『コミュ力なんていらない』を読んで。対人関係に勇気をもらえる本でした
先日「コミュ力なんていらない」という本を読んだ。著者はキャスター取締役COO、bosyu事業責任者の石倉秀明さん。
とても読みやすく1日でさらっと読めるので、コミュニケーションが苦手な人は一読の価値あり。私は読んでみて「苦手なことから本気で逃げれば、立派に生きていける」という勇気をくれる本だと感じました。
Twitterでご本人にもコメントをいただいたので、印象的に感じた部分を中心に紹介してみようと思う。
▼こんな人におすすめ
・コミュニケーション能力(コミュ力)に自信がない人
・対人関係に苦手意識のある人
■自分が得意なパターンで勝負する
まずはこれ。本の冒頭から重要な部分に触れている。
王道の戦い方を選ばず、自分が一番価値を発揮できる戦い方を模索してきた
今ある手札でどのようにごまかすか、どうやったらうまく逃げ切れるのか――。それを常に考えてきました。
私も大人になればなるほど、そしてキャリアを考えるほど、自分の「得意」にフォーカスすべきという考え方に変わってきた。
昔は苦手や不得意を克服したくて、そっちばかりに目が行っていたけれど、そんなの時間も労力ももったいない。そして今はそんな風に言ってくれる人が増えている気がする。
コミュニケーションにおいても、自分の得意なパターンがあるという。
ふと、あのスヌーピーの名言を思い出した。
"You play with the cards you’re dealt …whatever that means."
(配られたカードで勝負するしかないのさ…..それがどういう意味であれ)
自分の持っているもので勝負する、それしかないし、それが正解なのだと思う。
■無理に人脈をつくろうとしなくていい
社会人になりたての頃は「人脈が大事」というフレーズをよく聞いた。そしていつの間にか私にも、その考えが刷り込まれていった気がする。
それっぽく飲み会や交流会に参加してみたり、名刺交換も頑張ってみたりして。
でも苦手なものは苦手だし、結局得られたものはなく、気力と体力と時間とお金を消耗しただけだった(つらい)。
その後人脈ゼロ(コミュ力がない分マイナス?)からフリーランスの仕事を始めたけれど、実際は特に何の問題もなかった。
本の中で書かれているように、私もTwitterやnoteで発信を続けていることで繋がった人がたくさんいる。そこから結果的に、仕事にもつながっている。
無理のないスタイルで、自分らしく過ごせるのが一番だ。
ちなみに私は「人脈」よりも「ご縁」という考え方が好きで、"人脈コンプレックス"を抱えるがゆえに、こんなnoteを書いたこともあったな。
■コミュニケーション能力の高さと仕事の成果は関係ない
「コミュニケーションができる、できない」と「仕事ができる、できない」は切り分けて考えるべきなのです。
これは確かにそう。私も社会人になって15年近く経つけれど、必ずしも直結しないということが実感を伴って分かってきた。
「いい人なんだけどね…(苦笑)」という場面もよくあるし、逆に第一印象が「?」でも仕事は一流というケースもある。もちろん、コミュニケーションに明らかな「難あり」だと困ってしまうのだけれど。
■「コミュ力」を因数分解して整理する
個人的に、この本の中で一番印象的だったのがこの話だった。コミュ力を因数分解する、という考え方がとても新鮮。
この本では、以下のような要素に分解して考えることを提案している。
●種類 ≪目的完遂型/関係構築型≫
●手法 ≪話す/聞く≫
●対応 ≪察する/空気に合わせられる/仲良くなる≫
●人数 ≪1対1/グループ/大人数≫
●ツール ≪対面(リアル)/非対面(オンラインの会話、テキスト)≫
「コミュ力」と一口に言っても、実はものすごく複雑。細かく見ていくと自分の得意・不得意の「要素」が分かってくるし、そうすれば対処法も見えてくる。
本にはより具体的な項目が載っているので、自分はどれが得意でどれが不得意なのか、ぜひチェックしてみてほしい。
ちなみに石倉さん自身の回答も載っていたけれど、私とは全く違うパターンで、本当に人それぞれなんだなと実感した。
大事なのは「コミュ力」が高いか低いかではなく、 自分が得意なパターンでコミュニケーションを取るようにすること。
コミュニケーションにおいても、きちんと自分自身を解像度高く捉えて、ロジカルに対処すれば意外と突破口があるのかもしれない。
■すぐに使えるノウハウが多々
●p86:魔法の質問「具体的には?」
●p123:正面ではなく、横に並ぶ
●p160以降:シチュエーション別・「コミュ力」いらずの仕事術
そのほか、このあたりもコミュ力に自信がない人にとってすぐに使えるテクニックだと思う。
私が一番印象に残ったのは、会話で「具体的には、どういうことですか?」という質問をすること。
会話のキャッチボールが続かなかったり、一問一答形式で終わったりすると、何か喋らなくちゃと焦って悪循環になるもの…。そんな時に覚えておきたいフレーズだと思った。
■おわりに
本の最後にも、こんな一文が書かれてある。
苦手なことを避けながらでも、何とかやっていける
石倉さんはもともとすごく優秀な方だと思うけれど、いかにして"自分のやり方"で進んでいけるか、粘り強い努力と工夫で試行錯誤されてきたのだろう。
コミュ力がないことを自覚した上で、どう戦うか。ただ逃げるだけじゃなくて、戦略的に。新たな気づきと勇気をもらえた一冊でした。
気になる人は、ぜひ読んでみてください。
それでは、また明日。
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