する。


・・・

最初に運ばれてきた湯呑みに両手を当てること永遠。あったかい。

目の前のショーケースに反射したカウンター内の大将の手さばきをぼんやり眺める。

職人技だった。

私のっぽい穴子チルドレンが次々と握られていく。

最後に照り照りのタレを塗られて目の前に現れる。


きらっきら。

そしてふんわりと甘くて香ばしい穴子の匂い。

そりゃあ8貫もあれば香るわな。

ひとくち食べる。

うわ〜〜〜!!

おったまげた。

今治タオル並みのふっくらやわやわで、甘いたれと炙られた香ばしさも。

これは、、極上の穴子だ、、。


夢中になって食べていると、お碗も出てきた。

中に入っていた白身魚すら脂がのっていてぐわっとくる。


穴子に戻る。

気づけば残り3貫になっていた。

そしてこの3貫がとんでもなくすごかった・・・。

(右上3つ)

全て皮っぽいところ。

食べた瞬間口いっぱいに広がるとろ、、!

穴子の皮下脂肪を初めて感じた。

とろっとろのオンパレード。

1貫食べて、次もとろ、そのまた次もとろ、、。

ゲーセンのコインゲームでジャラジャラってきたやつでまたコインを入れたらまたジャラジャラってなる感覚に似ていた。


この幸せを少しでも長く味わっていたいと思い、穴子を1貫残した状態で、玉子を1貫注文した。

お店に入ってきたときにカウンター越しに目が合っていた恍惚とした玉子。

シャリを大きくはみ出した分厚い玉子はぎっしりしていて甘め。

海苔もぱりぱり。


ああ、私の普段作る薄っぺらい卵焼きの何倍だろう。

と考えて悲しくなった。

分厚いは正義だ。


・・・

最後に残した穴子は言うまでもなくとろっとろでおいしかった。


お店を出てもまだ頭がぼーっとしていた。

体が熱い。


行き道のコロッケは「お腹が空いてれば帰り道に食べよう」と思っていたけど、やめておこう。

食べようと思えば食べられそうだが、今はまだこの余韻を口の中にとっておきたい。


思い出すだけでにやにやが止まらない帰り道だった。

頑張った後のごはんはおいしい。

・・・


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