生得的生物学的女性の立場を伝える書籍TERFと呼ばれる私達出版とTGの立場を伝える書籍トランスジェンダー問題――議論は正義のために出版



https://archive.is/yetef









🟣性別不合当事者の会から、お伝えしたいこと


① LGBT法連合会やTransgenderJapanは、トランス女性やトランス男性の代表ではない。

② トランス女性に対し揶揄や性犯罪をするのは男、仕事の差別は男社会

③ 男性器ある女性の安心安全を考えて、公衆のトイレ問題を解決する方法もある。

④ 「性自認」は曖昧で主観的、法的に意味を与えてはいけない。性同一性障害と異なる。

⑤ 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律は貴重です。―その成立に努力された政治家の方々に感謝申し上げます。

⑥ 性別適合手術は、GIDでそれを希望する人のためで断種ではない。―「信用されるための身を守る盾」、維持して下さい。

⑦ 身体違和はないのに、「性別」にこだわる感覚がおかしい。

⑧ この問題に疑義を言うと、私たちにさえ支援者から誹謗・中傷があって本末転倒



🟢白百合の会からお伝えしたいこと


① LGBT法連合会等は、性的少数者の代表ではない。

② もっとも弱い立場はレズビアン

③ 日本学術会議の言うように、性自認で性別変更までできるようにまでする方向性は大間違い。先行した諸外国の混乱を知ってほしい。

④ 子どもにはなぜか医学的対応が進められている。イギリスが正常化に舵を切った理由の1つ。子どもへの思春期ブロッカー、ホルモン治療そして手術は、危うい。

⑤ 自閉症スペクトラム障碍と性別違和を併せ持つ当事者は多いと思われる。この問題は、研究の伸展をまつべきである。

⑥ 日本は、同性愛も、性自認の食い違いも文化で吸収してきた。

🟣平等社会実現の会からお伝えたいこと


① 性犯罪被害者は、圧倒的に男の女に対するもの。

② 女性スペースでは、身を守れない少女や様々な障害ある女性の被害も多い。

③ トラウマを抱えている人が多くいる。女性スペースにはいりにくくなる。

🟢女性スペースを守る会からお伝えたいこと


① 信頼できる「トランス女性」だけを想定してはならない。―トランス女性でも性的指向が女性の人も多くいる。身体違和または性別違和があろうがなかろうが、危うい人もいる。性犯罪目的の人は「女性の振り→トランス女性の振り」で入れるようになる。

② ルール・建前の問題として、女子トイレには男は入らずとすることが安全の大前提

③ 黙認は、もはや困難になった。多目的トイレなどのほか、女子トイレはそのままに、男子トイレの構造を変えつつ「元々の共用トイレに戻す」方法がある。

④ この問題に疑義を言うと「FUCK」などの、激しい誹謗・中傷がある。

⑤ 性別が男性の問題です。―男性が性の多様性を承認していない現象

⑥ 性別セックスと、「らしさ・役割」であるジェンダーを混同してはいけない。

https://note.com/sws_jp/n/nfe29ea6e9d55?after_purchase=true
性自認の法制化反対記者会見 2023.4.5-トランス女性ら当事者から生の声を伝える-同日森まさこ首相補佐官と面談も

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女性スペースを守る会

2023年4月11日 19:00




要 望 書



性 別 不 合 当 事 者 の 会
共同代表 河 村 み さ き
共同代表 御 堂 こ ず え
共同代表 森 永 弥 沙
共同代表 吉 崎 真 琴
tsatgism@tukiyo.net
1 私たちは性別不合当事者の会と申します。その名の通り、強い身体違和を持つ性別不合(性同一性障害)を抱える当事者の集まりとして2021年12月21日発足しました。その趣旨は同封の趣意書や、ホームページ(https://note.com/ts_a_tgism/)に代表らの紹介と手記などありますので、ご覧ください。
私たちの多くはいわゆるMtF ですが、FtM の会員もいます。
私たちは、貴学会所属の先生を含め医師らにお世話になっている立場ではありますが、ここにいわゆる「手術要件の撤廃」に反対することを中心に、下記のとおり強く要請します。

2 私たちが新しく団体を作ったのは、強い不安に駆られたからです。
海外では「セルフID」といったかたちで、「性自認」だけで社会的な性別を変えてしまうことができる国もあります。
一時的に「セルフID」は脚光を浴びたようでもありますが、しかし、今では女子トイレでの混乱など弊害も大きいと認識されているという報道を目にします。
また、去年の東京オリンピックでも、体格的に男性的な重量挙げ選手が女子選手として参加する、というのを目にもしました。
アメリカでは男性としての競技実績のある大学水泳選手が「女子選手」として参加し、これらに「スポーツとしてアンフェアではないか?」という疑問の声も上がっています。
「性自認」での性別変更扱いであれば、性別適合手術を受けてさえいない場合を含むのですから、当然だと考えます。
このような声が女性らから強く聞こえるにつれ、FtM、MtF の者として、女性の権利法益、公平性を害することには耐えられず、「性自認」概念を導入することに反対するため、私たちの会は成立しました。

3 ICD-11 が今年発効し、「性同一性障害」から「性別不合」への概念が変わってきました。
日本でもいわゆるLGBT 法の審議や理解増進法案の提出が話題となる中、2021 年5 月21 日、貴学会は 「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の改正に向けた提言を出されました。
そこでは、<提言2>として「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること」(いわゆる、「手術要件」)の撤廃を求めます」としています。
しかし、私たちはこれに賛成ではなく、正反対であり、強い危惧の念を抱いています。

4 現在でさえ、GID の医療的サポートは十分であると感じている当事者は少ないです。
ホルモン療法への健康保険適用がないために、国内での性別再判定手術への保険適用も「混合診療」を理由としてなかなか適用されてない状況です。
ここで「脱医療化」を主張したりすれば、どういう根拠で健康保険が適用可能なのか、強い懸念が持たれるは当たり前です。
当事者が求めるのは、「脱医療化」ではなくて、
・「安全な医療」
・「安価な医療」
・「アクセスしやすい医療」
なのです。

5 さらに現状、「一日診断」を謳う一部クリニックも存在し、ガイドラインは形骸化している、と批判の声も上がります。
安全な医療・アクセスしやすい医療とは、「しっかりと標準化された医療」、ということでもあり、それが「ガイドライン」として形になりました。ところが、それが名目化しているという懸念を、ほかならぬ当事者が抱いているのです。
貴学会でも「認定医」制度がありますが、ホームページを見る限り日本中に33人しかいません。
地域的な偏りもありますし、実際にどのような役割を果たしているのか、当事者に見えているわけではありません。
「認定医」は特に性別再判定手術や戸籍変更に際しての診断書の要件であるわけでもありません。
いったい何のための「認定医」なのでしょうか。
それこそが大きな問題です。
これを活用して「医療を標準化し、信頼させる」ような手段はないのでしょうか。
診断の標準化とその信頼性は、私たち当事者の利害に直結します。
実際、手術を受け戸籍も変えたにも関わらず、「自分は性同一性障害ではなかった」と、手術と戸籍変更を後悔した方も何人もいます。
2017 年11 月30 日には家庭裁判所が誤診を認め、性別変更の取り消しを認めた例があると報道されています。
しかし戸籍変更は取り消せても、手術によるダメージは元には戻せません。これは性別の法的変更を求める当事者にとって、見逃せない懸念事項なのです。
後悔するのなら、止めてくれ、と誰もが思います。
診断が信頼できるものであることは、またさらに当事者の社会的な信用にも結び付きます。
「性同一性障害の診断を受けた人は、本気で移行先の性別に馴染もうと努力している人であり、それを医学が保障している」と周囲に信用されるのであれば、どれほどか性別移行の助けになることでしょうか。
口では「自分は女性」あるいは「自分は男性」とでも何とでも言えます。
しかし、ただの自称ではなくて、それを医療が明白にサポートすることを示すこと、そしてその診断に責任を持つことが、当事者が安心して性別移行を試みる条件であり、かつ社会に広く深く受け入れてもらえる条件だと言っても過言ではないでしょう。

6 日本でも年少の頃からの確認・働きかけの動きが始まっています。
すでに海外の事例として、安易に未成年者に性別移行の医学的介入をして悲劇を招来している事例が見つかります。
しかし、幼児の一時的な思い付き、あるいは思春期の女子が体の変化・ジェンダーロールの押し付け・男性からの性的視線への嫌悪などから、「性別移行」というアイデアに飛びついてしまっている可能性はないでしょうか。
そして、それを専門医ですらちゃんと判断しきれずに肯定してしまい、後に「脱トランス」して裁判になるなどのケースも見つかります。
若い頃の一時の気の迷いで人生を狂わされることのないように、「引き返せる道」をちゃんと提示しつつも、医療的介入の開始年齢の引き下げにはより慎重に、人権モデルではなく医学的エビデンスに基づいた決定がなされることを求めます。

7 このようにみてくると、「性同一性」、統一性・一貫性・持続性として語られ、事実上性別移行と性別再判定手術への適性とも理解されるような「性同一性」と、いわゆる「性自認」とは、本当に同じものなのか、という疑問が当然に湧いてきます。
どうも最近LGBT 運動に関して口に出される「性自認」とは、ただ「自分はそう思う」という主観的な意見に過ぎないようにも感じられます。
曖昧かつ主観的な概念であるというほかないのではありませんか。
そしてこの「性自認」を盾にとって女性専用スペースへの侵入を試みて問題になる例が、最近もあとを絶ちません。
中には性同一性障害の診断などまったく受けておらず、身体違和も全くな
いのではないかとみられる、痴漢行為の言い訳に使われているのではないか、と懸念される事件も起きています。

8 このような「性自認」に強く不安を感じるのは、女性だけではありません。
真剣に性別移行をしようとしている私たちMtF・FtM の当事者もまた強く不安を感じています。
私たちの信用が失われ、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」に対する国民からの信頼が失われてしまうのです。
すでに女性らの一部からは、性適合手術を受け法的に「女性」になった人に
ついてまで信用できないという声が上がっているのです。
このようなことでは、女性たちが自らの安全を守るために、女性スペースで少しでも「男性?」と疑われる人を問い詰め、通報するというような事態を招くことになります。
これは私たちの求めることではありません。
たとえば手術済・戸籍変更済であっても、いわゆる「パス度」が低い当事者の場合、女性の警戒心が高まった状況は、針の筵のようなものでしょう。
もちろん、女性専用スペースの利用にあたっては、当事者の側の配慮と自己規制も求められるのは承知の上の話です。
しかし不心得者や偽装を許してしまえば、女性の当事者に対する眼が厳しくなるばかりです。
それでも、現行制度では、戸籍変更の要件として手術要件があります。
戸籍が女性ならば手術済ですから、女性スペースを利用できる筈です。
ですから、この現行の「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が、私たちが性適合手術を受け、MtF が法的に「女性」になった
後には、権利として「女性だ」と言える根拠なのです。

9 しかし、手術要件を撤廃してしまえば、どうなりますか。
それは「性自認」で法的な性別変更ができるということと同義ではありませんか。
身分証明書の記載と身体的状況が一致しない、私たちのアイデンティティも社会からの信頼も、大きく失われると思います。
そして女性たちは、より一層、真剣に女性専用スペースでの性被害について懸念しなければいけないことになります。
このような事態は、私たち当事者にとって、マイナスでこそあれ、プラスになることではありません。
私たちにとっての手術要件は、決して「過酷な条件」ではなく、それこそ「身を守る盾」だとさえ感じています。
この法律は、もともと性別適合手術が日本でも適法であることを示して、強い身体違和を持つ私たちに国内の手術を可能とし、戸籍変更の道を開くためにできたものだったことを思い出してください。
「性自認」の概念には「性別違和があるが身体違和はない人」もいるとされますが、まったく理解できません。
身体違和がない人を、この法律を検討する際に、考慮する必要がどこにあるのでしょうか。

10 ですから貴学会からも対策や知恵を出していただきたいのです。
どうすれば、当事者が社会に信用されるのか、真剣に考えて頂きたいのです。
それは「人権モデル」やらの流行の言葉を使うことではありません。私たちの生存が懸っているのです。
具体的な要望としては、次のことをご検討願いたいと考えています。
(1) 手術要件の撤廃は本当に当事者の利益なのでしょうか?
不安に感じる当事者、それに女性たちがいることを考慮ください。
少なくともその得失について開かれた論議と社会の納得なしに、手術要件を撤廃するのには反対します。
(2) 脱医療化が進むべき道なのでしょうか?
脱医療化が健保適用のさまたげにならないと、保証ができるのでしょうか。あるいは健康保険に相当する別な施策について何か提言することあるのでしょうか?
簡単に「脱医療化」を主張することに、危惧を感じます。
「脱医療化」の前に、ホルモン治療への健保適用を実現して頂きたい。
(3) 診断の標準化と、信頼性の確保に向けて、具体的な施策を求めます。
「一日診断」のような診断の簡易化は決して許さないで下さい。
逆に「診断の厳格化」が当事者にとっての利益だと考えます。
診断に責任を持っていただきたい。
もし、当事者が誤診を主張して脱トランスする、あるいは診断を悪用した性犯罪を起こしたなどの事件があれば、相応の責任を診断した医師に求めるでもしないと、診断自体が社会に信用されなくなります。
(4) MtF、FtM のいずれについても、未成年者の性別移行はもちろん、医学的介入の開始年齢の引き下げについては、「人権モデル」ではなくて「医学的エビデンス」に基づいて議論がなされることを求めます。
(5) 「性自認」というような曖昧で主観的なアイデンティティではなくて、客観的な根拠による診断を求めます。
もちろん理論的な研究などまだまだこの問題には光の当たっていない領域が数多く残っています。
単に「社会的なニーズがあるから」ではなく、科学として真実の究明に取り組んでください。

11 以上の通り、貴学会におかれて、いわゆる「手術要件の撤廃」を求めることのないよう、そして上記の具体的な要望を改めて正面から検討されるよう、強く要望します。

https://note.com/ts_a_tgism/n/n1a3340e907c3
GID(性同一性障害)学会への性別不合当事者の会からの要望書

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性別不合当事者の会

2022年1月12日 22:27

性別変更にかかる性適合手術、いわゆるLGBT法につい





https://searchlf.ama-assn.org/letter/documentDownload?uri=%2Funstructured%2Fbinary%2Fletter%2FLETTERS%2F2021-4-26-Bill-McBride-opposing-anti-trans-bills-Final.pdf





花見こう
@KyxuwXveLHWh2F5
GID当事者はトイレ・更衣室・公衆浴場の利用についての、公開の議論を要求します。
もはや女性とトランスの公開の議論による、社会的合意とそれに基づく明示的な線引きなしに、この問題は解決不可能です。
トランス活動家は議論から逃げないでください。
よろしくお願いいたします。
引用ツイート
ゆと里@『トランスジェンダー問題』発売🎉
@Yutorispielraum
·
4月7日
「女子SPA!」さんにインタビューが載りました(前編)。ライターさん編集さんと一緒に、読者層も考慮しつつ、トランスジェンダーの困りごとや、社会の「標準」と異なる(マイノリティ)集団の権利要求が構造的に捻じ曲げられることについてなど、話しました。後編は明日公開。https://joshi-spa.jp/1233048
午後2:47 · 2023年4月9日

https://twitter.com/KyxuwXveLHWh2F5/status/1644939976155734017








――日本には、どのくらいトランスジェンダーの方がいるんですか? 高井:日本では、トランスジェンダーは人口の0.5~0.7%といわれています。全人口のうち、トランス女性とトランス男性がそれぞれ0.1~0.2%くらいずついるとされ、残りはノンバイナリー(性自認や、性別にかかわる生き方が、男女どちらか一方には当てはまらない人)な人たちです。 数は少ないですが、トランスジェンダーの人々は確実に存在します。みなさんの学校や会社にも、知らないだけで当事者の方はいるかもしれません。 ――最近、ネット上でトランスジェンダーという言葉をよく目にします。ネット上での議論のされ方についてどのように考えていますか? 高井:当事者不在のまま議論がされている印象を受けます。みなさんの周りで、トランスジェンダーであることをオープンにしている会社の同僚、学校の先生、友人はどのくらいいますか? 多分、ほとんどいないと思います。実際にはいるはずなのに、世の中ではいないこととされているのです。 ネット上などで議論がなされているとはいえ、トランスジェンダーの人たちは今も、自分たちの状況を伝えるための場所がなく、話を聞いてくれる人もいないという状況の中にいるんです。 ――なぜ、話を聞いてくれないという状況ができてしまうのでしょうか? 高井:社会はある特定の集団を基準にしてつくられているからです。たとえば、会社での働き方のモデルはシスジェンダー男性です。そのため、社会の基準から外れた人たち、たとえば妊娠や出産といったライフイベントのある女性たちの意思は尊重されにくくなります。 トランスジェンダーについては、例えば「女性のはずなのに男性的な格好をしている」「男性のはずなのに女性的な格好や振る舞いをしている」のように、社会の基準から外れた「変わった人」として見られてしまいます。

トランスジェンダーが直面する問題

ーー社会の基準から外れている人を受け入れられない人は多くいますか?高井:そうですね。「差別をなくしましょう」というと、社会が大きく変わってしまうのではないかと恐れてしまう人が多いように感じます。 このことはさまざまな差別にいえることで、「妊娠して仕事を休んでいる女性をなぜ雇い続けなければいけないのか」「障害者が公共交通機関を利用すると、運賃が値上がりする」など、変化を拒否するような反応は珍しくありません。 ――この反応はトランスジェンダーに対してはどのような形で表れていますか?高井:トランスジェンダーの人たちは、就職差別やメンタルヘルスの問題、貧困など、日常生活でさまざまな問題に衝突しています。 それらを変えるための発信や活動が行われているものの、どうしてもトイレや入浴施設など、女性専用スペースに注目されてしまう傾向にあり、両者のすれ違いがSNSでは多く見られます。 ――先ほどさまざまな問題があるとおっしゃっていましたが、そのことについても詳しく教えてください。高井:2019年に大阪市で実施された「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」によると、「深刻な心理的苦痛を感じている可能性」があるトランスジェンダーは18.8%で、「シスジェンダー(生まれたときに割り当てられた性別そのものに違和感のない状態で生きている人)で、かつ異性愛の人」の3倍の割合であることがわかりました。 さらに、トランスジェンダーは、トランス女性、トランス男性にかかわらず、性暴力被害に遭う確率が高いことも調査結果で明らかになっています。

決して珍しくない性暴力被害
――トランスジェンダーの人たちが性暴力被害に遭いやすいのはなぜですか?
高井:経済状況も影響していると思います。
2020年に認定NPO法人の「虹色ダイバーシティ」と国際基督教大学ジェンダー研究センターが行った調査では、過去1年間で預金残高が1万円以下になったことのあるトランスジェンダーの割合が3割を超えていたとの結果が報告されました。 お金がないと家がなくなり、家がなくなると誰かの家に泊まらなければならない。そのような状況で、泊めてもらう交換条件として性暴力被害が発生するケースも考えられます。 トランスジェンダーは、お金がなかったり、住む場所がなかったり、力を奪われやすい立場にあるので、性暴力被害に巻き込まれる確率はどうしても上がってしまいます。
――身を寄せる先で性暴力被害……あってはならない問題ですね。
高井:社会で起きている差別が1対1の関係性にも反映されてしまうことがあります。これはシスジェンダーの男性と女性の間でもいえることですが、相手から性行為を求められて断りやすい人、断りにくい人などがいて、社会的に力を持ちやすい属性の人と、力を奪われやすい属性の人のあいだの関係は、個人間にも流れ込むことがあり、そうした背景から性暴力の被害に遭うことはよくあることなのです。

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News


2023.04.07

トランスジェンダーが抱える「トイレ利用」よりも深刻な問題とは?/高井ゆと里さん・前編

Honoka Yamasaki






止まらない女性用スペースをめぐる議論

――SNS上では、トイレや温泉など、「トランスジェンダーの人々の共同スペースの利用」についての発信を多く見ます。それについて、どのように考えていますか?
高井:当事者のおかれている状況を理解しないまま、当事者不在の議論が行われていると感じます。トランスジェンダーとひとくくりにしても、さまざまな人がいます。
たとえば、トランス男性(生まれたときに法的に登録された性別とは異なるものの、現在は男性という性別を生きている人)でも、すでに男性として生きている人だけでなく、「できれば男性として社会生活を送りたいが、周囲からは女性として認識されている」「これから身体を男性的に変えたいと思っている」など、一人ひとりの状況は異なるのです。 そんななか、例えば条例や学校・会社の規則でトランス男性は女性トイレしか使えないと決めてしまうと、すでに周囲から男性として認識され、男性として社会生活を送っているトランス男性は男性トイレには入れなくなります。「使えるトイレがない」という状態へと追いやられてしまうのです。
――なかでもトランス女性の女性用スペースをめぐる問題は、Twitterでも多く見かけます。高井:トランス女性が女性用スペースを使うべきかどうかの議論がされるとき、ほとんどの人がイメージしているトランス女性というのは、“心は女性だと言っている男性の見た目をした人”なんですね。 ですが、先ほども言ったようにトランスジェンダーのなかにもさまざまな状況の人がいて、当事者には男性用・女性用どちらのトイレを使うかの選択肢はありません。男性として社会で過ごさせられているトランス女性は、現実には多目的トイレと男性トイレしか使えませんし、女性として社会で過ごしているトランス女性は女性トイレしか使えないのです。
――共同スペースの利用について、当事者はどのような問題に直面しているのでしょうか?高井:友達に旅行に誘われても、着替えやお風呂を共有するのが嫌だから1人だけ行けなかったりすることがあります。また突然の災害で避難所生活を余儀なくされると、衛生状況を保つためにどうしても他の人と共同のお風呂を利用するほかありませんが、それが叶わないために、避難すべきタイミングで避難ができなかったりします。多くのトランスジェンダーが、そもそも公衆浴場に入ることができていないことを忘れないでください。 SNS上では「トランスジェンダーの差別がなくなったら、女性・男性ですと言えば誰でもそのスペースに入れてしまう」という意見があります。ですが、入れるトイレ、入れるお風呂がなく困っているトランスジェンダーが多くいる現実を知れば、その議論自体が誤っていることがわかるかと思います。 それに悪意を持って女性トイレや女湯に入る人たちは「トランス女性」ではありません。まったく別の人たちの話を持ち出していることに気づくべきです。
著名人の発言が当事者にマイナスの影響を与えることも
――トランス女性の女性専用スペースの利用をめぐる橋本愛さんの「公共の施設で、身体が男性の方に入って来られたら、とても警戒してしまう」「女性用スペースでは、心の性別ではなく身体の性別で区分するのがベター」といったinstagramストーリーズ投稿が、ネット上で騒がれていました(※)。影響力のある人がSNS上でこういった議論に参加することについて、どのように捉えていますか? 高井:トランスジェンダーの人たちの声が反映されていない議論が、今回のケースのように当事者についてあまり知らない人のもとに届いてしまうことがあります。トランスジェンダーに対して敵対的な気持ちをもっている人が、誤った情報や本来すべき話とは違った話を拡散することで、橋本愛さんのような影響力のある人に届き、さらにずれた議論が加速していってしまうのかなと。 本人は素朴な気持ちを書いただけなので悪意があったわけではないと思います。ですが、そのような出来事があったとき、同時にトランスコミュニティにマイナスの影響を与えることも忘れてはなりません。 ――具体的にどのようなマイナスの影響があるのでしょうか? 高井:このような炎上で芸能人が謝罪すると、「トランスジェンダーの人たちが黙らせた」という人が多くいます。当事者に発言権がないために、こうした不適切な問題設定やミスリーディングな言説が拡散されるのに、そこで差別を助長する発言をした芸能人が謝罪をすると、あたかも当事者に発言力があるかのように捉えられるのです。 さらにそれを面白がる人たちも多くいます。すると、弱者であるトランスジェンダーは、当事者の経験を発信したり表に出たりすることを避けてしまうわけですよね。 (※編集部注)橋本愛さんは騒動になった投稿の同日にinstagramストーリー上で謝罪している。さらに本取材後の2023年3月30日に発売された『週刊文春』の連載「私の読書日記」上で、「(寄稿文について)至らなかった点については都度学んでアップデートしていくことを自分自身に約束する」と前置きした上で、今回のinstagram投稿について「何の知識もないままに、究極的に安易な誤解をし、あらゆる人たちを気付かぬうちに排除しようとした」と反省を述べ、騒動後にLGBTQ+の人々について学んだ知識や当事者のおかれている状況について綴っている。
対立ではなく「対話」を
――SNS上での議論が炎上しやすいのはなぜでしょうか? 高井:今このインタビューを受けている空間は、わたしを含めて部屋には数人しかおらず、閉じた場所で話ができていますが、たとえばTwitterのような場所では、顔も名前も何をしているかも知らない相手とたった140文字で会話しなければなりません。 短文で文字が飛び交う場所だと、話す内容自体が限られてしまうことがあり、いかに注目を集める言葉を使うかで拡散力が変わってしまいます。注目を集める発言にするには、短く断定するような表現も多くなるので、問題の複雑さは無視することになります。 ――注目を集める発言とは、具体的にどのようなことですか? 高井:多くの場合、発信をバズらせるためにトランスジェンダーに関する偏見が利用されています。たとえば、「大柄でヒゲの生えた男性が自分を女性だと言い、女性トイレに入ってきてプライベートゾーンを見せたらどうするのか?」のように、当事者に向けられる偏見が言葉によって刺激されてしまうのです。 そういった場所で、トランスジェンダーが自分たちの話をするのは難しいですし、発言してもバッシングを受けることが多くあります。 ――対立ではなく対話するために、人々がもつべき姿勢はありますか? 高井:トランスジェンダーについて発信する人も増えてきましたが、同時にトランスジェンダーの状況を無視するような言葉が急激に増えているように感じます。現状、トランスジェンダーであることをオープンにできる人は少なく、当事者には発言権がありません。 SNS上では自分たちの思い込みを使って議論しようとする人が多く、不安になるかもしれません。しかし、もしトランスジェンダーの状況を考えてみようと思っている人がいれば、当事者の話を聞いてほしいですし、話をさせてほしいと思います。そして、時間をください。トランスジェンダーについての適切な情報が日本社会で流通するためには、まだまだ時間が必要だからです。

https://joshi-spa.jp/1233058
News

2023.04.08

「トランス女性のトイレ問題」は、それ自体が“ズレた議論”であるワケ/高井ゆと里さん・後編

Honoka Yamasaki