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【140字/空想】魅惑の逢瀬

擦り切れた本の、箔押しの凹凸を指でなぞる。
煌めきはとっくの昔に消えうせた。
それでも私は求め続ける。
そろそろ飛び込んでこいよ。
頁の奥から彼が笑った。
繰り返される逢瀬。
けれど同じ言葉の向こうに同じ世界は二度とない。
言葉の宇宙は瞬間ごとに生まれ変わって、
私を揺さぶり煽り決して離さない。

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