女の裸の像を作る人間のずるさ
最寄駅の前の広場に、女の裸の像がある。毎日私はその前を通る、今日もいつもどおりその前をただ歩いて通り過ぎる、通り過ぎたのだったが、ふと、その女の裸の像を何ともなしに見上げた。いつも目に入ってはいたが、今日はなんか、見た。見て、裸だなと思った。
女の裸の像は、ただ裸だった。本当に裸だった。本当に、何も一切まとっていない、本当に裸だった。本当に裸のその像を見て、ふと、なんだかものすごく、ずるさ、という言葉が浮かんできた。ずるさ。女の裸の像の向こうに、それを作った人間のずるさが見え