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地方移住してみたら意外と平気だったこと。

 溜池山王で5年働いたあと、静岡市に移住、2年半が経ちました。
 入社3年目あたりから漠然と東京を離れたいと思っていましたが、あまり現実感もなく不安も大きいし、と、行動するまで2年かかりました。でも、いざ引っ越すと意外と平気だったな、と思うことがあります。
 誰彼構わず移住すべきなんて思っていません、ただ、例えば、ビル街で働いてはいるけど、渋谷の雑踏が苦手で、神楽坂にほっとして、喫茶店ではソファに隠れるように座るような、少し臆病でこだわりが強い人(器用な人のふりをしているあなた・・)に、しんどくなったときに思い出してもらえたら、と思って書いてみました。

はじめに:地方都市への移住

 移住と聞いてイメージするような、「自然豊かな田舎暮らし」に憧れはあるのですが、今の私には難しそうです。東京での暮らしに慣れた身では、あまりにギャップが大きい。でも、だからといって、東京を離れられないわけではなくて、まずは暮らしやすい地方都市に引っ越すことを検討してみてほしいと思っています。

マイカーがなくても暮らせた

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 どうしても自分で運転することが恐ろしく、免許をとらずに30才をこえました。移住を考えたときにも、第一の条件が、車がなくても当面生活ができること、でした。そのため、静岡駅の近くに居を構えることに決めました。
 都内で暮らしていた時、神楽坂近くの便利な場所に住んでいたのですが、それでも新宿へ行くためにはいつだって混雑している山手線やメトロに乗ることになるので、人混みを想像するだけで億劫で、お買い物はもっぱらEC頼みでした。キャミソール一枚買うにもZOZOTOWNを使っていました。
 静岡に来てから暮らしは一変しました。だいたいの用事は徒歩と自転車で済ますことができます。今は歩いて百貨店や映画館に行けるようになり、部屋の中のAmazonとZOZOTOWNの段ボールは格段に減りました。
 もちろん、車を運転できれば行動範囲が広がるので、もしかするといつかは免許をとりにいくかもしれません。ここでお伝えしたかったことは、地方=車が必須と思われていても、暮らしようはある、ということです。マイカーの有無に限らず、他にも「〇〇だから東京じゃないと・・」と思っていても、意外とそれを解決できる場所や暮らし方はあると思います。


仕事はけっこうある

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 一番不安なことは、やっぱり仕事のこと。都心を離れて同じ仕事を続けることって、難しくありませんか?(いやいや弊社はフルリモートワークor新幹線通勤が可能だよ、という方は、躊躇うことなくその恵まれた制度を活用して、ぜひ静岡市にお越しください)
 私は次の仕事を決める前に退職し、静岡へ引っ越してしまったので、初めは貯蓄を食いつぶしながら生活していました。しばらくして、いろんな人のご縁によって仕事に就くことができました。
 こう書くと、ラッキーだったのね、生存者バイアスじゃない?と思われてしまいそうですし、2年後も同じように言えるかはわかりません。
 ただ、人づてに仕事を紹介してもらうときに感じたことは、都内で働いてた時の経験やネットワークには地方でニーズがあるんだ、ということでした。会社にとって新しい窓となり、新鮮な風が吹き込むことを期待してくれているんだと思います。また、都内よりも同じことをやっている人の数が絶対的に少ない、ということは忘れないでください。何か少しでも人の役にたてることがあれば、都内よりも重宝してもらえます。
 難しいのは、賃金や仕事の単価が都内より下がる覚悟をすることです。わたしも転職によって年収は下がっています。数字で達成感を感じたい方にとっては、厳しいかもしれません。一方で生活の余裕という観点で評価する方は地方で暮らしやすいように思います。
 わたしも後者なのですが、静岡で暮らし始めてからは、健康的な時間に家に帰り、近所のスーパーで買い物をして自炊するようになりました。以下はかなり個人差があると思いますが、自堕落なアラサーの生活が一変したことから何かを感じていただければと思います。

・都内で暮らしていた頃は3食外食orコンビニでした。こちらのスーパーは安いです、食費は1/3ほどまで下がりました。
・コンビニへ行く頻度が2日に1度になりました。都内で1日3回も4回もいっていたのはなんだったのでしょうか。
・家賃については微妙です。家賃は下がったのですが、前職は半額家賃補助がでていたため、自己負担額は1万円ほど増えています。
・交通費はほとんどゼロになりました。今は徒歩と自転車生活なので、PASMOのチャージが減りません。
・ストレス発散のためにLINE漫画への課金額が毎月4万円でしたが、これも半額以下に減りました(今もまだ他の方よりはちょっと多いですね・・) 

 結果的に、趣味に費やせる時間とお金と心の余裕が大きく増えました。


友達もできて、遊び方が変わる

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 東京では、会社の同期以外に新しく友達が増えることはほとんどありませんでした。なので、静岡ではしばらく寂しくなるかもしれない、と覚悟していました。実際は昔からの友人や仕事場や趣味を通じて知り合いが増えたり、同じような移住者やUターンした人とのつながりもあります。また、都内にいた頃は会うこともなかった友人や先輩、後輩が遊びに来てくれるようになりました。
 静岡市は政令指定都市なので、たくさんの転勤族や都内へ通勤している人も暮らしているのですが、東京よりも少しだけ人と人との距離が近いように感じます。今はその距離感が心地よいです。
 週末は誰かしらを誘って山に登ったり、観光地をぶらぶら散歩したり、海を見に行ったりと、人との交流は都内にいたころよりもぐっと増えています。一人で時間ができたときも、あ、と思って近くの遊水地まで自転車を漕いでいき、野鳥を探してみたりしています。

おわりに:解放感

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 東京で暮らした5年間、仕事も趣味もそれなりに充実していました。ただ、このままの自分だと生活レベルの上限が見えていたし、それだって幸いにして健康に働き続けられた場合でしかなく、思ったよりも近い天井をにらみながら、転げ落ちないように歩き続けるのか、と今後の人生のふり幅の狭さにおびえ、苦しかったのを覚えています。
 それはもちろん住む場所を変えたぐらいで大きく変わりはしないのですが、一度天井をはずして周りを眺めたことで、あ、東京から離れても大丈夫なんだ、この仕事を続けなくてもいいんだ、という解放感を得、生きやすくなりました。

 特別なスキルなし、コミュ力なし、免許なしの三重苦な私ですが、ありがたいことに楽しく暮らしてます。東京に飽きてきたなぁとか、なんとなくしんどいと思ってる人がいたら、地方都市での暮らしを想像してみてください。もし私でお役にたてそうなことがあれば(あるかな・・)お気軽にご相談ください。

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 今後は、移住して驚いたこと、楽しかったことや、みかけた生き物のこと、たまにちょっと真面目なコンサルっぽい話題などを、書いていこうと思います。

2021.7.16 追記
静岡市へ移住を迷ってるひとに活用してほしい支援策や情報源をまとめました。とくにお試しテレワークで無料で移住体験&実際に移住したら60万円、は最後の一押しになりませんか。

instagramでは、静岡を中心としたあちこちでみつけた彩りを載せています、お時間ある方は見ていただけると嬉しいです。


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