好きな女性の口説き方
おいしいご飯を食べてるときが一番幸せ。
特にそう意識しているわけではないのだが、人にそういわれることが多い。
「おいしそうな顔して食べているよねぇ」
と。
だが、私自身は、ひとりで食べるご飯が一番好きだ。
たとえ夫と一緒でも、なんとなく居心地が悪く、食が進まない。
いや、進まないというほどの小食ではないのだが、なんとく味がしないような気がするのだ。
かつて私が独身だったころは、男性からの誘いとなると「おいしいもの食べにいきましょ!」っというものが多かった。
よほど食いしん坊に見えたのだろうか?
それとも、食事が無難だと思ったからだろうか?
真意は不明だが、食事に誘われることが多かった。
だが、その言葉で私を釣れた男性はいない。
◇
おおかたの女性は、食べたいか食べたくないかとは別に、食事を口実にしたデートのお誘いだということを承知の上で、タイプの男性であれば食事の誘いに乗るのだろう。
だが、私は、
「おいしいものは自分ひとりで食べますから」
っと、笑顔で断わっていた。
なぜなら、ごはん食べにいきましょうって誘うこと自体で、私の好みや希望に合わせる気がないのだと判断できたから。
と同時に、私の好みを知りもしないのに誘うなんて、きっと私の内面に興味がないのだろう......と思ったりもした。
私のことに興味があれば、私が興味を持てそうなことを口実に誘うはずだと思ったからだ。
◇
男性諸氏は、もし好きな女性が、まんざらでもなさそうなのに誘いに乗ってくれないというのなら、誘い方が間違っている可能性を考えてみたらよい。もちろん、その女性がフリーであるという前提での話だ。
ちなみに、夫からの誘いは、「一緒に山に登りましょー」だった。登山が共通の趣味だから、当たり前といえば当たり前。
夫と出会う前には、博物館、美術館、観劇、といった誘いに乗ったことはある。
誘われてOKした例はまだまだあるが、あまり列挙すると私が魔性の女だったことが露わになるので、この辺にしておきましょう。
おあとがよろしいようで。