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ドラえもんの映画でボロボロ泣いた理由って?

お便りを書いている現在はGW真っただ中です。脱サラして15年間、ずっとGWなど関係のない生活を続けているので連休を羨ましいと思うことはなくなりました。人混み嫌いだし、そもそも農繁期でお出かけする余裕もないという、トホホな理由もあります。

さて今回のお便りは、頻繁に登場する子供とのお出かけに関する内容です。日曜日は子供と僕とでお出かけするようにしています。そこで、最近テレビで見始めてドハマりしているドラえもんの映画を見たいと言い出し、2時間も飽きずに最後まで観られるかな?と心配しながらも映画館へ。ここから先は映画のネタバレ全開なので、それが嫌な方はここで読むのをストップしてくださいね。

僕も大好きだったドラえもんを、きっと35年ぶりぐらいに自分の子供と鑑賞。このシチュエーションにすでに感慨もひとしおなのですが、内容がこれまた素晴らしい。

「のび太と地球シンフォニー」というタイトル通り「音楽」を軸に物語が展開します。音楽をエネルギーとして活用する文明が発展した星があったが、エネルギー独占を画策する勢力が、音楽を制限してしまう。その時、音楽が苦手だが、星を食らう暗黒生命体に星ごと飲み込まれ、宇宙船で脱出した一部の人を除き、この星は文明ごと無くなってしまう。それがひょんなことからのび太やドラえもんと、脱出した彼らの末裔が出会い、最後は地球を飲み込もうとする暗黒生命体と、のび太たちや末裔たちが音楽を武器に闘う。ザっというとこんな感じ。

で、これは大人だから推測できるメタファー。
「音楽」はつまり生活の中の精神的なゆとり。これを欲に駆られて、同じ星人類?の中で制限をかけることで結果的に自滅に至る。これって人類の経済至上主義で結果的にゆとりを亡くしたり争いを助長していることの比喩?

そして、きっと子供が気付かない描写で僕が一番感動した点。最後の戦いでのび太たちが音楽で戦うんですが、その時音楽を奏でながらみんな笑顔なんです。地球の存亡をかけた戦いで、誰も鬼気迫った顔で「うぉーー!」とか言ってません(笑)。

ここで思い出したのが、同じ時代を生きたヒトラーとガンディーの違い。
第一次世界大戦後の賠償で絶望的な状況化のドイツでヒトラーは「怒り」を煽ることで現状を打破しようとし、ナチスを生み、集団ヒステリーを発生させて第2次世界大戦、ホロコーストを起こした。
かたや祖国インドに対するイギリスの植民地支配に対し、ガンディーは「この支配はイギリス、インド双方のためにならない。この問題は暴力で解決してはいけない」と非暴力・不服従で、徐々に周囲を巻き込み、最終的にインドを独立させてしまう。その偉業がマーティンルーサーキング牧師へ影響を与え、アメリカでの黒人差別撤廃の平和的公民権運動に波及する。

単純化すると、絶望的状況に「怒りや恐怖」で対処するか、「愛と希望」で対処するか。ドラえもんの制作陣の意図ではわからないけど、危機的状況に「音楽=心のゆとり?」で戦うという設定。その時の基本スタンスが「笑顔で楽しそうに」。
なんだかこの点に、もう胸を打たれて、大人の僕がボロボロ泣いちゃいました(笑)。

あ、ついでのように付け加えると子供も「すごい楽しかった!また観たい!」との反応。うん、46歳のおじさんもこの映画はたくさんの人に見てもらいたいなと思ったよ。

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