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枯山水の上を猫が歩くと「枯にゃん水」に!猫の足跡によって砂を荒らされた日本庭園→逆に芸術性が高まったとSNSで大反響

水を使わずに石や砂で自然の美を表現した日本庭園のことを「枯山水(かれさんすい)」と言います。

枯山水は素朴で慎み深く、日本の風情を感じられる風景ですが、その多くは屋外に作られているため、当然猫ちゃんが訪れることも。そして猫の手にかかれば、人間では表現し得ない芸術性を帯びてくることもあるようです。

写真家の阪 靖之(さか やすゆき)さんが冬のある日、広島県のお寺を訪れたところ、駐車場に造られた枯山水で猫を発見。その様子を捉えた写真には猫がうーんと気持ちよさそうに伸びをしている姿が写っていますが、周囲の砂の上には、トコトコ歩いたと思しき猫ちゃんの足跡がくっきりと残されています。

猫の足跡も芸術的?(写真提供:阪靖之さん)

砂を使って海や川の流れを表現する砂紋(さもん)は、枯山水を構成する重要な要素の一つ。

この枯山水にもお寺の人が無心でひとつひとつ丁寧に描き上げたと思われる砂紋が描かれていて、普通であれば足を踏み入れてならない場所ですが、猫にとってそんな事はお構いなし。しかし、一見すると美をかき乱しているような足跡も、視点を変えればそこに静かな奥深さを見出すこともでき、捉え方によっては日本の美意識である侘び寂びが表現されているかのようでもあります。

この写真が「枯にゃん水」というコメントと共にSNSのX(旧Twitter)へ投稿されると、12,000件を超えるリポストと50,000件の”いいね”を獲得。写真を見たユーザーからは「素晴らしい作品です」「風情がありますにゃ」「芸術家だ」「どうかこのまま残して欲しい」など、猫の足跡による芸術性を高く評価するたくさんのメッセージが寄せられて大きな反響を呼んでいます。

この日は、猫を撮るためにお寺を訪れていたという撮影者の阪さん。現場の環境について聞いてみると、もともとこの場所では4〜5匹ほどの猫ちゃんが暮らしていて、枯山水が猫の足跡で荒らされているのは珍しいことではないと言います。

写真に写っている猫ちゃんもその中の一匹で、枯山水の中を自由に散歩している途中に阪さんの方へ寄ってきたので、よしよしと撫でてあげると気持ちよかったのか、うーんと伸びをしたポーズを披露。写真家としてその瞬間が特別な状況だと気づいた阪さんは、猫ちゃんが伸びをしている間に急いで足跡が入るよう構図を決めてシャッターを切ることに。そうして撮影されたのがXに投稿された写真なのだとか。

侘び寂びを感じる「枯にゃん水」

枯山水の中にこんな可愛い猫ちゃんがいたら周囲がザワつきそうなものですが、訪れたタイミングが朝だったため他に人はおらず、阪さんが「枯にゃん水」を独占。一方の猫ちゃんも芸術作品を仕上げて満足したのか、この後ごろりと寝転がってから、段ボールでできたベッドに帰って行ったのだそうです。

撮影者の阪靖之さんは、もともとカメラ雑誌を見ながら独学で写真を学び始め、鉄道やスナップ、花などを撮影する傍ら、猫カレンダーに応募するため写真を撮ったことをきっかけに猫の撮影も開始。これまでに様々なグループ展に猫の写真作品を出品しているほか、現在は「まちかどの猫カレンダー2024」を発売中。

自身のSNSでは街角で見かけた猫たちの情緒あふれる写真を日々公開しています。


取材協力:阪 靖之(@yasuyuki_saka)さん
記事転載元:https://cat-press.com/cat-photos/kare-nyan-sui

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