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今後、住宅ローンの金利は上昇します。不動産のプロがわかりやすく解説

コロナショックがあり、経済情勢の変化が激しく、今後どうなるの?と感じている方も多いのではないでしょうか?ウクライナ情勢・円安・物価高。

この記事では、「変動金利は今後どうなる?」「10年後の金利は何%?」と不安に思われている方を対象に、難しい言葉を使わずに、そして理由を添えて金利見通しについてご説明したいと思います。

「今は低金利」というのは本当なのか?

様々なメディアや広告で「今は低金利なので不動産は買い時!!」という言葉を目にします。

この「今は低金利」という言葉、、、
結論から言いますと、本当です!

図①

上の図①は直近の変動金利の利率を表しています。
変動金利は各金融機関で下降傾向がみられます。
下降の原因としては
・日本銀行のマイナス金利政策
・銀行間の競争が激化

では、この0.4~0.6%というのはどれくらい低金利なのでしょうか?

図②

この図②ではこれまでの住宅ローンの金利の推移を表しています。

ちなみに、変動金利の2.475%というのはあくまでも、基準の金利で、
実際に皆様が借り入れる際の金利は、この2.475%からさらに約2%もの優遇を受けることができるため図①のような金利での借り入れが可能なのです。(この優遇は各金融機関によって異なります。)

この優遇制度は前からあったものではないため、図②の1990年ごろと比較すると一目瞭然ですね。
1990年頃と現在を細かく比べてみると下の図③の様になります。
恐ろしいですね、、、、

図③

しかし、2022年に動きが!?

前述では、変動金利が下降傾向にあることについて述べました。
それでは、固定金利はどうなのでしょうか?

図④

変動金利は下降傾向を続けておりますが
一方で、2022年1月の長期金利の引き上げとともに、固定金利も大きく上昇し、現在は高止まりに。

今後はどうなる?不動産屋の大予想

結論から言うと、
2030年頃にマイナス金利が解除され、優遇がなくなり始める。
そして、2035年ごろから基準金利も上昇し始めると予想。

マイナス金利の解除はいつ?

そもそも、私達は金利が上がりづらい時代に生きています。少子化により日本の人口が減少しており、2050年には1億人を割り込みます。そうなると、需要も減るので経済成長はどんどん低下します。2030年〜2040年ごろから日本のGDPがマイナス成長になるとの予想も出ているぐらいです。

一方で、政府は高い経済成長率を公約に掲げるため、どうしてもギャップが発生してしまうのです。そのギャップを埋めるには金融緩和(金利の引き下げ)しかありません。金利を下げてお金を借りやすくして、景気を刺激するのです。低金利は、人口が減少する成熟国日本の宿命とも言えるでしょう。

そうした中、日本銀行の黒田総裁は2023年3月に開催された金融政策決定会合においても「『持続的なインフレ2%』を達成するまでは金融緩和を続ける」と繰り返し伝えていました。この『持続的なインフレ2%』とは一体何のことでしょうか?これは賃金上昇→需要増大→インフレの良い経済サイクルが回っている状態です。ここで大事なのは賃金の上昇です。物価上昇だけでは家計が苦しくなるだけですので。金融緩和の解除には賃金の上昇は必須と言えます。

なお、日銀の審議委員も「賃金上昇率が低く、広範かつ大幅な物価上昇には至っていない・・・(途中略)・・・物価と所得の好循環につなげるため、金融緩和継続が必要である。」と発言しており、金融緩和はまだまだ続くと考えてよいでしょう。

賃金上昇のきっかけになりそうなのはバブル世代の退職(2030年ごろ)が考えられます。バブル世代は人口が多く、退職すると残っているのは人数が少ない若手・ミドル層のみ。そうなると、経営者は引き止めのために賃金を上げるでしょう。日本は過去30年間、賃金が上がっていない国です。バブル世代の退職という大きな労働環境の変化が無い限り、賃金上昇はしづらいと考えておいて良いと思います。

ここまでの話をまとめますと、賃金が上昇するまではマイナス金利を続けることが想定されますので、マイナス金利解除は早くてもバブル世代退職の2030年以降となるでしょう。

今後の金利の引き上げはいつ?

では、2030年以降にマイナス金利が解除されたら、すぐに変動金利も上がってしまうのでしょうか?そうはならないと考えています。理由は「タイムラグ」と「競争激化」の2つです。ここからは銀行の今後の動きについて解説します。

まず初めに、変動金利が上がるまでにはタイムラグがあることをお伝えしたいと思います。住宅ローンの変動金利ですが、基準金利から引下げ幅を引くことによって適用金利(実際に借り入れる金利)が計算されます。引下げ幅は一定のため、基準金利が上がれば適用金利も上がりますし、逆に下がれば適用金利も下がります。

ですので、変動金利が上がるかどうかは「銀行が基準金利を上げるかどうか」次第です。

タイムラグと競争激化を踏まえると、変動金利の上昇は2030年から数年後、早くても2035年以降と考えていいと思います。10年後も低金利のままでしょう。銀行の住宅ローン担当者にもヒアリングしたのですが、「もし市場金利が上がったとしても、すぐには基準金利を引き上げないと思う」と変動金利の引き上げはまだまだ先という反応でした。

まとめ

住宅ローンの "今" から今後の予想まで述べてきましたが、実際にいつ組むのが良いのか?というのはまた別の話です。

それぞれのライフプランに合った、タイミングがあり、また、それに合った住宅ローンのプランの選択があると考えております。

ただ、金利が上昇することは、ほぼほぼ間違いがないため、うかうかはしていられません。

「では、あなたに合ったタイミングやプランとは?」ということにつきましては、CentArcにご相談ください。

住宅ローンに詳しい不動産屋である私たちが、必ずあなたの力になります。

お問い合わせ心よりお待ちしております。

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