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自作詩(こうだたけみ名義)

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こうだたけみ名義で書いている詩。たまに朗読
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#言葉遊び

マンションポエム

こうだたけみ

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去年の暮れに更新したきりになっていたけど出戻りましたよっと(気まぐれ)。

今日(5/18)はことばの日らしいですね。
そこでひとつ言葉遊びをば……
なあんて思ったけれどすぐに出てくるわけがない!!!
ので去年の今頃、即興ゴルコンダ(仮)という即興詩のサイトに投稿した詩を載せておきます。
個人的にはかなりお気に入りなんだけど、見向きもされなかったやーつ!笑。
出題者はみずけーさんです。

ちなみに

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納豆と胃カメラ

納豆と胃カメラ

納豆は万能でなんにでもなれますが、なんにでもなれなかった人達はどこに向かうのでしょうか。(甘露煮さらさら)

ポストにモダン放り込んで走ってくバイクの
車輪の下の減るもんじゃなしヘソのゴマ開け
たいらかなカナかなしいな食えない人のシは
うつくしいなんて簡単に言うな見ろよその目
で両の目で十二ろくろく聞いてない首が伸び
てく高くたかく振る賽の目きりくちはコチラ
側のどこからでも、たどり、着け〼私の意

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「穴。」

「穴。」

昔から演劇ぱ人生の縮図なんて申しますが。こと歌舞伎というのぱこの世の似姿。舞台にぽっかり空いた穴なぞ傑作じゃございませんか。人ぱそれを【奈落】と呼ぷのでございます。その奈落の底に待機するのぱ奈落番と申しまして。せり上がったり飛ぴ込んだりする役者を首尾よく助けるのでございますが。またの名を穴番と申します。さて。世間にもまた数多の穴がございまして。村上某の井戸や安部某の砂の穴など脚色ものならぱ小説に見

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たまきはる

たまきはる

きのうにたおれたわたし
のうえふみこえいまあるわたし
めがないとふあんになるし
めがねないとふあんにもなるし

ないとまもられないからだ
わくないとこぼれるからだ
わくわくないとおちこぼれるからだ

めはふたつあるからわくふたつひつよう
めがふたつでたからいずれまびきますよう
めにふたつふたをしてきょうはせいよう

おやすみいのちのちわたし
ふみこえていまわたしわたし
あたらしいわたしになるわたし

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ケッコンしきますマスの語かつやくをネガってる

ケッコンしきますマスの語かつやくをネガってる

本日はお日柄もよく胃が痛い、のはあたしのせいで不摂生が祟ったにキマってる、頭ではわかってるはずなのに頭痛が痛いくらい耳痛が痛い、暗い声が響くインドの人の顔つきは噓ツキ、を跨いで忙しいなんて聞いてないよないのよ詐欺、が羽をやすめるお堀のお隣もんスター、ライトが照らし出す十八時からのパレードが夢の海の十五周年をお知らせしマス、カラから流す黒い涙なんて武器はとうに捨てた棄てたステタすけて助けて助け手は必

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水中反転

水中反転

水の入ったコップ越しに見る文字はひっくり返って見えるから、なんだか鏡を覗き込んでるみたいな気分。自分は写り込まない鏡の中の世界。そこから見る液晶の中ではイワシの群れが方向転換をする。ひらりきらり。彼らは美しいけれど、それについては無自覚だ。彼女はさっき二十五メートルプールで百メートルを泳ごうとした。つまり少なくとも三回は転回する必要があるけれど、その自身の美しさについて彼女は自覚的だ、たぶん。ねえ

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「赤いはうそつきの舌」

冷たい雨が降ってきても傘をささずに歩く若い男性。長袖のワイシャツにスーツのパンツ姿で四角いリュックを背負っている。線路脇の金網に吸い寄せられてはぶつかってふらふら離れるのを繰り返す、まるで誘蛾灯に集まる虫。後ろでしばらく観察していたけれど追い越して足を速める。背後から絡まれても対処できないし。案の定、喚き声が追ってきた。ねえ、そんなになるまで飲むってどんな気分ですか。

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魚と鳥と兎と すクロール〜TOTO-to-TO-to-TO-to すCrawl〜

魚と鳥と兎と すクロール〜TOTO-to-TO-to-TO-to すCrawl〜

       魚   有無
      連 絡    、
     今 夜 は
    /おそくなり\
     ま   す
     から待たず
      先 に
       寝
        て
        いて。

       二
(魚)   ととを
     追 え ば
    /一ととをも\
     得   ず
     物別れ羽ば
      たく分
       か
 

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ソうサくげんザい〜かサなるあまあシ〜

ソうサくげんザい〜かサなるあまあシ〜

かサなる ぱたぴシぽん かサねて がたぎシとん かサかサ ひたぺシぴん こんころこんのズん

あまあまのきみかわゆス まあまあのきみかよわシ まああまのきみはかなシ サぎょうスるひとは

げんけいをとどめズ ソんザいをみとめズ げんどうがスいっち おふになる、あサってのほうこう

シんぺんセいりだんシゃりによりスてられたのはきみかソれとも セいりセいとんとんとんととのう

ひょうシにことがはこばれ

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マル:サンカク:シカク;バツ

マル:サンカク:シカク;バツ

算数の◯つけるだけでいいのね?
国語は? カタカナ△は? じゃ
後は鉛筆削り△だけでいいのね?
ってため息混じりなおかあさんの
声▽がする通り掛りマンション□
のエントランスから複数の足音と
気配がする背後にふいに他所様の
生活が入り込む×晩の虫の鳴く声
の陰で死角□になる速度を緩めて
通過する自動車◯×4のライト◯
と交差×する竹刀を背負った少年
の自転車◯×2のライト◯または
ブレーキ音△が増

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PLANET NEWS LEVEL 7

PLANET NEWS LEVEL 7

レベル7になりました/惑星報道を
お伝えします/詩人を乗せたタイム
マシン11号は地球から十一億光年の
地点を通過しています/孤独に浸る
にはあと九億光年ほどお待ちくださ
い/続報です/タイムマシン11号は
旺盛な創作意欲を保ったまま軌道を
外れ明後日の方向に進んでいます/
衛星に不時着する恐れもでてきまし
た/乗り越しの場合は速やかにお申
し出ください/緊急惑星報道です/
タイムマシン11号が軌

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後ろの席でくしゃみする

後ろの席でくしゃみする

大教室は後ろのドアから入ってなるべく前から見えなさそうな席を確保した睡眠時間は大切にねって学生時代の話書こうとして過去形でしか書けないのはなぜだろうか現在進行形が入り込めなかった思い出に鍵かけられた

怖くて冷や汗かいて目が覚めるほどではないけれども後味の悪い夢ばかり立て続けに見るのは何か悪いことしてないか胸に手を当てて考えるふりだけするどうせなにも思い出せやしないのだから考えるだけ無駄無駄無駄足

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夜明けに蝶のとどく

夜明けに蝶のとどく

         真夜中
何度も目が覚めた浅い眠り
と眠りの合間イに呼び鈴が
幽かに聞こえたんだこんな
時間に宅配便ですのお届け
ものは封を切ったら一斉に
飛び立った羽ばたいた部屋
中に音なイしに降る鱗粉が
わすれたイ夜明けを連れて
おはようございます
         さらば
一粒食べかけて気味合いを
お目にかけましょうと口元
へ持っていくその得意げな
手ズから掴みこの人ですと
叫んだ腕を捻って

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不安定、という状態で安定する変化なき日常

不安定、という状態で安定する変化なき日常

人差し指の先で不安定に留まるコンタクトレンズの透明な曲線に溜まる液体に映り込む蛍光灯の光がぶれる/かぶれる肌にはラコステみたいな名前の薬を母のそして私のひとつ覚えの市販のやつを塗っては黄色い塗らなくても黄色い浸出液のふくらんでいく姿は表面張力/超能力みたい真後ろにいただなんて声もかけずに展示を観たのドイツの版画の物語る聖なるものと俗なるものその俗なるものをありがたがるワタクシは俗物か/ぶっつかる前

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