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【140字/空想】生まれ故郷の話をしようか

そう、あの星では僕らは影に目を細め、
光に深く溶け込んだ。
青い花が咲いていたかって?
もちろんさ、見渡す限り揺れていた。
滴り落ちる朝露の一滴は淡く儚く砕け散り、
あの人の輝く髪が
風の中で蒼穹のように広がった。
もうこの世界にはない、
甘く狂おしい吐息に満ちた
僕らの魂が還るべきあの星ではね。

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