八手水亭

八手水亭(はってみてい)です 何も言ってない

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記事一覧

思想の無い髪

腰まで伸びていた髪を切った。 耳くらいの長さまで切った、多分50センチくらい切った。 今までちょっと髪が長すぎた。 髪が長かったのは伸ばしていたからではなく、ただ…

八手水亭
1か月前
1

ぐびといけ

どうにもできない感情をどうにもできないとき、ぐびといくしかないと知った。ぐびといく、を昨日初めてやった。 ぐびといく、は酒をぐびといく、やつである。 酒をぐびと…

八手水亭
2か月前

どこへも行けない道を走る

ジムを辞めました。 ジム、です。そんなの絶対すぐやめるに決まってるだろ、と今は思うのですが、そのときの自分はやれると思っていた。 年末にやりきれなかった仕事を抱…

八手水亭
2か月前
3

怖いものが一つ減る

去年の夏、めちゃくちゃに腹が立つことがあった日初めて水風呂にザブンと全身で浸かることができた。 自分の仕事に対して初対面の人間に全然関係ないところから突然理不尽…

八手水亭
2か月前

全てを間違ってきた気分

これまでの選択の全てを間違ってきた気分。 これまでの選択の全てを、間違えた方を選んできてしまった、という気分。 全ての選択のそうじゃない方、そっちじゃない方、間違…

八手水亭
2か月前

女の裸の像を作る人間のずるさ

最寄駅の前の広場に、女の裸の像がある。毎日私はその前を通る、今日もいつもどおりその前をただ歩いて通り過ぎる、通り過ぎたのだったが、ふと、その女の裸の像を何ともな…

八手水亭
2か月前

おのれの愚かさによって一段と遠いインド

さくらももこ『さるのこしかけ』を読んでから、私はインドにずっと行きたい。『さるのこしかけ』のインドの話を私は自分の家のあかない玄関のドアの前で読んだ。 鍵をどこ…

八手水亭
2か月前
2

人が人のこと好きなことにどうしてとか無いよということをわかりたい

人が人のこと好きなことに、どうして、とかは無いということをわかりたい。 人が人のことを好きなことにどうしてとかは無い、ということをわかりたい。 好き、というのは…

八手水亭
2か月前
2

きれいがうんぬん

きれいになったね、きれいになったねとときどき言われるようになってきた。わかる。わたしは随分きれいになった。きれいになったなと自分でも思う。 随分きれいにはなった…

八手水亭
3年前
1

悪事のこと

わたしはいつも悪事、悪事をしでかしている。わたしがしでかしている悪事はほんとうに悪い。全部こわす可能性あるほど悪い。気がついたら悪事に悪事を重ね今ではかなりでか…

八手水亭
4年前
4
思想の無い髪

思想の無い髪

腰まで伸びていた髪を切った。
耳くらいの長さまで切った、多分50センチくらい切った。

今までちょっと髪が長すぎた。
髪が長かったのは伸ばしていたからではなく、ただ気づいたら伸びていた。
住むところがころころ変わるうちに美容院に滅多に行かなくなり、前髪やら毛先やらを自分で整えるので十分、と思っているうちに腰まで伸びた。

自分にとってはただ気づいたらここまで伸びただけ、ではあるものの、腰まで髪が長

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ぐびといけ

ぐびといけ

どうにもできない感情をどうにもできないとき、ぐびといくしかないと知った。ぐびといく、を昨日初めてやった。
ぐびといく、は酒をぐびといく、やつである。

酒をぐびといったのが初めてだった。そんなふうに酒をあおったのが初めてだった。酒は好き。酒はよく飲む。しかしぐび、といくのは初めてだった。

怒りで熱々になった頭を、冷ます、冷ましたい、冷ましたい、冷まさねばと思っていた。冷ますにはごく、ではダメだっ

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どこへも行けない道を走る

どこへも行けない道を走る

ジムを辞めました。

ジム、です。そんなの絶対すぐやめるに決まってるだろ、と今は思うのですが、そのときの自分はやれると思っていた。

年末にやりきれなかった仕事を抱えたまま年を越してしまったことが原因。
年始に会った人間が複数人、ジムについての良い方の話をしていた。仲間とジムに行くようになって楽しい、リフレッシュになっている、筋トレによって生活に張り合いが出てきた、気分転換になって良いと思う、など

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怖いものが一つ減る

怖いものが一つ減る

去年の夏、めちゃくちゃに腹が立つことがあった日初めて水風呂にザブンと全身で浸かることができた。

自分の仕事に対して初対面の人間に全然関係ないところから突然理不尽な評価を投げられてめちゃくちゃ腹が立った日(しかし今思えばその時の突然の理不尽な評価もまた一つの栄養にはなっている)めちゃくちゃに腹が立ち、腹が立ちすぎてフリーズ、何も考えられなくなりただその場は時間がすぎるのを待つことしかできず、少し時

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全てを間違ってきた気分

全てを間違ってきた気分

これまでの選択の全てを間違ってきた気分。
これまでの選択の全てを、間違えた方を選んできてしまった、という気分。
全ての選択のそうじゃない方、そっちじゃない方、間違えた方、を選んできてしまった。あーあ、自分だったらそっちは選ばないよ、間違えちゃったねと、言われている気分。全部の選択を、間違えた方を選んできてしまった、気分。

もう間違えるのが嫌すぎる。間違えた方を選ぶのが嫌すぎる。間違えたくなさすぎ

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女の裸の像を作る人間のずるさ

女の裸の像を作る人間のずるさ

最寄駅の前の広場に、女の裸の像がある。毎日私はその前を通る、今日もいつもどおりその前をただ歩いて通り過ぎる、通り過ぎたのだったが、ふと、その女の裸の像を何ともなしに見上げた。いつも目に入ってはいたが、今日はなんか、見た。見て、裸だなと思った。
女の裸の像は、ただ裸だった。本当に裸だった。本当に、何も一切まとっていない、本当に裸だった。本当に裸のその像を見て、ふと、なんだかものすごく、ずるさ、という

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おのれの愚かさによって一段と遠いインド

おのれの愚かさによって一段と遠いインド

さくらももこ『さるのこしかけ』を読んでから、私はインドにずっと行きたい。『さるのこしかけ』のインドの話を私は自分の家のあかない玄関のドアの前で読んだ。
鍵をどこかに忘れてきて、帰ってきたのに家の玄関をあけられなくて、管理会社に電話して、鍵あけ屋さんを待っている間に、読んだ。おもしろすぎて、鍵あけ屋さんが全然いつまでも来てくれなくて永遠に家に入れなくても全然平気なくらいおもしろかった。

善とか悪と

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人が人のこと好きなことにどうしてとか無いよということをわかりたい

人が人のこと好きなことにどうしてとか無いよということをわかりたい

人が人のこと好きなことに、どうして、とかは無いということをわかりたい。
人が人のことを好きなことにどうしてとかは無い、ということをわかりたい。

好き、というのは状態であって、状態、というのは陥るもの、そうなっているもの、気づいたらそうなっているものであって、そうなっていることに対してきっかけはあっても理由は無い。ということをわかりたい。

やさしい人がいる。やさしい人が、どうしてやさしいのかを考

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きれいがうんぬん

きれいがうんぬん

きれいになったね、きれいになったねとときどき言われるようになってきた。わかる。わたしは随分きれいになった。きれいになったなと自分でも思う。

随分きれいにはなったが、それでもまだときどき、きれいになりたいなあと思う。「もっと」きれいになりたいとは違う。「きれいになりたい」のであって、もっときれいになりたいのとは違う。

いくらきれいになったと言われても、きれい側にはなれないのだと思う。いくらきれい

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悪事のこと

悪事のこと

わたしはいつも悪事、悪事をしでかしている。わたしがしでかしている悪事はほんとうに悪い。全部こわす可能性あるほど悪い。気がついたら悪事に悪事を重ね今ではかなりでかい悪事のかたまりになってしまっている。わたしのイメージではそれは泥団子のようなかんじで、悪事は泥みたいなかんじで、表面に塗り重ねられるかんじで、どんどんでかくなってくかんじである。

いつかいっぱいまででかくなったこの泥団子がわたしをつぶす

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