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情報は共有されることで「資産」になり、共有されないと「負債」になる【負債編】


情報共有を甘く見てはいけません。情報共有には2つの側面があります。
情報は共有されて「資産」になり、共有されないと「負債」になります。
その理由と、情報共有の考え方を深掘りして書いていきます。今回は負債編です。

▼情報は共有されないと「負債」になる。

情報共有ができないと、経営資源(人、モノ、カネ)が十分に活かされないこととなります。活かせなくなると生産性の悪さやサービスの低下など様々な悪影響が出ます。そうすると、売上減少(利益減少)につながります。カットできたはずのコストも支払い続ける可能性もあるでしょう。

利益が減少することは「負債」を抱えている状態と同じです。つまり、情報は共有されないと「負債」になるということです。

「負債」は①非効率やムダを生む②人間関係や信頼関係を壊すことにつながります。そのため、③「負債」対策が必要です。それぞれについて解説します。

1.非効率やムダを生む

優秀な社員は多くの解決策を知っています。その社員の情報が共有されず、その人だけの情報になると、他の社員はそれぞれ業務時間の中で、解決策を考えなければなりません。情報共有されないと非効率な状態が続きます。

ほかにも、機械やシステムの操作がその人だけの情報であった場合は、代わりの人がいなければ、誰もその内容を知らないので、場合によっては業務がストップしてしまうかもしれません。業務がストップすると大きなムダが生じます。

以上はシンプルな例ですが、情報共有されないことで、非効率やムダが発生することがわかります。

【資産編】で書いた組織での情報共有の「営業での顧客情報」の例ですと、

情報が上司や先輩に伝わることで、アドバイスを受けることができます。場合によっては、他の営業所から追加の情報の提供を受けるチャンスに発展するかもしれません。そういったことが何度も繰り返されると顧客情報は充実し、情報の価値が上がっていきます。
情報が上司や先輩に伝わることで、アドバイスを受けることができます。場合によっては、他の営業所から追加の情報の提供を受けるチャンスに発展するかもしれません。そういったことが何度も繰り返されると顧客情報は充実し、情報の価値が上がっていきます。

多くの人の目や耳を通ることで、その人だけの情報でなくなり、情報の価値が上がります(情報の「資産」化)。それをしないことは非効率と言えます。

「クレーム情報」の例ですと、

蓄積されたクレーム情報を徹底的に分析している企業があります。クレーム情報を集めると一定のパターンがあることがわかります。パターンごとに適切な対応ができる仕組みを作れば簡単にクレームは防げます。例えばチャットボットです。必ずしも人が直接対応しなくてよいのです。

AIや機械に任せることは効率的でムダがありません。情報共有できたからこそできる仕組みです(情報の「資産」化)。


2.人間関係や信頼関係を壊す


〇「聴いていない」こと

ビジネス上の情報は共有されないと「聴いていない」となり、チーム・他部署・顧客に迷惑をかけてしまいます。迷惑の内容や、迷惑をかける頻度によっては、人間関係や信頼関係を壊してしまう可能性があります。

例えば、上司から部下への指示が1対1で行われ、他の部下への指示も1対1で行われ、打合せやミーティングなどが一切ない場合を考えてみます。指示を出した人だけが、その人だけの情報を手にしている状態であり、指示を受けたもの同士は、周りの人が何をしているかわからなくなることがあります。

指示者が完璧な管理ができていれば問題ないですが、仕事していると必ず予定外のできごとがあるため、どこかで情報の伝えモレが起きます。そうすると一部で「聴いていない」という状態が起きます。

このような体制で情報の流れが構築されると、情報が伝わらないことが多くなります。チームや他部署に迷惑をかけるだけならまだマシですが、お客様にも「聴いていない」となると最悪です。他部署に迷惑をかけることは、お客様にも迷惑をかける可能性があります。この例は、年功序列の会社や縦割り型の組織に多い例です。

そして、「聴いていない」ということは不信感を抱くきっかけになります。単なる伝え忘れではなく、情報が伝わらないことが続くと、意図的と感じることや、疎外されているのではと感じます。組織やチームにおける情報の共有不足は、組織内の人間関係やお客様との信頼関係を壊すおそれがあるのです。

〇目的と手段の区別

意外と落とし穴になっているのが、目的と手段の区別についてです。区別がついていない人が結構います。例えば仕事での指示で、目的を伝えず手段だけ伝えるような指示を出す人です。指示が手段だけであいまいであった場合、指示を受けた者は指示者に確認を繰り返すこととなります。

指示や仕事の目的をちゃんと伝えていれば、その目的を達成する手段や方法を自分で考えて仕事できる可能性があったはずです。こういったことが続くと、特に優秀な人は不信感を抱きます。先ほどの指示が1対1の例も合わさると転職や起業を考えるかもしれません。


3.「負債」対策


①非効率やムダをなくす

非効率やムダをなくすために、情報の「資産」化に必要なことをすればよいのです。例えば上記の【資産編】の例のような取組みです。情報共有の意識を変えることで、非効率やムダをなくすことができ、強い組織ができます。

そのため、「早く情報共有する」「社長の明言や仕組み」が重要です。詳しくは次をご覧ください。

ほかにも、モバイル端末やビジネスチャットなどのツール、各種システムの導入も、情報共有を効率的に行うためには欠かせません。しかし、システムやツールに振り回され本来の目的を失うこともあるため、ここでも目的が重要であることを忘れてはいけません。システムやツールに振り回されて、かえって非効率やムダが生じることがあるからです。そのような会社を実際に何社も見てきました。

②人間関係や信頼関係を壊さない

人間関係や信頼関係を壊さないためにも、目的が重要な情報であることを認識する必要があります。組織やチームで仕事をする場合は、目的という情報も共有する意識が必要です。

何のために情報共有するのかを考え、情報が伝わらないリスクについても考える必要があります。それを踏まえ指示を出しましょう。ただ、指示だけを変えるのではなく、双方向で仕事を確認し進めていくことも必要です。指示はあまりに一方的であるからです。

そのため、簡単な打合せやミーティングで双方向のコミュニケーションがとれる機会を設けましょう。打合せなどは目的やゴールを明確にし、発言は現場に近い人から行うなど、一方的にならないようにします。ホワイトボードなどで見える化し、簡単な議事録を作成するなどの情報共有が重要です。


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以上のように、情報共有ができないと経営資源(人、モノ、カネ)が十分に活かされません。情報共有しない状態は、利益が減少する「負債」です。


そのため、情報共有をしっかりと行いましょう。情報共有し、情報を「資産」化できる会社は経営資源が活かされ大きく発展していくこととなります。

時代や働き方の変革期である今、情報共有についても一度見直ししてみましょう。


ではまた!

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