ほしぞら薬局

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街中の小さな薬局の中の人です。 非漢方薬剤師による非漢方薬剤師のための中医学ネタを主に書いています。

マガジン

  • 非漢方薬剤師による中医学入門 ~中医学基礎理論~

    非漢方薬剤師による、非漢方薬剤師のためのアマチュア中医学マガジンです。

最近の記事

薬剤師が登録販売者試験をうけてみた3 ~ 最終回 ~

最終回として、試験対策みたいなものを書いてみたいと思います。プロの講師ではないので、参考程度にして頂ければ幸いです。 【対策1】 ラクはしない方がいい ラクに合格する方法があるなら苦労しません。市販の参考書の中にはそういった類の売り文句で釣っている本がありますが、その内容自体を否定する気はありませんが、それをやったからラクに受かるなんてことを考えるのはやめたほうがいいです。どんな参考書を使ってもある程度の苦労は確実にしないと合格はしません。 【対策2】 とにかく期限を決め

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    • 薬剤師が登録販売者試験を受けてみた2 ~ 感想編 ~

       受験してみた感想として、単純に「薬学の基礎がない一般の方が受けるにはなかなか難しい試験だな」です。  試験範囲が広いのと、とても丸暗記だけではカバーできない量があるので、数か月の付け焼刃の勉強では、合格点にはなかなか到達はできないと思われます。  自分は3か月くらい手引きをじっくり読むのと過去問4年分くらい解きました。  題材にされている医薬品成分もなかなかマニアックなものも出題されていますし、昔は選択肢である程度しぼれるものが、今回も最後の2択がしぼれないようにでき

      • 薬剤師が登録販売者試験を受けてみた1 ~ 試験概要編 ~

        久しぶりの投稿です。  実は2021年9月23日に神奈川県の登録販売者試験を受けてきました。薬剤師が何で登録販売者試験を受けたのか?必要ないじゃんというご意見はごもっとも。  しかし、OTC医薬品に関して疎い薬剤師は少なくありません。商品の入れ替わりも多いですし、商品名だけ言われて中身の成分を知っているものがどれくらいあるかというとそれほどでもないなという方も多いはずです。  という立派な前置きですが、自局の事務が受験するので、力試し的に自分も受けてみようと思い立った

        • 気血津液って四字熟語?

          陰陽失調・肝火上炎・脾虚湿停・・・・  中医学にはとにかく四字熟語っぽい用語が多いです。気血津液もその一つだろうと最初見た時に思ったのはこの自分です。  人体の中をめぐる要素を陰陽に分けた時に、気・血・津液(水(すい)という場合がありますが、ここでは津液で統一します。)の3要素に分けられる、という考え方です。ここらへんから中医学っぽくなってきます。  陽、つまり「機能」にあたるのが「気」、それに対して陰、つまり「物質」にあたるものが、「血」と「津液」になります。そのため

        薬剤師が登録販売者試験をうけてみた3 ~ 最終回 ~

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        • 非漢方薬剤師による中医学入門 ~中医学基礎理論~
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          第3回 気血津液論

           前回までは、根本の哲学的な部分として、陰陽論や五行論をご紹介してきました。今回からいよいよ医学色が強くなってきます。  気血津液論は、良く知っている言葉で言いかえるなら「生理学」に近いものだと思います。人体の中をめぐる要素を陰陽に分けた時に、気・血・津液(水(すい)という場合がありますが、ここでは津液で統一します。)の3要素に分けられる、という考え方です。  陽、つまり「機能」にあたるのが「気」、それに対して陰、つまり「物質」にあたるものが、「血」と「津液」になります。

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          第3回 気血津液論

          陰陽論と五行論

           中医学の大きな根幹をなす2つの理論、陰陽論と五行論。今回はこの2つを簡単にご紹介します。 1 陰陽論 「この世界のあらゆる事物は、すべて陰陽の2つに分割することができる。」みたいなのが理解を苦しめるので、この前提は一旦認めてください。  陰陽論は1つの分析法みたいなもので、「事物を陰と陽の相対する2つの要素に分割してそれらの関係性などを考える方法論」ぐらいに考えて頂けるとわかりやすいかなと思います。  そして結果として、陰陽のバランスが調っている状態を「正常」、崩れて

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          陰陽論と五行論

          第2回 五行論

           前回は全部を2つに分けて考える陰陽論を紹介しました。歴史的に考えてどうだったかはわかりませんが、考えるときに2つだと足りないことあるだろうなと思いませんか?

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          第2回 五行論

          第1回 陰陽論

           中医学基礎理論の根幹をなす陰陽論と五行論。2つ併せて陰陽五行論と言う場合もありますが、今回はまず陰陽論から。

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          第1回 陰陽論

          中医学を学んでトクしたなと思うこと

           前回は中医学は独学で習得することが厳しいという話をしましたが、そんな中医学を習得することはどんないいことがあるのか?  1つは「全然別の視点がもう一つ得られる」ことだと考えています。  くどいようですが、西洋医学とは異なる理論体系です。同じ現象を別の角度からみることができて、視点が広がることが最大のメリットだと自分は考えています。全く性質の違う引き出しをもう一つ持つことができるのは何か強みをもう一つ持ったように感じませんか?  だからといってどっちが優れているとか、そ

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          カゼには葛根湯? ~「証」と「病名」~

           「証」という言葉自体は、薬剤師として仕事をしていると1回は耳にする言葉ですが、「『病名』と似た意味なんだろうなあ・・・」ぐらいなぼんやりした感じで捉えられている方がほとんどなのではないでしょうか。  意味は大体似ているのは事実です。「証」はご存知のように糖尿病や喘息のような西洋医学的な「病名」とは全然違う単語が使われます。例えば「痹証(ひしょう)」や「虚証」、「肝腎陰虚証」など聞きなれないものが前につきます。

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          カゼには葛根湯? ~「証」と「病名」~

          中医学を独学で習得することを困難にしている3つの理由

           「よくわからないから、漢方をこれから勉強しよう!!」と思う薬剤師の方々は多いのではないでしょうか? そしていろんな本を買って読んでみた結果・・・  「う~ん、わかったような、わからないような・・・」  「意味わからん!」  といった感じで挫折してしまうことが多いように感じます。実は自分も最初は独学で本を読みながら勉強しておりましたが、やはり挫折。スクールなどに通ってやっと、本を読みこなす程度の理解になることができました。   スクールに通うかどうかはともかく、中医学や

          中医学を独学で習得することを困難にしている3つの理由

          腎臓病療養指導士認定試験を受けてみてのレビュー

           ちょっと前になりますが、2020年1月に第3回腎臓病療養指導士認定試験を受けてきました。結果は合格。よかったよかった。  これから試験を受けようとされている方や受けようかと考えている方のためにこの試験の受けてみてのレビューをしてみたいと思います。 まずはこの資格の概要から・・・  腎臓病療養指導士は、標準的な慢性腎臓病(CKD)保存療法を浸透させることを目的に、職種横断的なCKD療養指導に関する基礎知識を有する者を育てる資格で、日本腎臓病協会が認定しています。  受

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          腎臓病療養指導士認定試験を受けてみてのレビュー

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           ほしぞら薬局です。小さな薬局で薬剤師をしております。  文字制限のあるTwitterなどでは書ききれないことや、あまり薬剤師が理論立てて学ぶことのない中医学の知識や理論、それらの活用法などについて発信していこうかと思っています。まあ、あとはなんか思ったことを字にしてみたりとか・・・  自分自身、漢方薬局で毎日ゴリゴリ方剤に触れてるわけではないので、自分なんかよりもベテランの先生方たくさんおられますので、「これは違う!」とか「こういうのもある!」など至らない点はたくさんあ

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