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副業と複業、パラレルワークの違いとは?Wワークや兼業なども解説

“副業元年”と呼ばれた2018年。2020年に入った今、個人的には「副業ブーム」は少し落ち着いてきたような印象を受けている。

副業に似た言葉として「複業」や「パラレルワーク」もあり、新しい働き方を提案する場面では、これらを見聞きすることも多くなった。ほかにも、ダブルワーク(Wワーク)や兼業、サイドビジネスといった言葉もある。

これらの違い、はっきりと説明できるだろうか。今回は私なりに、それぞれについてまとめてみようと思う。(ざっくり知りたい方はまとめへどうぞ)


1.副業とは

よく耳にするのはこの「副業」。

「副」の事「業」(あるいは「業」務)を指す。つまり本業以外に仕事(サブ的仕事)を持つことで、あくまで本業>副業といったバランス。

例えば週5会社勤めをしている人が、平日の空いた時間や週末に別の仕事をする感じ。“+αのお小遣い稼ぎ”のイメージがあるけれど、副業で大成功して本業の収入を超える人もいるため、一概には言えない。

副業の内容は、何でもOK。ただし本業に支障をきたさないよう、無理のない範囲に留める必要がある。

そのため在宅やスマホでできるようなネット副業(アフィリエイト、ポイントサイト、在宅ライターなど)に人気があるよう。もちろん、写真や占いなど趣味の延長で収入になれば、それも立派な副業である。


2.複業とは

「複業」とは、副業の言い換えや単なる“当て字”ではない。「複」数の事「業」(あるいは「業」務)ということ。

つまりいくつかの仕事を持つことを指し、副業と違ってどの仕事がメインという区別はしない(基本的には)。主・副の関係性はなく、すべてが本業

または私のように、どれが本業とも言えない場合も複業にあたる。

私は週2で会社員+それ以外でライターという働き方をしているが、時期によって出社ペースが変わったり、時間も収入のバランスも変化する。主・副の区別ができないし、どちらにも力を入れている。だから、複業。

「複」がつくと、何となくいくつも仕事を持つイメージがあるけれど、そんなことはない。2つ以上の収入源があれば複業と言える。私も現状はそう。


3.パラレルワーク・パラレルキャリアとは

「パラレルワーク」「パラレルキャリア」は、まだあまり耳なじみのない言葉かもしれない。

「パラレル(parallel)」とは「平行・並行・並列」を意味する英語。パラレルワールド、なんて言葉なら知っているかも?2つの物事が並行して同時に展開していくことを指す。

パラレルキャリアは2つ以上の仕事に携わりキャリアを築くこと、パラレルワークはそういった働き方を意味する。

ウィキペディア(Wikipedia)』によると、以下の通り。

パラレルキャリア(英語:parallel career)とは、ピーター・ドラッカーが著書『明日を支配するもの』等にて提唱しているこれからの社会での生き方のひとつ。現在の仕事以外の仕事を持つことや、非営利活動に参加することを指す。

そう、あのドラッカーが提唱した言葉なのだ。

副業や複業と違う点は、非営利活動=収入を得ない活動も含まれるということ。例えば無償のボランティアや社会貢献活動なども。

副業や複業はそれぞれが収入源であるのに対し、パラレルワーク・パラレルキャリアは“複数の社会との関わり”を指す。お金を得るのが一番の目的というよりは、複数の場と関わりながら自分を高めていく、といった意味合いが強いのだ。


4.ダブルワーク(Wワーク)とは

「ダブルワーク」(Wワーク)とは、2つの仕事を掛け持ちすること。「ダブル(double)」とはご存知の通り、2倍や2重、2つ組という意味。

2つより多く掛け持ちしていてもダブルワークと表現することもあり、“掛け持ち”のニュアンスが強い。

副業・複業・パラレルワーク(キャリア)と何が違うのかと言うと、ダブルワークは一般的に、アルバイトなどの非正規雇用を掛け持ちすることを指す。2つの仕事をするにしても、正社員+アルバイト=副業、アルバイト+アルバイト=ダブルワーク、というイメージとなる。


5.兼業とは

「兼業」は「兼」ねるという字を使うため、仕事を掛け持ちすることを指す。ダブルワークとは違って、非正規雇用に限った使われ方はしない

2つ以上の仕事をしていれば「兼業」と言えるため、「複業」に近いと言えるだろう。

コトバンクによると、以下の通り。

兼業(読み)ケンギョウ
[名](スル)本業のほかに他の事業・仕事を兼ね行うこと。また、その事業・仕事。「会社勤めと塾の教師を兼業する」

「兼業農家」「兼業主婦」という言葉をよく見るが、掛け持つ仕事(取り組み)で収入を得られなくても、兼業と言えることが分かる。そういう意味では、パラレルワーク(キャリア)と近い部分もあるのかも。


6.サイドビジネスとは

「サイドビジネス」とは、副業と同じ意味。「サイド(side)」=側面、側部、端、横という意味を持つので、本業の横でおこなう仕事という感じ。

しかしサイドビジネスと言うと、とても胡散くさいイメージ…。Twitterでの勧誘DMや、怪しげなアカウントでよく見かけるからだろうか。

ちなみにサイドビジネスは和製英語なのでご注意を。英語では「サイドジョブ(side job)」と言うらしい。


まとめ

■副業
本業以外に仕事・収入源を持つこと。サブ的な仕事を指し、あくまで本業>副業のバランス。“+αのお小遣い稼ぎ”のイメージもある。

■複業
複数の仕事を持つこと。本業+本業+本業…と、すべてが本業とも言える。2つ以上の収入源があれば複業。

■パラレルワーク(パラレルキャリア)
2つ以上の仕事でキャリアを築く働き方。ボランティアなども含み、収入よりも社会との関わりの中で自分を高める意味合いが強い。

■ダブルワーク(Wワーク)
2つ(以上)の仕事を掛け持ちすること。一般的には、アルバイトなどの非正規雇用を掛け持ちすることを指す。

■兼業
2つ(以上)の仕事を掛け持ちすること。「複業」に近いが、兼業農家や兼業主婦などのように、必ずしも収入の有無は問わない。

■サイドビジネス
副業と同じ。


とは言え、実際にははっきり定義されているわけではない。ケースによって違う意味合いで使われたり、あまり区別せずに使っている人も。

本業以外に取り組んでみたいと思った時には、まずどの方向性を目指すのかを考えるのもおすすめ。例えば、副業と複業でも進め方はかなり違ってくるはず。

少しでも働き方の参考になれば嬉しいです。

それでは、また明日。

(※こちらはブログ「ふくまま」の過去記事を再編集した内容です。)



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