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とりあえず飴ちゃん
先日大阪出身で東京在住の友達がある出来事を話してくれた。
レストランの外でランチのテイクアウトを待っていたある日、突然ボトッと背中に鳥のフンが落ちて来てしまい、その時周りにたくさんの人達がいたのにも関わらず、みんな見て見ぬ振りをして、誰も声を掛けてくれなかったことがショックだったそうだ。
同時に、彼女は「きっと大阪では『お姉ちゃん、鳥のフンついてるで〜』と誰かが声を掛けてくれるだろうし、ティッシュをくれたり、助けてくれるだろうなぁ」と違いを感じた。
このエピソードをきっかけに、その友達とクラブハウスで「親切」をテーマに日本国内や日本と海外における違いや共通点を話すルームを立ち上げることになった。
当日日本や海外で経験した親切や自分がした行動をお互いに共有していた時、その友達が、ある大雨の日に小学生位の男の子が傘もささずに泣きながら歩いていたので、すかさず駆け寄り、傘をさして一緒にその子のマンションまで歩いてあげたことを話した。そして、その事を友達に話すと、驚いたことに「そんなの危ないからやっちゃダメだよ」といった反応が返ってきたと言うのだ。誘拐したと思われたり、変な事件に巻き込まれる可能性があるから、すぐその場で警察に電話するべきだったと。その時にふと大阪在住の参加者さんが言った。
「泣いている子がいたら、とりあえず飴ちゃんだよね。」
飴ちゃん。
関西人ではない私にとって、その新鮮な言葉の持つ軽やかさや柔らかさに心が温まり、思わず微笑んでしまった。
Here, have a candy.(はい、とりあえず飴ちゃん。)
人が悲しい時、先ずは気持ちを受け止めて、寄り添う。時に人は慰めの言葉より飴ちゃんで癒される。
いつか大阪に住んでみたいなぁと思った。
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