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3DCGのはじめかた -後編-

前編中編と来て今回は後編となります。
今回は実際に3DCGをはじめる為の物理的な環境についてのお話になります。もしこれからはじめて3DCGをはじめる人やパソコンは持ってるけど大丈夫か確認をしたいという人は参考になるかと思います。

前編はこちら↓



① 3DCGをはじめる最低限の環境を知る

3DCGはもはや誰でも始められるんじゃないか!?
とは思っていますが、それでも多少の準備は必要です。
身近にパソコンが無い環境の人もいるかもしれませんので、誰でもは言い過ぎかも、、、

それでも一昔前では考えられないくらい一般的になった、今の3DCGを始める為の環境がどうなっているのかご紹介したいと思います。
(スマートフォンやタブレットでも少しずつ制作環境が出来てきたがまだまだ実用的ではないので今回は対象外にします)

【 必 要 なモノ 】   
   ① パソコン      13 万 円 前後
   ② 3 D C G ソフト     基本 0 円( 後程説明 )
   ③ インターネット      数千円 ~ 1 万 円 ほど( 毎月 )

パソコンを購入して今から始めるという人は、
今どきのパソコンならシンプルに次の点を注意すると良いです。
値段は10~15万円程度で性能的に3年以上は問題なく使えるはずです。
かなり良いものを買おうと思っても20万円前後で十分な性能を持ったノートPCが購入可能です。

【 パソコンを購入するときに気を付けるポイント】
   ① C P U :最近の core i 5 以上( 出来れば4コア推奨 )
   ② メモリ16 GB以上( 推奨 )
   ③ グラフィックカードGeForce 1050 以上( 推奨 )


正直今どきのパソコンであれば他の注意点はありません!
(今どきのパソコン = 古くても2・3年前発売の新品パソコン)

僕はノートPCだけで仕事を始めて5年以上経ちますが
最近はノートPCでも十分な性能を持ったパソコンが多いです。1kg台のパソコンでも十分に仕事としての3DCG制作を行う事が出来ています。
デスクトップ型が良いという場合はもう少し安くできますが、モニターの購入や場所の問題もあるので、僕は初心者にこそノートパソコンがお勧めだと考えています。

Amazonですとリンクを張った2つくらいのものであれば必要な性能を満たしています。3つ目のスペックくらいになるとかなり余裕ですごいもの作ってもストレスないマシンになります。購入時にパソコンに詳しくないのであれば、家電量販店やPCショップなどで聞いてアドバイスをもらって購入する事を激しくお勧めします
(分らない・詳しくない場合は素直に分かる知人を頼りましょうね・・・)

※なぜか画像のリンクが切れてしまうようになったのでamazonリンクをテキストで張っておきます。

Dell ゲーミングノートパソコン G3 15 3500

スクリーンショット 2020-11-05 194320

https://amzn.to/3p3JtvC


【入門用】MSIゲーミングノートPC GF65

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② 3DCGを制作するソフトウェアを知る

パソコンが準備出来たら、今度は 3DCG を作る為の ソフトウェア を準備する必要があります。
スマートフォンで言うと アプリケーション にあたります。
実は、3DCGを制作するための ソフトウェア はとても多くあります。
その多さが故に、何から始めてよいかわからないというハードルになっている人もいるかと思います。
少し名前を出すだけでも、、

Maya、3DSMAX、Lightwave、Cinema 4D、Houdini、Blender、ZBrush、Substance Painter、MikuMikudance、MagicaVoxerl、Unity、UE4

などなど

知名度が高く知れているものをぱっと書き出すだけでもすぐにこの程度の数が出てきます。もちろん実際に本屋さんに行けばこれらのソフトに関する色々な本があふれ、どのソフトを何から勉強すればどうなるのか考えるだけで大変な状況です。。。

もう少し突っ込むで言うと、これからあなたが何をしたいのか応じて適切なソフトウェアを選択する必要があります。

例えば、
映画や業界で多く使われている Maya や 3DSMAX などの製品は 学生 は 無料 です。しかし社会人や業界のプロにとってはこれらのソフトは 年間 2 5 万 円 もするとても高価なソフトなのです! 業界を本気で目指す専門学生や大学生に向けてはお勧めかもしれませんが、初心者や軽い気持ちでこれから始めるには少しハードルが高いかなと感じます。

そして、中小企業やフリーランスにとってこの25万円は結構な負担になるのです。(40 人の会社だと一つのソフトだけで 年間約1 0 0 0 万 円!
更にソフトには特徴や得意分野があり、仕事ではこのソフトのほかにもたくさんのソフトを使い業務を行っているのです・・・

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なかなか気合の入る金額ですよね・・・

一昔前は80万円ほどだったとことから安くなっている感じは受けますが、買い切りなのか継続支払い(サブスクリプション)なのかを考えるとそこまで安くなっている感じはありません。

もっとも僕よりもベテランの 40 - 50 代の方々は
ひとつの3DCGソフトが 1000 万という時代を生き抜いてきており、
昔と比べて、はるかに 3 D C G の 大 衆 化 は進んでいると感じます。
この 大 衆 化 がもたらすメリットとデメリットももちろん含まれますが、こちらも、また機会があれば
お話し書いてみたいなと思っています。

様々な 用途 や 費用 など沢山の悩ましい問題がハードルとなってきますが、近くに相談できる人がいない人も多いと思います。
しかし、こうした金銭ハードルや得意ジャンル選択ハードルなどを克服し、近年業界やホビーユーザーから大注目されているソフトがあります。

それがこれから紹介する『 Blender 』というソフトになります。
既に知っている人も初めて聞く人も
もし気になる人がいれば、これから Blender で 3DCG を始めるきっかけになれば嬉しいです。

ざっくり説明をすると Blender は以下のような特徴があります。

   オープンソースで開発している(つまり無料です
   実際のプロの業務で使える機能が備わっている(仕事に直結
   プロのソフトが不得意な部分も出来てしまう(多機能
   熱心なユーザーが多い(コミュニティが活発

実際に僕が会社員を辞めてフリーランスになって3DCGの仕事を続けていて思ったことなのですが、もっと効率が良くて売り上げの上がる手段と解決策はが欲しいと思いました。

   シンプルに言うと、早い・安い・うまいの三拍子!(牛丼かよ!)

   早くとは、作業効率化をする多機能性
   安いとは、原価(ソフト代金や作業の時間を減らす)
   うまいとは、より高品質なものを作れる

そんな無理難題を解決しようと色々な情報を探してたどり着いたのがBlenderというソフトでした。


まずBlenderは無料です。(現在も未来もずっと・・・)
なぜ無料なのかは今後詳しく解説する機会が出てくると思います。

そして実際に仕事で必要とされる機能がすべてそろっていました。
(その時の案件はモデリングという形を作るお仕事でした)

そして、MayaやZBrushやSubstance Painterという別々のソフトが強みとしている(メリットでもありデメリットでもある)部分を程よく兼ね備えていて複数のソフトを使わなくても、単体で大体の業務がこなせる事。

最後に、とてもありがたい事に、検索をしたら大体の情報が手に入ったりソフトが本来持っていない追加機能などを自主的に開発して配布している人がとても多かったのです。

こうして僕が Maya や 3DSMAX を捨て Blender をメインでお仕事を受けていくことになります。(講師業や業務の仕事柄、必要に迫られて Maya や3DSMAX を使う事もありますが、そこまで多くなくなってきています)

合わせて、3DCG という道具を使う上で見落としがちな情報としてはコミュニティがあります。
折角良いソフトでもコミュニティが維持されずに細々と成長をしていたり、一部の人だけが牽引している様な状態はあまり健全ではありません。。

20年近く3DCGの世界に関わっていると、新しいソフトや消えていくソフトを多く目にします。

そして Maya などの様に業界標準的になっていくソフトなどをみていて思うのが、ある程度の成熟期を迎えると成長速度が急激に落ちて驚きや新鮮味が落ちてくる事です。
言うなれば、業界や道具に対する興味や刺激などを含めたモチベーションが少なからず落ちてくる傾向があるという事です。
(良い面としては道具としての表現に集中できるという面もあります・・)

Blender というソフトは オープンソース というソフトの開発体制をとり、開発への参加やほしい機能も含め自主的に参加をしている為、発表やイベントはお祭りの様に盛り上がっていく傾向がありました。

経験上になりますが、単純に開発が盛り上がっているソフトを選択する事で新しい情報が入りやすくモチベーションや興味がとても上がるのでお勧めです。

blender は20年以上開発を続けています
(詳しく知りたい人はこちらのリンクを読んでみてください)
最近になりようやく業務ソフトを上回る性能多くの機能を持ち大注目をされているという現在に至ります。元々業務に使えるレベルではあったが、最近UIなどの使いやすさが格段に良くなって、乗り換え先や3DCGの入門としてとても良いソフトとなりました。

こちらのムービーはBlenderを使用して作られている作品紹介になります。
一度ご覧いただけたら、この無料のソフトの凄さが分かると思います。

もし、軽い気持ちでまずはやってみたいという方は 『 是非Blenderから初めてみて! 』と自信をもってお勧めできるソフトになっています。



③ 初心者にお勧めのパソコンと3DCGソフト

それではお勧めのパソコンと3DCGソフトとその理由を紹介していきたいと思います。

パソコン
基本的には先ほど紹介した、ゲーミングパソコンで問題ありませんが、これから購入する予定でもう少し良いもの、長く使えて信頼できるものが欲しいという選択がしたい人には下記のものがお勧めです。

お勧め理由
   ①最新のパーツと性能を兼ね備えていて拡張性もある
   ②圧倒的に軽い
   ③充電がUSB-Cの為、本体以外の持ち運びパーツ軽量化が可能
   ④信頼できるメーカーである

ちなみに値段は20万ちょっとします・・・
お勧めの解説になります。
少しマニアック?な内容になりますので、興味が無い方は次のソフトに飛んでくださいw

このパソコンはつい最近発売されたばかりで、最新のCPUが積まれています。最新のCPUが積まれているという事は、マザーボードという一番のベースになる部分が新しいという意味でもあり、最新の規格に対応しています。
分かりやすく言うと長く使えるという事です。
拡張性部分でも、メモリが最大 64 GBまで対応しており、かなり複雑な事をしてもストレスなく動いてくれるはずです。

次に軽さです。
僕の仕事のメインマシンはずっとノートパソコンなのですが、長年使ってきた結論として、、

持ち運べるのは2kgまでだと・・・

という事を悟りましたw

もちろん体力的な問題など色々あると思いますが、これは毎日パソコンと周辺機器を運び移動する身としてはかなり切実で、これらを踏まえて今はMSIのGS65 Stealthという2kgを切るノートパソコンを性能アップするカスタムをして使用しています。
2年ほど経ちますが、当時の最新性能を踏まえて購入した為、まだまだ何一つ不満を抱いたことがありません。
(仕事で、UE4・Unity・SubstancePainter・ZBrush・Maya・3DSMAX・Blenderなど使っていますが問題ないです。)
しいて言うとすれば、充電アダプターが多少重いので、拠点ごとに置いてあることくらいです。これはUSB-Cの充電になると色々な代替えパーツが出ている為、更に軽量化の余地がある部分です。
その点、こちらのお勧めパソコンは本体がそもそも 1.6 kgしかありません!
これはかなり驚異的で、自分が今買うとしたら間違いなくこの機種を買っていると思います。(実際店頭で持ち上げた感覚もかなり程よい重すぎない重量になっていました!)
姉妹機であるPresitige14は更に 1.3 kgほどの軽さです・・・
ただし、この手のものは同じ性能で軽くなるほど値段が高くなる傾向がある為、presitige15でも十分かなと思います。

後は、MSIというメーカー自体がとても信頼に値するメーカーである事もお勧めの理由です。
これは僕自身の経験ですが、調子が悪い時に連絡や修理・点検などのサポートもしっかりしていますし、技術や商品の品質もかなり考えられて良いものを作っていると感じます。


ソフトウェア

次はソフトウェアです。
もちろんBlenderをお勧めするのですが、もう一つのお勧めソフトがあるので、2つのソフトについて解説したいと思います。
お勧めとともにデメリットも書いていますので今後気を付けるべき参考にしてください。

Blender

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お勧めの理由
   ① 無料で使える
   ② やろうと思ったら業務用有料ソフトと大差なくできる
   ③ ユーザー数やチュートリアルが多い

デメリット
   ① 開発速度が速くバージョンが違うと機能や使い方が少し変わる
   ② 情報が多く探す時間がかかる事がある
   ③ 出来る事が多く初心者はどこから手を付けたらよいか迷いがち


MagicaVoxel

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お勧めの理由
   ① とてもシンプルで機能が限られている
   ② 独特の魅力のある 3D 作品が作れる
   ③ 3D 入門として分かりやすい

デメリット
   ① 出来る事が限られている
   ② 情報が余り多くない
   ③ 好みが分かれる場合がある

MagicaVoxelは出来る事が限られている為、初心者が情報なしに初めても挫折をすることなくソフトの使い方や3DCG体験が出来るというメリットがあります。合わせて、デメリットである情報が多くないというのは、シンプルが故にみんなあまり困っていなくて、作品を作る事に集中できているという事を意味します。勿論全くの初心者がいきなり始めると疑問が出てくることは避けられませんが、少し情報を調べられる技術をお持ちであれば問題なく作品を完成させられる簡単さがあります。

二つのソフトのお勧め理由とデメリット如何でしょうか?

本当に初心者という方は一度 MagicaVoxel を触って 3DCG ってどんなものか体験してから、Blender に移ると理解が早いかと思います。
既に 3DCG 少しやったことある人も MagicaVoxel の不思議な魅力を体験してみるのはとても良い経験になると思います。
マインクラフトなどが好きな人は絶対おススメです!


④ ネットの海で遭難しない為に知っておくべき事

ここまで話してなんですが、実は3DCGやBlenderの解説は多くのブログなどで取り上げられています。
じゃあどうして今更ここで書く必要があるのでしょうか??

その答えは、
   情報が多すぎる
   情報の信頼度

この二つです。
こんなにもネットの世界に情報があるのに、逆に多すぎてどうして良いかわからなくなった。既に3DCGをはじめて挫折したなんて人がとても多いです。実際に最近の専門学生の2・3割は既に何らかの形で3DCGを体験済みでどうしていいかわからないけど、プロになりたいから学校という選択を選んできている子が増えてきました。

ネットの情報を調べているだけで時間がたって疲れた。
見ただけで満足してしまう。
同じ内容に見えるが微妙に違ったり、試してみたのにうまくいかない。
上手くいかない所の情報が見つけられず詰んでいる

以外に新しい事をはじめるハードルは高いもの・・・

だからこそお金と時間を投資して学校などに通ったりする人がいるのが実情です。

学校などでも同じような問題が形を変えて潜んでいて
自分の作品のアドバイスを沢山の人に聞いた結果、どれが正解かわからなくなることは非常に多いです。もちろん先輩や他の先生が間違っているわけではなく、それぞれの経験や実力に合わせて感想やアドバイスをしてしまう結果、このような事が起こってしまうのです。

僕の場合は、一度学生にどんな人からどんなアドバイスをもらったのか聞くようにしてます。学生自身の頭の整理も兼ねて、僕が知りたい情報も得られるので学生へのアドバイスをするときにはとても有効です。そのうえで、僕なりのアドバイスと他の方のアドバイスを一つの方向性にまとめて再度学生に渡してあげます。

学生自身が悪いわけではなく、まだ情報を判断するレベルに至っていない事は当たり前のことなので、アドバイスが聞きたいというそのままの言葉通りではなく、学生が本質的に困っていることは何かを判断してそうしています。情報が多いことは良い事でもあるのですが、逆にそれらの情報を絞ってまとめる事はかなり重要なので、これから3DCGをはじめる方は覚えておくと幸せになれると思います。

もう既に実力がついている方や途中で上手になった方は是非ネットで調べながら好きなように制作を楽しんでください。

僕のnoteでは、そんな初心者が3DCGをはじめて楽しめる様に記事を書いていきたいと思っています。
折角なので、現役 + 講師 という特性を生かして、楽しく・学習しやすい様にカリキュラムとしてステップアップ出来る様に考えていこうと思っています。
(noteに慣れていないので最初は試行錯誤がある事はご了承下さい・・・)


⑤ あなたの背中を押してみる

さあ、どうだったでしょうか?
後編しか見ていないかたは時間があれば是非前編中編も見てみてください。今まで少し分からなかった事が解決出来たら嬉しいです!!

もし、もう パ ソ コ ン 持っているよ!
という方は別の記事で MagicaVoxel と Blender を実際にインストールして使い方を解説する予定なので、マガジンの登録かフォローをお願いします。

今後ともよろしくお願いします~!




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