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【女性に優しいサロン】地球に優しいプラントベースを取り入れる日常<後編>

月に一度、身近にいる働く女性にフォーカスし、
ざっくばらんにお話しを伺う連載
《女性に優しいサロン》

私の周りにはパワフルで
魅力的な女性がたくさんいます。
そんな彼女たちですが、
この数年を見ていると
「マインドや人生を変えた」
方々を多く見受けます。
自身もその内の一人。
リアルに体現しているからこそ、
彼女達も何故このタイミングなのか、
年齢的なものか、
そしてどう変わっていったのかを
お聞きしたいと強く感じました。
仕事のことや身体のこと、
将来のことで
立ち止まって悩んでいる女性たちへ。
お話しの中からちょっとしたヒントを頂き、
人生の一歩を踏み出しましょう。
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第三回目のゲストは、ロンドンから『おなかに優しい料理研究家』の靖恵さん。
20代は海外でグローバルに働く経験を持つ彼女が、何故料理研究家の道へ進んだのか。様々な資格を持つ彼女のこれからの生き方について、グローバルな視点で語って頂きました。
では、早速はじめましょう。<後編>

◼︎ サロンオーナー(M)
ーしかし教育から料理の道へ…一体何が起こったのですか?

◼︎靖恵さん(以下 Yさん)
NPOでの仕事にはやりがいを感じていたのですが、語学スクール運営スタッフをしていた時からすでに生活が不規則で、それが引き金となったのか体調を崩してしまいました。

◼︎M
なるほど。みなさんにお話しを伺うと、35、6歳の年齢あたりで体調を崩し始めるよね。

◼︎Yさん
まさにその頃ですね。自分を削っていることに気づかないタイプ。

◼︎M
そうそう、がんばれちゃうタイプww

◼︎Yさん
私はメニエール病になりました。

◼︎M
私も20代半ば、メニエール病になった経験があるので、大変さは分かります。私の場合はすぐ治りましたが、あれは今までの病気で一番ひどかったですよ。突如、ぐわんぐわんと頭が回り出し立っていられない。ひどい目眩。私の場合はストレスからだと思うけど、あんな思いは二度としたくないからストレスを溜めないように気をつけています。いやぁ、あれは本当に酷い。

◼︎Yさん
私の場合は両耳の聴力が落ち、めまい、吐き気などなど…一時期は仕事どころか普通に生活することも難しくなりました。半年ほど耳鼻科に通院し、聴力は戻ったのですが、様々な不調が残ったままでした。
そんなとき友人の紹介で、腸内環境の改善に力を入れているお医者さんと出会いました。するとリーキーガット症候群だと診断されたのです。

◼︎M
聞き慣れない言葉ですね。

◼︎Yさん
腸内環境が乱れて、善玉菌が減り悪玉菌が優位になると、腸の粘膜が傷つき、腸壁にたくさんの小さな穴が空いたような状態になるのだそうで…その穴から本来は体内へ入ってはいけない細菌や毒素、カビなど、悪性物質が侵入してしまうことによって、様々な不調を引き起こしていたみたいです。私の場合は、常在菌のひとつであるカンジダ菌が腸内で異常増殖している状態になっていたようなのです。

◼︎M
カンジダ菌は聞いたことあるけど、腸内でも発生するとは知らなかったなぁ。

◼︎Yさん
女性ですと、膣カンジタになる方が多いとよく聞きますよね。私は膀胱炎を繰り返していたので、その度に抗生物質を服用していました。そのうえ不規則な生活により自律神経が乱れ、免疫力が低下し腸内でカンジダ菌が増殖したと思われます。
同時に遅延型グルテンアレルギーも判明したのですが、それもリーキーガット症候群の症状のひとつでした。当時はグルテンを摂取するとめまい、吐き気、動悸などを引き起こしていたのです。そこから食事療法の除去食生活を始めることになりました。

◼︎M
遅延型グルテンアレルギー! それそれ、聞きたかったの。私もこの頃、遅延型グルテンアレルギーじゃないかと疑っている。元々胃腸が弱かったから今まで気づかなかったのだけれど、この頃お腹を壊す時は、小麦を摂った後だと気づいたの。幼少時から毎朝パン食だったことで蓄積されたのかなぁと思っている。

◼︎Yさん
私も元々パンや甘い物が大好きで、それまでは毎日何かしら食べていました。
しかし、パンを発酵させるための酵母はカンジタ菌の仲間であること、また糖分を摂取することで菌が増殖しやすくなることを知りました。日々の食生活が、症状を悪化させる原因になっていたのですね。
「甘い物を欲しているのは実はあなたではなく、腸がカンジダ菌の餌を求めて脳に指令をだしているからだよ。」と医者に言われ、わたし自身は食べたくないのに菌に操られていたのか!と驚きました(笑

◼︎M
私の甘いもの好きも、脳がくだしているのかしら。

◼︎Yさん
Mさんに見てもらおうと思い別紙の資料を用意したので、一緒に見ていただけますか。食べられる食材と避けるべき食材が記載してあります。食事療法を始める前に医者から手渡されたものです。

◼︎M
これは凄いですね。私も当てはまる所が多いなぁ。私は糖尿病の気があるのかと思っていたけど、カンジタの症状も近いのかなぁ...。

これでは、ほとんどの食べ物が食べられないね。

◼︎Yさん
食べられる食品を探すのが本当に大変でした(笑

◼︎M
どこまでやったのですか?

◼︎Yさん
体調が悪かったので、かなり忠実に取り組みました。
ですが甘いもの食べたい病の私にとって、甘いものが食べられない事がとても辛かったです。外食も出来ませんし、アレルギー対応の食品であっても、小麦・砂糖・乳製品・イースト全てを含まない商品はほとんど選択肢がありません。そういった経験をしたことで「食べられない食品がある人に、美味しく食べられるものを作る事ができたら良いな」と思いました。

そこからマクロビオティックの学校へ通い始め、自分の体調を整える食事を学びつつ、グルテンフリーにアレンジしようという心構えで学びました。また規則正しい生活が出来るように転職し、働き方も変えました。働きながら2年間通学し、マクロビオティックマスター(師範)を修了しました。

その間、徐々に不調が改善していき、メニエール病の症状はほぼ出なくなりました。

◼︎M
それは大変でしたね。

ーその頃転職し働き方を変えていますね。それが今につながる良い影響をもたらしたのですか?
◼︎Yさん
はい。転職先でマーケティングやライティングをさせて頂き、その経験が料理の活動を始めた際、とても役立ちました。
会社勤めと並行して、Webメディアでの仕事で料理レシピを作り、記事を書かせてもらったり、オンラインの料理教室を始めたりするようになりました。
その後、夫の仕事の関係で渡英することになり、現在はロンドンで暮らしています。

◼︎M
海外に縁があるね。その歳でいきなり海外へ移住では、戸惑いますよ普通は。しかもコロナ禍で大変な時に。だけど既に経験があった。
私はずっと海外で暮らすことに憧れがあったの。やりたい事など、人より出来ている方だと思うけど、これだけは縁が無かったな。


ー渡英後、イギリスの大学の授業を受けていましたよね。何を勉強されたのですか?
◼︎Yさん
ウィンチェスター大学のオンラインコースで、プラントベース栄養学を受講しました。主な内容としては、ホールフード・プラントベースダイエットの「栄養学的効果」や「慢性疾患の予防と医学的な臨床試験結果」他には「持続可能な食生活について」など様々です。
ホールフードは未精製または極力精製されていない食品、プラントベースとは植物性を意味します。また、ダイエットという言葉は日本では「痩せること」という印象を持つ人が多いと思いますが、食事療法を意味します。
私は日本でマクロビオティックを学びましたが、このプラントベース栄養学と似ている部分が多く、以前から興味を持っていました。
マクロビオティックは日本で生まれた考え方です。主に陰陽論や玄米菜食など、食事法の印象を持っている方が多いと思いますが、本来は暮らしている土地や自然と自分自身の調和を図るための“生き方のすべ” のようなものです。全体的に感覚的と感じる部分も多く、栄養的にどうなのだろう?という疑問がありました。ですがプラントベース栄養学を学ぶことで、マクロビオティックの食生活が栄養面でも理にかなっていることがわかり、これまでの学びが整理されたように感じました。

◼︎M
『ホールフード•プラントベース』という言葉は初めて聞きます。
やはりイギリスは進んでいると思いますか?

◼︎Yさん
進んでいると思います。外食に行った時など、アレルギーの有無を尋ねられることが定番ですし、多くの飲食店のメニューにヴィーガン・ベジタリアン・グルテンフリー・ハラルなど、それぞれのメニューが提供されている印象です。専門店ではなく一般的な飲食店で、です。

◼︎M
その点、日本は遅れていますね。

◼︎Yさん
私が食事療法をしていた当時に比べれば、かなり増えたと思いますが、専門店を探さなければならないですし、商品の選択肢が少なく価格設定も高い。同じようにオーガニック食材も普及していない印象です。
私の個人的な印象としては、ロンドンは特に多様な民族的アイデンティティや文化が入り混じっている都市なので、宗教的に食べられない食材がある人も多く、またイギリスはヴィーガン発祥の地でありヴィーガン主義を主張することが法律のもとで保護されています。そういったところが食の多様性に対し寛容なのかなと感じます。

◼︎M
現在、『おなかに優しい料理研究家』としてレシピを発信していますね。
いつも、楽しく拝読しています。


ー今後どのような仕事へ結びつけていきたいと思っていますか?
◼︎Yさん
コロナ禍に渡英したこともあり、活動を広げることが難しかったので、ひたすらレシピを作り溜めています。
現代社会には何かしら理由があって食べられないものがある人、もしくは自身で選択し食べないものがある人と、食の世界はどんどん多様化しているように感じます。特に日本では選択肢がまだまだ少なく、私自身が食に満たされず辛い経験をしたからこそ『美味しい』『満たされる』という気持ちを大事にしていきたいと思っています。その上で健康な心と体が維持出来たら素敵なことですよね。

まだまだ「グルテンフリーや植物性の食事」と聞くと、一体何を食べているの?と聞かれることもあります。不味そう、もしくは意識高いやストイックな人、というようなイメージを持つ人は多いのではないでしょうか?

◼︎M
そうですね。意識高いとうイメージはあるかもしれませんね。

◼︎Yさん
食生活には様々なカタチがあり、理由は人それぞれかと思いますが、そうせざるを得ない人もいます。また、食事は美味しさや健康面が注目されがちですが、それを成り立たせるために地球環境に負担をかけている側面もあります。ですから食事を通して地球環境に配慮する食べ方も、同時に求められる時代なのではないかと感じています。
アレルギー対応や菜食対応用の代替食品は日々進化し、美味しい商品が増えています。あえて選択する時代に移ってきている気もするのです。
「普通もいいけど、こっちもアリだよね」と選んでみたくなる、そんなレシピ作りを目指しています。

◼︎M
そうですねぇ。
地球環境に関しては、アパレル業界も同じく問題になっています。
その部分は、私自身もできるところから始めています。

いつかレシピ本が出来たらいいですね。

◼︎Yさん
はい。そのためにも精度を上げておきます!
あと、「菜食やグルテンフリーを取り入れてみたい」「食生活を改善したい」けれど何から始めたら良いかわからないというような方々の相談にのり、お手伝いをする活動もしていけたら、と考えています。

Mさん「You are what you eat.」という言葉は聞いたことがありますか?

◼︎M
初めて聞きますね。

◼︎Yさん
英語のことわざで「あなたは、あなたが食べたものでできている」という意味です。この言葉を知る前は、病気をした時に私は何かのせいにしたい気持ちで一杯でした。ですが実は自分の選択の結果だったのだと、人生を見直すきっかけになりま
した。
人生はハレの日もあればケの日もあります。私は「ケの日の台所」から生まれる日々の食事こそ、健康な心と身体を維持継続するために大切な要素ではないかと思っています。

◼︎M
グルテンフリーとマクロビオティック、両方を兼ね備えた食事のレシピをこれからも楽しみにしています!


ーせっかくですから、最後に現状のロンドンについて伺えますか。
コロナに対してはどうですか?
◼︎Yさん
早い段階から経済をまわす方向に舵を切っています。

◼︎M
だいぶ普通の生活に戻ってきたの?

◼︎Yさん
だいぶどころか普通に戻っています!
マスクをしている人も殆ど見かけません。

◼︎M
笑)さすが!

彼女の料理は、住む土地の食材で上手く代用し、とても参考になります。
ヘルシーで試してみたくなるレシピばかり。
住んでいる土地の食材を出来るだけ丸ごといただくことが大切
旬な食材を丁寧にいただく、「ケの日の食事を楽しみながら整える」



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