ブルーインパルスの陰で
「ブルーインパルス!」
朝からバタバタしてやっと落ち着いたお昼、友人からLINEが届きました。
何々?と思って調べたら、東京上空を飛ぶらしい。
その後も家族や友人から立て続けに写真やメッセージが届く。
ほんの数分の出来事でしたが、心が一つに繋がるような温かさとともに、強く励まされました。
皆はどんなことを感じているのだろうと想像していたら、“ポジとネガ”のことが頭に浮かんだので、ブルーインパルスに感謝しつつ、このことについて伝えたいと思います。
私が “ポジとネガ”について知るきっかけになった本が、ダニエル・ピンク著 『ハイコンセプト 「新しいこと」を考え出す人の時代』 です。まずは簡単に本書を紹介します。
「奇跡」と呼ばれた本
“トム・ピーターズが「奇跡」と呼んだ本“ということを何かで目にして、トム・ピーターズを良く知らないながらも、勢いで買ってみました。(トム・ピーターズは『エクセレント・カンパニー』の著者で知られる経営思想家だそうです)
実際読んでみると、奇跡と呼ばれるだけはある素晴らしい内容でした。15年前に出版された本ということが信じられないです。
本書で語られているのは、ピンクが呼ぶ「コンセプトの時代」と、その時代に必要な「6つの感性」についての話です。6つの感性とは以下の通りです。
①機能だけでなく「デザイン」
②議論よりは「物語」
③個別よりも「全体の調和」
④論理ではなく「共感」
⑤まじめだけでなく「遊び心」
⑥モノよりも「生きがい」
この中の③個別よりも「全体の調和」に必要な“調和力”を磨く方法の一つとして、“ポジとネガ”が語られていました。6つの感性、それぞれにたくさんのヒントがあるので、また別の記事で詳しく紹介したいと思います。
“ポジとネガ”とは?
フィルムの種類? クリィミーマミのキャラクター?
最初はそんなイメージしか浮かびませんでしたが、調べた情報では、絵を描くトレーニングのひとつに「ネガのスペースを描く」という方法があるそうです。
「ネガのスペース」とは、モチーフの形(ポジ)ではなく、その周囲の何もない空間のことです。つまり、“ポジとネガ”とは、ものの見方を示すもののようです。
この絵を見るとピンと来るのではないでしょうか。
これは「ルビンの壺」というだまし絵です。壺の周りに目を向けると顔が浮かび上がり、違う絵に見えてきます。
著者が推奨していたのは、日常生活の中でも「ネガのスペース」が見えるように、目のトレーニングをすることです。
”「ネガのスペース」とは全体像の中で、私たちが見落としがちな部分である。だから、それが見えるように、目のトレーニングをするのだ。”(ダニエル・ピンク)
例えば、雑誌をパラパラとめくったりする時、お店を見て回ったりする時、目立つものはさっと飛ばし、それらの間や後ろ、周囲にあるものを注意深く見るようにする。
そうすることで、“ポジ”に焦点が合うようになるのだそうです。
“ポジとネガ”のバランスがとても大事
この話から、自分は感性に蓋をしてしまっていたなぁと強く思い知らされました。
普段目にするもの、見ようとするものは“ポジ”ばかり。手っ取り早く、大事そうな情報を得て、わかった気になってしまっている。そんな風に、はっとさせられました。
そして、このことはマネジメントにも通じることに気づきました。
日々起こる物事に対して、見えていない背景を思い描く。
人がどんな思いを持ち、見えない積み重ねをしてきたのか思い描く。
見えないものを想像する感性は、マネジメントにおいても大事なことだと思います。そして、見たまま直感で感じる力を合わせ持ってこそ、調和が生まれるはず。
これからは、もうちょっと自分の感性、心の目を磨いていこう、そう心に誓いました。
終わりに・・・
「ブルーインパルスって、そんなに皆好きなものなのかな?」
「この間テレビ番組でやっていたけど、長野オリンピックの開会式の閉幕にぴったり合わせて飛んできた時はすごかった。」
「あー、あれね。ブルーインパルスもすごいけど、その前に1秒の狂いもなく演奏を指揮する小澤征爾、すごいよね。」
ブルーインパルスの陰にあった小澤征爾のすごさ。
ブルーインパルスに感じる医療従事者への感謝の気持ち。
ネガを見てこそ、ポジに焦点が合う。
この会話、まさにそんな感じだなと思いました。
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