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【ショートショートのような詩のような】流れ星〜遅刻のシロクマ文芸部〜と日記

流れ星なんて必要ありません。

願い事をしないのかという彼に
私はそっと答えた。

私の願いは絶対、
叶うことがありませんから。

よりによって彼に
こんなことを言わなくてはいけないなんて、
世界はなんと残酷なんだろう。

大きく息を吐いた彼が微かに笑った。

そうか。
でもよかった。
きみはいつだって
この世界に興味がないように見えたから。
だから
どんな形にしろきみが
願望を持ってくれたことが嬉しいよ。
薄情だと思うかな?
でも本当に嬉しいんだ。

私は心の中で目を見開いた。
彼の言葉を反芻し、噛みしめる。
星の瞬きのように揺れる想い。

アナタノココロノナカニ 
カゲデモイイカラ
ウツリコミタイ

ねえ、いつか叶うかもしれないよ。
もう一度星が来たら願ってごらん。

私はいつものように目を伏せた。
了承の印だと受け取ってもらえるだろう。

そんな私には彼が言葉を重ねる。

本当なんだ。
流れ星は夢を叶えてくれるから。
だから。

私は顔を上げ
彼の目を見て口を開いた。
そんなこと、一度だってしたことはない。
けれどそうすべきだと思ったのだ。

そうかもしれませんね。
奇跡を信じるのも悪くない。

彼の目が、
大好きなその目が大きく見開かれた。
それから彼は、
それはそれは嬉しそうに笑った。

たとえどんな形にしろ、
あなたの心の中に
私という存在があったことが
何よりの奇跡、思い描いた以上の夢。

ほら、流れ星だ!

振り返って彼が笑う。
私は黙って空を見つめた。

流れ星に願いを。
誰にも決して言わないけれど、
満点の星々だけが知ってくれていること。



アメリカは週末&祝日で浮かれていたら
あら、今日は日曜日。じゃあ日本は……。

というわけで、すっかり遅刻ですが
せっかく書いたのでアップします。
NYはまだ9月1日の夜ですし。
(と書いて寝てしまって、今は月曜日の朝……)

実はもう数日、月末のフェスに向け、
同じパターンを刺繍し続けて
飽・き・て・ま・す。

なのでせめて文章くらいは、
いつもと違うものを書きたい。
ショートショートなんてどうだろう。
そう思ってトライしたんですが……

果たしてこれはショートショート?
いつも同じ物語風の自由詩?
なんだかよくわからなくなりましたが
まあ、楽しかったし良しとします。

今月はこの後、イベント準備で
色々と不規則になりそうなので、
隙間時間を見つけて気分転換に
何かまた書けたらいいなと思います。



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