3DCGのはじめかた -中編-
今回は、実際に3DCGのお仕事をしたり、教育現場での授業や学生との触れ合いを通じて感じているのは、まずやってみるという行動力の強さが大事だと痛感しています。
行動を最大限活かす環境を整えて継続していく方法について書きました。
↑ 前編はこちらから
① まずやってみるからすべてがスタートする
何事も始まりのきっかけづくりはとても大事な儀式だと思います。
学校に行ってみる
SNSをはじめてみる
Youtubeを見てみる
ブログを見てみる
とりあえず行動を起こしてみましょう!
きっかけを作ってみましょう!
自分のモチベーションがハードル(辞めたい理由)よりも高い状態を作り出すことがスタートには必要となります。
言ってみれば、自分なりのモチベーション管理の初級編です。
人それぞれ異なるこのモチベーション管理を行い、ハードルより下がらない様に維持する事がとても重要になります。
まずやってみるは、ハードルを意識する前に動く。と言い換える事が出来ます。前編で解説した目標を小さくしておくと更に効果的でしょう。
小さな小さな行動の積み重ねが自分を未来へ導いていきます。
俯瞰して考えてみると
学 校 は自分の弱さを補い、成長させる為の シ ス テ ム(環境)といえると思います。
友達と競い合える(ライバルや教え合える友達の存在)
先生からの指導(コーチとして不得意を補う)
授業の課題(成長への強制力)
一般的にプロの場合は、ご飯を生活の為や家族の為、時には嫌でも仕事をこなさなければならない環境にいます。
その強制された環境(システム)の中で技術的な成長を続けていきます。
勿論、自主的に勉強を繰り返して率先して仕事を平らげて行く人もいますが、主観では概ね1/3以下といった感じです。
会社員時代にこういった事を観察していて思ったことは
必ずしもモチベーションが高い人が技術が高いわけではない事です。
これは長期的に見ても言える事で
仕事の依頼における一つの基準は
それを『 出 来 る か ど う か 』です
今のご時世、実は出来そうにない仕事は滅多に回ってきません。
出来そうだからあなたの所に回って来る様になっています。
モチベーションが高いだけの人にチャンスが回る事はありますが
実力が伴っていない場合はリスクが高いので、あまり多くはないのです。
『 出 来 る 人 に 仕 事 が 来 る 』
その結果
出来る事が増え
次のチャンスが巡ってきて
出来る自分に気づきやる気がでる
好きなタイトルへの巡り合いがモチベーションが上げる
大体はそういった仕組みになっています。
出来ない
やりたくない
それではプロとして仕事は続かないですよね・・・
『やりたい!』という気持ちを『出来る!』にする
プロのお仕事の話をしましたが、素人でもそういった環境を作り小さな実績を積み重ねていくことが大事になってきます。
初心者の多くがこのステップでつまずきます
かろうじて生き延びた新人が
技術だけを磨いた結果も幸せじゃないです。
(仕事としてはわるくはないが何時か苦しくなります)
楽しい事を続ける技術は意外と難しいけれど
しっかりみにつければ人生とても豊かになると思います。
やる気のモチベーションを保ちつつ、行動を続けるそれが大事ですが
1にも2にもまずはやる気と興味が非常に重要です!
それがこれからのあなたの 『 エ ネ ル ギ ー 源 』 になります。
興味を持った方がどのようにハードルを乗り越えるべきか
ご紹介したいと思います。
② 初心者が3DCG開始時感じるハードル
1. 機材がない
2. ソフトがない
3. 難しそう
4. はじめる理由がみつからない
1 ~3 は後編で詳しく解説したいと思います。
ここでは 4 について少しお話を掘り下げていきたいと思います。
③始める理由が見つからない理由
なんとも可笑しな話ですが
実は毎年専門学校などで教えていると
8割くらいの学生がこういう状態で入学をしてくるんです・・・
一年間100万円!
それが2年間もあるのに! です・・・
この問題について自分なりに考え
学生たちの成長を見守りながら指導していくうえで
次のような現象が多かったのです。
ゲームや映像は好きだけど自分がプロになれると思わない
業界就職率 100 % の学校へ来ているのに
自分で自分の将来を信じていないのです。
もっと小さな内容をいくつかの取り上げると、、、
・好きだけど作るのは難しそう(行動はしたくない)
・クラスの出来る人が眩しい(自分の成長に目が向かない)
・プロと自分を比べて凹む(時間と経験を無視した実力の比較)
・頑張って努力して報われないのが嫌(出来ないときの被害妄想)
・無駄なことは避けて効率的にゴールしたい(努力はしたくない)
・自分の作品を完成させられない(全力の自分を批判されたくない)
などなど
もしかしたら同じ業種の方がいればあるあると納得していただける内容かなとおもいます。
『 実は 3DCG の技術を教える以前にやるべきことがあるぞ 』
そう気づいたのは、先生をはじめてから1年ほど経ってからだったと思います。概ね上記の内容をシンプルに言語化していくと、、
・不安や恐れ
・自制心
・自己肯定感
・成功体験や達成感の感度
・損得勘定
・精神の安定感
これらの
内面的な未熟さや
モノづくりに対する精神のコントロール技術の不足が原因
という事が分かってきました。
そもそも今の世の中出来る人は
Youtubeやネットの膨大な情報を駆使してプロになっていく時代です。
学校の役割を再認識すると
テ ィ ー チ ン グ ではなく、
コ ー チ ン グ が重要と改めて考えなおしました。
直接お話出来るわけじゃなく
noteという文字で伝えるメディアでどこまで伝わるかはやってみなければ分らないですが、今後の記事にも世にあふれた テ ィ ー チ ン グ 情報ではなく、コ ー チ ン グ に関わるお話を交えていこうと考えています。
話を戻して
始める理由が見つからない理由
という内容に対しての処方箋は、少し乱暴ですが
まずは失敗を恐れずやってみる!!
ここからすべてが始まります。
あなたがやろうと思ったやる気やモチベーションを大事にして
行動を起こせる様になるまでハードルを落としていき
『 え い や っ ! 』と決断してスタートしてみる。
初心者こそ行動力がとても重要なのです!
まずはやってみる!
駄目なら辞める!
スタートはそれくらい軽い気持ちでいいかと思います。
辞める場合も潔く出直しても問題ありません。
もし近くに体験できる環境を持っている人がいたら、お願いして機材なども触らせてもらえるのがリスクも少なくて良いです。
勢いで始めるのも僕は悪くないと思います。
④ やる気や興味を快感に変えていく方法
上手にスタートが切れたあと次に大事になってくるものがあります。
それは
『 行動した結果が楽しいかどうか ? 』 です。
もう少し具体的に書くと、次に行動したいハードルよりも自分のやりたいモチベーションが上回る事が出来るかです。
何をもって楽しいと感じるかは人それぞれなので、明確な答えは自分で探すか誰かメンターとなってくれる人に聞けるのが良いと思います。
例えば、、
自分の成長が嬉しい ➡ 次の成長が楽しみ
完成した作品が褒められた ➡ 次も褒められたい
作品が完成した ➡ 達成感や成功体験
大変だったが完成した ➡ 解放感や達成感
制作に集中している ➡ ストレス解消
不得意なものを克服した ➡ 自己肯定感の向上
何か一つくらいは思いつくものがあるかもしれませんが
この や る 気 を上げる 効 果 と次にやる為の ハ ー ド ル が自分に超えられる高さか明確に 意 識 出 来 る 力 が付いてくると自然に楽しんで行動が継続できるようになります。その結果成長を重ねて実力者となっていきます。
前編の小目標の設定くらいまでハードルを下げても良いです。
ひとつづつ結果を出して楽しみながら成長を重ねられるのが理想です。
少し解説をしていくと
① 興味
② 行動
③ 快感 ➡ ②と③を繰り返す ➡ 上達 or プロ
この③の正体が何なのか知る事が重要という話です。
良く学生に 自 己 分 析 をしなさいと言ったりしますが
快 感 の ポ イ ン ト を 見 つ け て き な さ い という宿題だったりします。
それとは別に 業 界 分 析 もセットで宿題を出しますが、こちらは 目 標 の設定になります。業界分析はゴール・自己分析は動力(乗り物)で例えるとわかりやすいかなと思いますが、自分の動力が車なのか自転車なのか飛行機なのか、ゴールは隣町なのか、隣の県なのか、国外なのか、この二つが分かるだけでも大分予測が立てやすくなると思います。
勿論、これらがすべてではありませんが、わかりやすくゴールに導く手段の一つとして有効です。
この快感が分かると、これからの人生の様々な部分に応用が利きます。
逆に俯瞰してみた見たときに、この快感が得られない状態は仕事が捗らなかったり、退職寸前の状態だったり、成長意欲や向上心の他、根本的な興味すら消えていることもあります・・・
対処方法は
『 世の中の様々なものを見たり聞いたりしながら
実際に体験する事で興味が生まれ再び成長します。 』
実はこれは良く業界のプロが、学生にアドバイスする言葉です。
勿論、詳しい翻訳はされないので学生には『 ふーん・・・ 』位の感覚で捉えられているのですが、『 学生時代の時間のあるうちに、大人になってから動き続けられる永久機関を作っておきなさい 』という隠れたメッセージだと思えてくると有難い言葉に感じられると思います。
自分の興味を持てるものを沢山知る事で
社会にでて仕事をするときに
色々な快感と目の前の課題を結びつける事が出来る様になります。
例え辛い仕事の中でも、自分が楽しめる何かを見つけられるのは才能の様に思われるかもしれませんが
正しい考え方を覚えれば 誰 で も 習 得 で き る ス キ ル の一つで、このスキル一つ覚えておくことでこれから社会に出て仕事をするのに怯える必要がなくなり、むしろ楽しんで成長を重ね、理想の自分に近づく事が可能になります。
あなたが快感を感じるのはどんな時ですか?
一度しっかりと分析をしてみる事をお勧めします。
『 やってみたい から やってて楽しい に移行できるか 』
という事は続ける上でとても大事になります。
たまに好きだと思い込んで
苦しんでいる人も見かけます。
本人が気づいていない場合もありますが
気づいていて苦しんでいる場合が多いです。
その場合は、離れられるのなら一度離れてみるのも有効な手段です。
別の視点から見たときにやっぱりやりたいなと思う瞬間が来たりします。
その時は、以前にもましてより明確で力強い行動が出来る自分に驚いたりします。長い人生、多少の失敗や無駄はすべて経験値として何時かおつりが出るくらい帰ってくるものです。
今やりたくない事に縛られる必要は無いと思います。
良くも悪くも、学校に来て別の好きに気づいて離れていく学生もいます。
まずは好きかどうか
それを事前に確認出来る視点を持ちましょう。
そういう意味では
『 やってみたい 』 という興味を見つけて
『 やってて楽しい! 』
という 状 態 を 作 っ て あ げ る の が 先 生 の 仕 事 かなと思っています。
もちろん学校である以上、ほとんどの学生が就職をゴールに設定しています。そのために業界の最新動向や数年先のトレンドを予測しながらカリキュラムをデザインして授業に落とし込んでいます。
学生達が就職というゴールに向かって
何をするべきか?
どう進むべきか?
メンターとなり
先生はそんな彼らと並走しながらゴールへの道案内をするイメージです。
幸い3DCGといっても幅広い分野があるので、根本的な違いでない限り、どこかの分野に収まっていくのは不幸中の幸いかなと思います。
始めは形を作るモデラーになりたかったけど、キャラクターを動かすアニメーターになる。アニメーションを作っていたけど、ゲームを作るプログラマーになりたいなど、分野は多少違いますが、同じ業界内での移動が可能で業界での活躍も出来る3DCGは、とても便利な道具としての一面もあります。
やってて楽しいをしっかりと自己分析出来たら
あなたはこれから先、頑張って続けていける準備が出来ました。
⑤ 環境を整える
環 境 はとても大事な 要 素 の一つです。
例えば、日本に生まれた環境。日本語を話せる環境。学校に通える環境。
多くの日本人が当たり前に思っているこの環境も、外国の方にとってはなかなか馴染むのが難しいものの一つです。
では 3DCG を始めるにはどのような環境が良いでしょうか?
・ 学校へ通う
・ オンラインコミュニティへ参加する
・ イベントやセミナーへ参加する
・ SNSを活用する
・ オンラインスクールへ通う
・ ビデオチュートリアルを準備する
などなど
色々な環境があります。
一番確実かつ一般的なものは 『 学校へ通う 』ではないでしょうか。
もう少し丁寧に分析をしていくと、以下の要素が必要になると思います。
A-1 わからない事が聞ける
A-2 ライバルや友達がいて怠けづらい
A-3 目標に合わせて順序だてたカリキュラムがデザインしてある
プラスでこんな要素があるとなお良いです。
B-1 自分のペースで学習が出来る
B-2 なるべくお金をかけたくない
B-3 信頼出来るメンターと出会える
実は A は学校がモデルになっています。
一部のあまりよろしくない学校はこの中の3つが欠けている場合があるので要注意です。(先生に聞いてもわからない、学生数が少ない、教科書通りの授業などなど・・・)
そして B は運による要素とオンラインの要素です。
信頼できるメンターかどうかは体験入学などでは、20歳前後の方は半分もわからないと思います。一番良いのは在校生に聞くか授業を直接見学してみる機会があればよいですが、少し難しいのが現状です。
自分のペースでの学習やお金をかけたくないという部分に関しては、オンライン学習やチュートリアルやSNSの活用をする必要があります。
こちらは、僕がnoteに書いている事がほとんど既に出来ている人はさほど問題なく独学が出来ると思いますが、中々難しい人が多いかと思います。
この3週間ほどの日本でのコロナウイルスの影響で、多くの人がオンライン授業などを初体験していると思いますが、徐々にオンライン授業と実際に通学する学校の垣根がなくなっていくのかもしれません。
AとBどちらも満たせるようなものがどこまで出来るか色々試行錯誤が必要ですが、これらの環境を上手く解消する方法を検討しています。
まずはA-1、A-3、B-1、B-2 辺りを踏まえてnoteで3DCG学習をスタートしていきます。
B-3 に関してはみなさんの主観にお任せしたいと思います。
今回は
行動力の重要性
やる気を快感に変える方法
環境を整える
でした!
次回は『 後 編 』です。
3DCGソフトの解説をしていく予定です。
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