きれいがうんぬん
きれいになったね、きれいになったねとときどき言われるようになってきた。わかる。わたしは随分きれいになった。きれいになったなと自分でも思う。
随分きれいにはなったが、それでもまだときどき、きれいになりたいなあと思う。「もっと」きれいになりたいとは違う。「きれいになりたい」のであって、もっときれいになりたいのとは違う。
いくらきれいになったと言われても、きれい側にはなれないのだと思う。いくらきれいになっても、きれい側には行けない。きれいかどうかは最初から決まっていて、後からいくらきれいになっても、それはきれいとは違うのだろうと思う。きれいには「行けなさ」がある。なんというか軸が違うのだと思う。わたしには縦があり、きれいにも縦があり、わたしの縦ときれいの縦は違う位置にあるのだと思う。そんで横とかななめとかは無いのだと思う。
自分の顔を見たときに、きれいになったと思うことがあるのでまだ少しは良くなってきた。きれいのことがどうでもよくなるまで、まだもう少しかかる。
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