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中医学を独学で習得することを困難にしている3つの理由

 「よくわからないから、漢方をこれから勉強しよう!!」と思う薬剤師の方々は多いのではないでしょうか? そしていろんな本を買って読んでみた結果・・・

 「う~ん、わかったような、わからないような・・・」
 「意味わからん!」

 といった感じで挫折してしまうことが多いように感じます。実は自分も最初は独学で本を読みながら勉強しておりましたが、やはり挫折。スクールなどに通ってやっと、本を読みこなす程度の理解になることができました。

  スクールに通うかどうかはともかく、中医学や東洋医学をある程度理解している人に習わないと、なかなか独学は厳しいなというのが自分の感想です。読者の皆様はいかがでしょうか?

 そこで、なぜ独学だと困難なのか、その理由を自分なりに考察したことを紹介したいと思います。


理由①
 西洋医学的な発想からなかなか抜けられない

 現在の医学は自然科学的な西洋医学ベースです。血管を流れているのは「血液」だし、臓器といえば、「肝臓」や「心臓」なわけです。これらは、普段から学び慣れている理論体系です。これを中医学にも当てはめて、五行論の「血」や「肝」・「心」も同じように扱ってしまうと、話がわからなくなったり、理解に苦しむ事柄が増えていってしまって、最終的には挫折してしまうのかなと思います。「なかなか」と表現したのは、まあまあ重複している部分もあって理解できるところもあるためです。

 まず、今まで習ってきた医学はいったん全部捨てて、まっさらな状態から勉強した方がよいと思います。

 中医学は、自然科学などが発展する前にできたもので、人体で発生した病変と自然界との関わりなどを数千年レベルで観察し、蓄積させたことをもとに独自の理論体系を構築し、発展させてきました。その理論体系には古代の哲学の要素が多く取り込まれています。


理由②
 抽象的・概念的なことが多くてわかりづらい

 上でも書きましたが、哲学的な要素が理論に盛り込まれているために、理論体系全体が概念的です。
 例えば、「気」は、目に見えないし、実在はしない概念的なものの代表ですが、こういった概念的なものを「そういうもの」として受け入れられるかどうかが理解するためのカギなのかなと思ったりしています。


理由③
 流派や学派など学問的に煩雑であること

 「漢方」といっても、まずざっくり分けて「中医学」と「日本漢方」の2つに分けられます(学問的にはウソです)。それぞれの違いや詳細は成書に譲りますが、これらは「似て非なるもの」だと自分は考えています。これは勉強するときの本選びなどに大きく影響してくる要素です。
 漢方メーカー主催の勉強会などはやはり日本漢方の考え方が多いと思います。
 誤解がないように断っておきますが、タイトルが中医学だからといって、日本漢方を否定するような意図はありません。

 中医学の中にもかつては地方によっていろんな学派が多数存在していて、混沌としていた時期が長く続いていたそうです。それを今の「中医学」という形で理論を統一させたのが毛沢東の指示だっただそうです。


 以上、自分が勉強してみて思った3つの理由でした。「ちょっと考えればわかりそうな理由じゃないか」という声も聞こえてきそうですが、もしそう思われたなら、考察が甘くてすみません。

 それでも独学で学びたいあなたへ・・・

 スクールに通う時間がない。周りに中医学を学んだ人間がいないけど学びたい。そんな方はこれから作成されていく中医学マガジンやおすすめ本などを参考にしていただければ幸いです。

 また、これから学んでみようとお思いの方への心得として、漢方薬局のムセキさんのノートも併せてご参照ください。

 今回はこの辺で終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

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