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第3回 気血津液論

 前回までは、根本の哲学的な部分として、陰陽論や五行論をご紹介してきました。今回からいよいよ医学色が強くなってきます。

 気血津液論は、良く知っている言葉で言いかえるなら「生理学」に近いものだと思います。人体の中をめぐる要素を陰陽に分けた時に、気・血・津液(水(すい)という場合がありますが、ここでは津液で統一します。)の3要素に分けられる、という考え方です。

 陽、つまり「機能」にあたるのが「気」、それに対して陰、つまり「物質」にあたるものが、「血」と「津液」になります。そのため、これらを合わせて「陰液」と呼んだりします。

 ちょっと抽象的ですが、今のところ四角い箱(生体)の中を気血津液がぐるぐるまわってるんだなあ・・・ぐらいのイメージでいいと思います。

 体を体としてみないで、コンパートメントみたいにみるという点では、薬物動態学にも似ているなあ、なんて書きながら思っていました。

気血津液イメージ

 話がそれましたが、ここからは気血津液それぞれの性質や働きなどについてみていきたいと思います。

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