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新しい挑戦に向けての正直な思い

さて、前回の投稿の続きです。
思いの核心の部分でございます。
偉そうなことを書いていますが、新しい挑戦の入り口の書類申請で早くも心折れそうなときに、この思いに何度も立ち戻ることで何とか気力を回復しています。「大げさだなぁ」なんて笑わないでくださいね。

以下、コトコトファームだよりより転用

さて、前回のお便りの続きです。友人をうちの畑のスタッフとして来てもらうという件です。正直、彼の人件費に関して不安が大きいのは確かです。自分の生活費を稼ぐのですらやっとですからね。それを人の生活の軸になる金額を、追加で稼がなくてはいけないのですから、両肩がズーンと重くなります。

僕が就農したころは、雇用をして農園を大きくすることは絶対にしないと思っていました。お金を稼ぐということに縛られて、色々な余裕が生活や仕事から無くなるくらいなら、少し経済的に苦労しても、心理的な余裕がある暮らしがいいや。というのが一番大きな理由です。実はその思いはあまり変わっていないのも事実です。ただ、その思いの他に、自分の仕事を通じて社会に、周囲の人々に何か役に立てることができるなら、それに挑戦しないまま終わると、いつか後悔するんじゃないかという思いも出てきたからです。

以前にも書きましたが2011年に就農したての頃は、とにかく新しい環境に適応し、仕事を軌道に乗せ、農家としての生活を維持できるようになるのが目標でした。その時に漠然と思い浮かべた条件は、いつの間にかそこそこ達成していました。(ただ達成してみると思っていたより、全然生活は経済的に楽ではなかったけど(笑))そうなると、次の目標はどうしよう?と。

もちろん経済的にもっと楽な状況にしたいという、分かりやすい課題は常にあります。それに加えて、加齢とともに落ちていくパフォーマンスをどう補っていくか。毎年振り回される異常気象・・・。放っておいても目の前に小さな課題はジャンジャン湧いてくるので、それを対処していくだけでも結構忙しいです。そこに子育ても追加されたので日々のやるべきことをこなすだけで精いっぱいです。次の目標などを真剣に考える以前に忙殺される日々をここ2年ほど送っていました。さらに正直に言えば、心の底では挑戦したくないゆえに、色々な理由を見つけて、勝手に恐怖に縛られてました。雇用賃金の不安、変化に対しての準備や新しい取り組みのための時間が捻出が難しい。そもそも忙しすぎる・・・。誰かと一緒に働いてぎくしゃくしたら?売り先がしっかり確保できる?畑は増やせる?・・・

でも、それでいいのか?って。
忙しさと変化への恐怖を理由に近視的な対処だけの日々を積み重ねて、仕事人生が終わりに近づいた時に「俺は自分の仕事で世間に貢献できた」って、満足できるか?って。「父ちゃん、こんな仕事したんだぞ」って胸張って言えるかな?って。現状では、学校給食への有機食材提供は先進的な取り組みだし、それに協力できる農家はこの地域にそう沢山いるわけではない。そして僕の友人の雇用は、友人の生活を助けることにもなり、友人の力を借りて学校給食への取り組みなど、他にもJAS有機認証をとることで可能性が広がる。

そして、きっと今がその潮目だと思います。

子育てをしていて、これからの時代を考えると、うちの子供が大人になり、仕事人生40~50年間に、一つの仕事だけというのはかなり難しいと思います。何歳になっても変化を恐れず、チャレンジできる人間になって欲しい。でも、そう思うならまず自分がそうでないと。自分が逃げてきたことを子供に求めるなんて理不尽はできない。今回の挑戦は4歳児に現時点で理解は難しいと思います。でも、いつか僕の軌跡を見て「父ちゃんも成長を諦めずに挑戦してたんだな」と感じてくれたらいいなぁ。
 

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