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ドローン実験室&アルゴリズム実験室 in 神領小学校

こんにちは、本橋です。

僕が所属する神山メイカースペースでは、神山に2つある小学校から特別授業のご依頼を毎年いただいています。つい先日も授業がありましたのでドローン実験室とプログラミング実験室の様子をご紹介したいと思います。

ドローンも子どもたちはみんな大好きで追いかけ回して大はしゃぎだったし、アルゴリズムも全体的にゲーム体験なので大盛りあがりしてくれました。


ドローン実験室

10月後半、神領小学校の4年生の教室に自作ドローンの機体とその他諸々の教材を持ち込みました。

ドローン実験室では、ドローンをただの空飛ぶラジコンとして扱うのではなく、ソフトウェア・ハードウェアのあらゆる分野のテクノロジーをが詰まった科学の塊として紹介しています。

この授業の冒頭ではGPSを使った自律飛行のデモを行いました。機体はDJI Sparkです。iPadを繋いだ教室のテレビ画面には衛星写真とともにいくつかのピンが立っています。ピンに書かれた番号順にドローンが飛び回るよ、というお話とともにリフトオフ!

Litchという自律飛行サポートアプリの画面です

この1枚の写真だけでも人工衛星とGPSの関係について科学の話ができますね。

もちろん子どもたちは校庭を飛び回るドローンを追いかけるのに精一杯で話なんか聞いてる暇はない。が、たまには「あれどうやってるの?」と尋ねる子もいるので、そういう興味の刺激になれば大成功です。

全速力でドローンを追いかけていってしまった

ドローンをきっかけに様々なテクノロジーに興味を持ってもらいたい、そんな授業を毎年やっていて、今回も4年生に向けてお話させていただきました。

ドローンにかこつけて自転車ホイールを使ったジャイロ効果の体験会も人気

組み立てたり改造するには電子工作の知識もいるし、飛ばす設定にはコンピューターの知識がいるし、細かく挙動を設定するには数学の知識もいるし、なんだったら安全に飛ばすには法制度についても知っておきたい。

ドローンを起点にするとあらゆる方向のテクノロジーにつながります。僕自身、そういう知的コンボが面白くてドローンに対する興味が持続しているところもあるなーと思っています。

プログラミング実験室

ドローンから2週間開けて今度はプログラミングの授業です。昨年まではviscuitを使ってシューティングゲームを作ってみよう、というプログラミングに触れる授業を行っていました。今年は趣向を変えて「アルゴリズム」の体験授業です。

2コマ90分をいただいて、こんなスライドを作って進めました。

アルゴリズムで考えられるようになる

Scratchで作成したちょっとしたゲームで遊びました。ビッグオアスモール、1~10の間で隠された正解の数字を探ります。

このゲームで遊びながら二分探索と総当たりについてお話しました。半分の数字、半分の数字と探っていくのが二分探索で、1, 2, 3…と順番に探るのが総当りアルゴリズムです。

紹介するアルゴリズムは今回は四年生が対象でしたのでこのあたりにしました。中高生や大人向けならもっと別のゲームやアルゴリズムを紹介しても楽しそう。

アルゴリズムで迷路を作れるようになる

棒倒し法、というアルゴリズムで迷路を構築していきます。
方眼紙とサイコロを使って書いていったので時間がかかってしまいましたが、それはそれで楽しんでもらえていたようです。

しばらくすると迷路が出来上がっていきます。

消しゴムをコマにサイコロを振って早速対戦ゲームに仕立て上げている子もいました。遊びに転換できる想像力は子どもたちの得意技。

サイコロを振って壁を作る、という25回の単純作業で迷路を構築できました。この手の小さな計算の繰り返しはコンピューターはとっても得意、という話をしつつ、Scratchで作成した棒倒し法のプログラムを紹介しています。

https://scratch.mit.edu/projects/750288059

アルゴリズムで迷路の近道を見つけられる

幅優先探索で最短経路を探ります。スタートのマスから隣り合った通路に順番に数字を書き込んでいく単純作業となります。

行き止まりになるまでひたすら数字を増やしていくと…

ゴールに辿り着いて、あとは数字を一つずつ戻っていけば最短経路のできあがり。

「幅優先探索」というアルゴリズムで迷路の近道を探す、という体験でした。

(おまけ)最新のアルゴリズムで遊んでみる

みなさんもどこかで遊んだことがある「だれがどこでなにした」をカードに書いてもらってシャッフルして

[1] 猫が [2] 船釣りで [3] ヒラメを釣った

みたいなおもしろ文章を作り出す遊びをAIにつなげてみました。文節で切り離して、シャッフルして、つなぎ直す。これも十分アルゴリズムです。

猫が船でヒラメを釣ったシーン

できてきた文章をStableDiffusionに入れてガンガン画像を生成していきます。

できた文章も面白ければ、出来上がった画像も面白いのでみんなゲラゲラ笑いながらの大盛りあがり。残り15分くらいの授業時間をこの遊びに費やしてアルゴリズム実験室はおしまい。

方眼紙を埋めていくところや、誰どこのカードを作るところでは担任の先生にサポートをいただけたのが大助かり。やっぱり先生方は子どもたちをよく見ていて、とても助かりました。

最後にコーダー道場神山について

ドローンについてもアルゴリズムについても、こんな授業が僕自身の子供の頃にもあったら楽しかっただろうなー、という思いを込めて授業を組み立てています。

神山では毎月コーダー道場という形でプログラミングやコンピューター分野のテクノロジーを使ってみんなで遊べる場を開催しています。

興味を持たれた方はぜひ、ご見学にいらしてみてください。一緒に道場を運営してくれる方も常に募集しています!


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