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【第2回】Webマーケティングの広告指標について知ろう。(入門者向け無料教材)

この記事の対象者
下記のような課題をお持ちの新任マーケターの方向けにデジタルマーケティングの基礎知識を学べる教材を制作しています。確認問題もご用意しているのでぜひ自己学習にご活用ください。

● 広告代理店との打ち合わせで会話についていけない
● 広告クリエイティブや運用のフィードバックの観点がわからない
● なぜ成功・失敗したのか上司に説明できない

今回の記事のゴール

インプレッション、ROI、CPAなど、Webマーケティングの主要な指標の意味を理解し、ベーシックな広告レポートが読めるようになる。

ストーリー

出島太郎が一人前のデジタルマーケターとして成長する過程をストーリーにしています。実際のビジネスシーンをイメージしながら基礎知識を一緒に身につけていきましょう!

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出島 太郎(でじま たろう):

出島

都内のIT企業に勤務する26歳の会社員。営業マンとして3年間勤務後、マーケティング部門へ異動。趣味はスマホゲーム。


宇利上 造郎(うりあげ つくろう):

宇利上課長

出島の上司。元広告代理店営業マン。現在は同社のマーケティング部門の課長。売上アップに対しての気合が凄い。趣味は競馬。


電博 敦子(でんぱく あつこ):

電博

出島の会社を担当する広告代理店「博王堂デジタル」の社員。バリキャリ女子で成績優秀。趣味旅行、ファッション、映画。

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(異動初日)

出島:「今日からよろしくお願いします!」
宇利上課長:「おう!よろしくな。早速だが、このあと広告代理店との打ち合わせに参加してもらうぞ。」
出島:「わかりました!で、何の打ち合わせですか?」
宇利上課長:「今、この代理店にはウェブ広告の運用を委託しているんだ。今日は、先月の運用結果についてレポートをしてもらう予定だ。」
出島:「わかりました!とりあえず出てみます!」

(打ち合わせにて)

電博 :「はじめまして、博王堂デジタルの電博と申します。」
出島:「あ、初めまして、出島と申します。」(うわあ、すごい美人。。)
電博 :「早速ですが、御社のウェブ広告の先月の運用結果についてご報告します。まず、Facebook広告の結果ですが、前月からCPAが大きく改善することができています。要因は広告クリエイティブの改善により、CTRが向上し、CPCを抑えることができたことが要因と考えています。その結果、先月の平均ROIは、100%を超えています。」
出島:(課長、C3POとか、R2D2とかスターウォーズの話しを何でしているんですか?)
宇利上課長:(CPAとROIだ!なんだお前そんなことも知らんのか?あとで教えてやるから黙ってろ!)
出島:(はい・・・)

1.【覚えよう】広告レポートの指標と計算方法

こちらは、電博さんが報告してくれた前月の広告レポートの一部です。どのような指標があるのか見てみましょう。それぞれの指標の意味と算出方法を覚えましょう。

覚えよう

インプレッション
広告が表示された回数
クリック
広告がクリックされた回数
CV(コンバージョン)
成約(コンバージョン:今回の場合は「購入」)された数
CTR(Click Through Rate/クリックスルーレート)
インプレッションに対して、クリックされた数の割合
クリック÷インプレッション×100=CTR(%)
商品AのCTRは、1,902÷322,755×100=0.59%
CPC(Cost Per Click/シーピーシー)
1クリックあたりの費用
コスト÷クリック=CPC
商品AのCPCは、¥541,093÷1,902=¥284
CVR(Conversion Rate/シーブイアール)
クリックに対して、コンバージョンされた数の割合
CV÷クリック×100=CVR(%)
商品AのCVRは、251÷1,902×100=13.20%
CPA(Cost Per Acquisition/シーピーエー)
1CVあたりの費用
費用÷CV=CPA
商品AのCPAは、¥541,093÷251=¥2,156
ROAS(Return On Advertising Spend/ロアス)
費用に対する「売上」の割合。広告の投資対効果をみる指標の1つ
費用÷売上×100=ROAS
商品AのROASは、¥1,506,000÷¥541,093×100=278.3%
ROI(Return On Investment/アールオーアイ)
費用に対する「利益」の割合。広告の投資対効果をみる指標の1つ
費用÷利益×100=ROI
商品AのROIは、¥753,000÷¥541,093×100=139.2%

2.確認問題

【問】次の広告レポートの①~⑥を計算して求めましょう。

確認問題

3.応用問題

【問】次の広告レポート結果から、投資対効果良く、売上を最大化する運用方針を考えてみましょう。

応用問題

4.解答解説

確認問題

(解答)

確認問題 解答

(解説)

①CTR:5,846(クリック)÷1,210,099(インプレッション)×100=0.48%
②CPC:¥2,111,498(費用)÷5,846(クリック)=¥361
③CVR:362(CV)÷5,846(クリック)×100=6.19%
④CPA:¥2,111,498(費用)÷362(CV)=¥4,831
⑤ROAS:¥3,080,000(売上)÷¥2,111,498(費用)×100=145.9%
⑥ROI:¥1,540,000(利益)÷¥2,111,498(費用)×100=72.9%

応用問題

(解答例)

● 商品A・Cの配信に予算を増やし、商品Bの優先度を下げる。
● 商品Cは、多少投資対効果(ROAS)が落ちてでも配信量を増やす。

(解説)

できるだけ投資対効率よく売上を最大化させるために、ROASが高い商品A・Cに注力すべきと判断できます。また、商品CはROASが391.4%と非常に高いですが、売上は¥600,000と少ないため、売上インパクトを高めるために、ROASを落としてでも配信量を増やし、売上高を増やす調整をすることが打ち手として考えられます。

エピローグ

出島:「課長!広告指標の意味が分かってきました。これで来月の打ち合わせでは、電博さんとちゃんとお話しすることができそうです!」
宇利上課長:「うむ、その調子だ!」
出島:「これで、僕の電博さんへの気持ちも伝わって、恋のROIも高まっていくはずだぞ。」
宇利上課長:「何をわけのわからないことを言っているんだこいつは・・・」

【おまけコラム】「ROAS/ROI」と「CPA」どちらを基準にして運用すべき?

資料請求や問い合せなど、売上に直結しないことを「CVポイント」とする場合はCPAを、商品購入をCVポイントとする場合はROASやROIを基準にすることが多いです。

また、CVポイントを会員登録などに置き、LTV(Life Time value:生涯顧客価値)でCPAの基準を設定するという考え方もあります。例えば、ある事業の顧客のLTVが1万円だったとき、CPAを1万円以下に抑えて会員獲得できれば、売上では元が取れる計算になります。


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