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モノづくりの ”守” 破離

出来る人を形作る基礎部分とは?

デザインに限らず、お菓子作り、料理、工業製品の制作、建築などの多くのものづくりが世の中にはあります。僕が普段関わる事が多いのは、絵を描く事、3DCG作品を作る事、ゲームを作る事、映像を作る事です。
今まで15年以上。それぞれのモノづくりに関わり、優秀と呼ばれる人、プロと呼ばれる人を観察してみると共通した部分があります。
それは守破離の ”守” の部分が出来ている事です!

今回はモノづくりに関わる初学者向けに、どんな事を意識して勉強に取り組めばよいのか?
学びの近道について解説していきます。


” 守 ”についての考察

守破離の守の部分とは、教えてくれる人(師匠や先生や先輩)の教えを守る事。または完璧に真似をすることです。

そして、この時に誰から教えてもらうか?
が重要になってきます。

    ① 憧れの人
    ②
理想の結果を出している人
    ③
信頼できる・尊敬できる人

なるほど!となんとなく納得できそうですね?
この辺りまでは知らずのうちに理解出来ている範囲の事かなと思います。
実はもう一つだけ重要なのは
これは外の要因ではなく内にある要因になります。
それは

自身が本当に叶えたいものであるか?という事です。

ひとつずつ解説をしていきます。

まずは教えを守る事について。
『型があるから型破り、型がなければ形無し』という言葉がある通り、何かを上達しようと思ったら、まずは型を覚える事が近道になります。
優秀な人やプロと呼ばれる人。そしてあなたに教えてくれる人もこの型を必ず持っています。そうした基本・基礎となる型を教えている段階で、型を破ってしまう人は意外に多いと感じます。
今までの教え子や教育経験からも型を破ってしまう人がプロになる事はほとんどありません100%中10%以下でしょう。(完全に運ゲーになります)
では学校ではどうしているかというと、先生側があの手この手を使って型を覚えてもらう事になります・・・・
これは専門学校という立場上、利害の一致があって初めて成り立っていますが、塾などは子供が型を受け入れられない場合はそのまま退塾して終わりになります。もちろん結果にもカウントされません。
ポイントは、
  まずは教えを完璧にこなせる様になる事です。
  お手本を完璧に真似るという事でも良いです。
まずはこの事実を頭に叩き込んでおくと良いでしょう。忘れそうな場合は毎日一回以上目につくように工夫しましょう。デスクトップやスマホの待ち受け、部屋に言葉を張るなど何でも良いと思います。

次は教えてもらう先生についてです。
三つのタイプがあります。

1つ目は憧れの人に教えてもらう!
一番モチベーションが上がり短期的にはとても効果が高いタイプです。
ただし、向こうの時間の都合もあり、頻繁に教えを乞うのが難しい事や勉強代金が高くなりやすいというデメリットがあります。

2つ目は理想の結果を出している人です!
このタイプは1つ目の憧れの人よりも少しだけ身近にいて確認できる存在の人です。面識の薄い先輩や上司・知り合いの知り合い・家族の知り合いなどです。憧れの人に近い場合もありますし、3つ目に近い場合もあります。すぐ身近にいる場合は稀ですが、少し行動したら出会う事が出来るという特徴があります。デメリットとしては、会う事に行動が伴うので少し行動のハードルが上がります。自分が本当に好きでやりたい事ではなかった場合、多少の負担(離れる負担、関係性の変更の負担、辞める負担)が伴う事を覚えて置きましょう。行動できる熱量を相手にぶつける訳ですから、相手もそれ相応の熱量で応じてくれます。その熱が冷めたときに心配されて面倒だなと思う人がいるのも事実です。

3つ目は信頼できる・尊敬できる人です!
どちらかというとこのタイプは身近にいる人が当てはまります。自分が普段の生活で頻繁に接する機会がある頼れる先輩や上司といった人たちです。長期的にモチベーションが維持できるメリットはありますが、一回の効果は意外と小さい事が多いので、回数を重ねて教えを乞うのが良いでしょう。身近にいるという事で逆に回数を重ねる事で更に効果が高くなるという相乗効果があります。転職理由の良い人間関係の改善にもっとも該当する部分です。
理想の上司や先輩タイプの人と出会えたら良い関係を築いていきましょう。

如何でしたでしょうか?
身近に該当する先生はいるでしょうか?
続いては先生ではなく、自身についてです。

自分が本当に叶えたい事がありますか?

というものです。
先ほどの先生のタイプで言うと、1と2はこの自分が叶えたいものが少しでもないと成立しないと言えるでしょう。
この二つは行動支払いが発生するので、なんとなく学ぶ人はほとんどいない選択となります。

例えば1の憧れの人に学ぶ場合。多くはその人がどこかで活躍している有名な人である可能性があります。
『元ディズニーの人にアニメーションを習いたい!』
という場合。僕の実体験ではありますが居住している北海道から東京へ飛び、セミナー代金3万円を払います。しかもセミナーは3時間ほどです。往復の飛行機チケットとホテル代とセミナー代で5-10万円程度の支出。
加えて土日の休日がすべてなくなりますし、旅行疲れもします。
こうした行動をなんとなくする人はいないでしょう・・・
明確にどうしたいか?決めている人が選ぶ選択肢です。
(セミナーは無料もありますが、多くは1万円~数十万円で数時間です)

2つ目のパターンも行動を伴います。例えば親戚のおじさんが漫画家で是非仕事を見せてほしい!という場合。大体は両親などが連絡を取り、必要に応じて一緒に行く事になるでしょう。親戚という関係と甥っ子姪っ子という関係を利用して、比較的簡単に師匠と弟子または先生と生徒という関係を作る事が出来ます。ここにお金が発生しない場合は多いですが、代わりに信頼という目に見えない期待を貯金していく事になります。
ある時、飽きて辞めてしまった時、あなたが行動した結果おじさんに溜めた信頼という貯金は漫画家のおじさんの中から消えてしまいます。多くの場合はこの落としどころを整理するのが面倒になります。(続けてほしいおじさんと辞めたい自分など、解決の難しい問題に発展する事もあるでしょう)

いっぽうの3つ目は既に身近にいる人たちが先生の場合は
  身近 = 既にやっている事
つまり行動のコストがかかっていないものです。
これは環境に依存してなんとなくやっている事が多いと思います。
例えば、学校の勉強、友達に誘われて入った部活、友達との遊びの延長、家族の趣味などです。
多くは自分がなんとなくやっている状態で、周りの先生があなたをどう育てようか考えている場合が多いと思います。
その時に素直でまじめな人は先生の能力に応じてグングン伸びていきますし、少しひねくれていて不真面目な子は落ちこぼれていく可能性が高くなっていきます。
必ずしもはっきりとタイプ分けされているわけではありませんが、大まかなタイプとして知っていると良いと思います。

  教えを守る事、誰から教えてもらうか、自分の叶えたいもの。

この三つが複雑に絡み合い
モチベーション、行動力、好奇心、継続力など最終的な結果に関係する要素に影響を与えていきます。

学び型のポイント

ここまで守破離の”守”について解説してきましたが、内容を整理します。

  ・ まずは徹底的に教えを守る、徹底的に真似をする
  ・ まじめに素直に行動できる人は成長が早い
  ・ 自分が叶えたいものがはっきりしていると選択肢が増える

  物事に正解はありません!
  しかし、近道はあるのです。

不真面目が悪いという事はないし、やりたいものや叶えたいものが無いのが悪い事は一切ありません。
ただ、少しだけ遠回りしてしまっているだけの話です。
その遠回りはいつかどこかで役に立つ”点”の一つかもしれません。
いずれ自分の人生を構成する”面””線”の一部になってくれる重要な経験かもしれません。だから悪い事ではないのです。
あくまで、近道の方法としてこういう事をしたら結果が出やすいですよという事です。

大事なのはあなたが楽しめているかどうか!

あなたが今取り組んでいる学びが好きで楽しいものであれば良いのです。
『好きこそものの上手なれ』という諺もあるように、好きで楽しんでいるものが一番上達していきます。
是非好きな学びを楽しんでくださいね!

最近ではネットでの独学を上手に活用している若い世代も増えているので、機会があればそういった新しい学び方も記事にしていこうと思います。

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