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マドリディスタのための備忘録。数年後に読み返したときに当時の情景が浮かぶよう心掛けてい…

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マドリディスタのための備忘録。数年後に読み返したときに当時の情景が浮かぶよう心掛けています。

マガジン

  • Jude File

    ジュード・べリンガムについての連載作品を。

  • 【CHAT】マドリディスタのための雑談

    ササっと読める、でも面白い短編を。

  • 雑感

    レアル・マドリーのマッチレビューを交えながら。

最近の記事

【Jude File】Episode6.『はじめの一歩』

弱冠19歳にしてマドリディスタとなったべリンガムの軌跡を定期的に振り返るためのコンテンツ ”Jude File” の第6編。 全編は下記のリンクから。 第11節クラシコ以降のべリンガム 久しぶりのJude Fileの更新となってしまった。 10月のクラシコの夜に勢いのまま書いた前作から約2ヶ月が経過した。 これは、そのクラシコ以降のべリンガムの活躍早見表である。 モンジュイックの地でべリンガムの右足から2ゴールが生まれてから、マドリーは15試合を戦い抜き、この期間の

    • 【Jude File】Episode5.『出来すぎな夢物語』

      弱冠19歳にしてマドリディスタとなったべリンガムの軌跡を定期的に振り返るためのコンテンツ ”Jude File” の第5編。 全編は下記のリンクから。 私は眠れぬ夜を過ごしている。ラリーガ第11節、今季一発目のクラシコを先程終えたばかりで、脳も体もホヤホヤである。 ベルナベウでもカンプノウでもなく、モンジュイックで開催された今回のクラシコは、間違いなく今を生きる我々だけでなく、後世のマドリディスタが最も興奮した90分間に挙げてもおかしくない。 それもそのはず。サッカー

      • 【Jude File】Episode4.『怪物になる前の青年時代』

        弱冠19歳にしてマドリディスタとなったべリンガムの軌跡を定期的に振り返るためのコンテンツ ”Jude File” の第4編。 全編は下記のリンクから。 はじめに 2022年の12月、クリスティアーノが電撃的にサウジアラビアへ渡った。それから約6か月後、メッシはアメリカ大陸へ移り、ネイマールも今に続くサウジブームに乗っかった。 ヨーロッパのコンペティションから彼らは完全に身を引いた。 これは、フットボールの長い歴史の中で「一時代の終焉」と表現されることが多く、幾多のフッ

        • 【Jude File】Episode3.『時の人』

          弱冠19歳にしてマドリディスタとなったべリンガムの軌跡を定期的に振り返るためのコンテンツ ”Jude File” の第3編。 全編は下記のリンクから。 はじめに 2か月間の移籍マーケットが残り1週間となった頃、ヨーロッパのサッカークラブは、寝る暇もないほど人員整理に追われるクラブと、そうでないクラブに分かれた。 マドリーは、新たな9番獲得のチャンスで派手に動くことはなかった。その姿勢に、現地紙は9番はゴーストが着用しており、ベンゼマが恋しくなった時に姿を現すかもしれな

        【Jude File】Episode6.『はじめの一歩』

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        記事

          【Jude File】Episode2. 『べリンガム・システム効果』

          弱冠19歳にしてマドリディスタとなったべリンガムの軌跡を定期的に振り返るためのコンテンツ ”Jude File” の第2編。 全編は下記のリンクから。 はじめに べリンガムがまだドイツにいた頃、マドリーの9番はいた。しかし、いざスペインへ行くとロッカールームの9番は誰のものでもなかった。 べリンガムは、バジェホから5番を譲り受け、記者たちの前でジダンの名を出しながら理知的に振る舞った。 時が進み、新シーズンに向けたチームの始動日。 マドリーがSNSに投稿した写真が話

          【Jude File】Episode2. 『べリンガム・システム効果』

          【Jude File】Episode1.『はじめまして』

          マドリー公式がべリンガム加入を発表してから、まもなく2か月を迎えようとしている。 マドリディスタとなったべリンガムの軌跡を定期的に振り返ることができるコンテンツを作りたいと考え、”Jude File”という名のマガジンを作成した。 今回は、ここまでの彼の(約)2か月をEpisode1.として振り返る。 入団会見 6月14日の加入発表を受け、その翌日に入団会見を執り行った。彼が今シーズン3人目の新戦力であり、入団会見の時間も場所もフラン・ガルシア、ブラヒムの場合と同様だ

          【Jude File】Episode1.『はじめまして』

          【CHAT】いぶし銀と苦労人:ナチョとセバージョス(2023年オフ)

          6月22日、23日。マドリーはナチョとセバージョスの契約延長を発表した。 ナチョは1年間の契約、セバージョスは4年間の契約延長である。 ナチョ 22/23季終了後、拙稿『選手別講評』でナチョについて私はこう振り返った。 最後の一文が現実となった。ホッとした。 この日までの数週間、彼の名前とセットだったのは”マドリー”ではなく”インテル”だっただろう。私の知る限りでは現地メディアも四方から飛び交う情報に翻弄されているように感じた。某メディアでは、ナチョの去就に関するとあ

          【CHAT】いぶし銀と苦労人:ナチョとセバージョス(2023年オフ)

          【CHAT】"HeyJude"大規模だが大胆ではない(2023年オフ)

          6月14日、レアル・マドリーは来シーズンのユニフォームを発表したやいなや、べリンガム加入を公にした。やっとである。 マドリー=ドルトムント間の公式発表に先立って、ドルトムント側は6月7日に彼の移籍に関して合意したことをホームページで報じた。 そこから公式発表のなかった1週間、マドリディスタはべリンガムではなく、1年前のトラウマとその張本人に踊らされていた。 簡単に言えば、SNSを通じてメディアがエンバペを話題の火種とし、ファンたちの血を中途半端に騒ぎ立たせ、本人が鎮火作

          【CHAT】"HeyJude"大規模だが大胆ではない(2023年オフ)

          Intruder(乱入者)

          5月18日、マドリーはマンチェスターで抜け殻と化した。 もちろん、我々にヒーローはいなかった。クルトワは相変わらずの勇者だったが。 抑えるべきはハーランドではなかった。ベルナルドシウバだった。 いや、ハーランドを抑え込んだことで、ベルナルドシウバに好き勝手やらせてしまった。 彼の見事な2ゴールでマドリーにはヒビが入り、アカンジのゴールで崩壊した。アルバレスは我々の骨髄まで刺激した。 シティの洗練されたパスサッカーの渦にのまれ、いわばマドリーの伝統的なプレス回避もままなら

          Intruder(乱入者)

          あとふたつ

          チャンピオンズリーグのノックアウトステージは二部作である。 前編と後編、それぞれのストーリーごとにヒーローが誕生する。 その中でヒーローが両編とも同じキャラクターであることも、そうでないこともある。 事実上のファイナルと言われることも少なくなかったマドリーとシティによる前編は血の流れるような殴り合いではなく、どちらかと言えばアカデミックガウンを纏った者たちの頭脳戦に近かった。 ボールを持ち、トランジションで上回りたいシティに対し、マドリーはリトリート寄りの睨み合いを選んだ

          あとふたつ

          【CHAT】カルロを象徴するもの

          メスタージャでベイルのあのゴールが生まれた日、あれは2014年4月19日だった。ファイナルスコア2-1でバルセロナを破り、ラモスがトロフィーを掲げた。 そこから9年。カルロはマドリーに再びコパのタイトルをもたらした。 ベンゼマがトロフィーをセビージャの夜空に突き上げ、彼自身の獲得タイトル数は歴代トップとなった。 時を遡ろう。2023年1月。 中東開催がすっかりお馴染みとなったスーペルコパで、マドリーはタイトルを逃した。 チュアメニ、アラバ、ルーカスを欠いていたマドリーは

          【CHAT】カルロを象徴するもの

          【CHAT】アセンシオの現状と評価

          レアル・マドリーは長らく、アセンシオに対し「契約延長するかどうか」の議論をしている。今シーズン開幕と同時に始まった話ではない。それより前から論題として挙がっていた。 抑えるべきは、現時点で2023年6月いっぱいまでの契約となっていること。 あと2か月のうちに、クラブは答えを出す。出さなかったらそういうことだ。 私は、今季のアセンシオは評価されても良いという考えである。 昨年キャリアハイの成績を叩き出した彼は、今季はさらに昨季を上回るペースだ。端的に言えば、あと1つで昨季

          【CHAT】アセンシオの現状と評価

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          そういえば、この試合がモドリッチとクロースの300回目の共演だった。 それぞれ2003年と2007年にプロの世界に入った彼らは、ここまで700ほどのキャップを積み重ねてきた。 その上での300だ。 数字の価値がグンと上がっただろう。 モドリッチが、クロースが、ピッチに立った数のうち、約4割が二人三脚だった。 それも、レアル・マドリーという一つのクラブで。 さて、消防隊と音楽隊の下、リヴァプールを撃墜したマドリーは、またチェルシーを引いた。 彼らに「再会」という言葉は

          お友達

          38試合中、26試合を消化し、首位とのポイント差は12。 リーガでのマドリーは大それたことがなければ、もう失うものがない。得るものは多いだろう。 舞台がチャンピオンズのファイナルになると、彼らは怖いもの知らずだ。 (たまたま昨季はパリ戦から続いていただけで。) しかし、大局的視野を持たなければならないとき、彼らは重圧を感じる。 私にはマドリーがこう見える。 2週間の代表ウィークを挟んだ後のバジャドリード戦は違った。 冒頭でも述べた通り、もう失うものがない彼らは波に波

          消防隊と音楽隊

          サッカー界で「2対0」というスコアは最も恐れられているスコアだ。 そして、その”0”が我々を指しているとき、それは向かい風のような面をした追い風となる。 今夜、マドリーは戦況を探る間もなくヌニェスにビューティフルゴールを決められ、クルトワはカリウスばりの失態を犯した。これが最初の20分だ。 アンフィールドでのゲームはいつでも難しく、スタジアムに湧く熱気と勢いに、チャレンジャーはのぼせることが多い。まさに要塞だ。 赤い火の玉で燃え盛る要塞に、消火器を向けたのはヴィニシウス

          消防隊と音楽隊

          【CHAT】天王山

          一般的に2月、3月は受験シーズンと言われ、学生にとってはナーバスになりやすい時期だ。 マドリーも同じだ。 執筆時点ではチャンピオンズリーグが再開しており、マドリーは2月22日にリヴァプールとのリユニオン・マッチがある。そして、月を跨ぐと2つのクラシコとCLのリターンレグだ。 ラリーガはバルセロナが先頭を気持ちよさそうに走っており、ここで突き放されると救命率は0に近づく。スーペルコパを逃しているのだから、ここまで来たらコパも手放すわけにはいかないだろう。 とりわけ3月は

          【CHAT】天王山