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丑三つ時、ワン切りの怪

深夜というのは私にとって、何も起こらない「自分だけの時間」だ。
母も寝てるし、家族も寝てるし、もし何か起きるなら朝方以降。とにかく夜10時を過ぎてしまえばひと安心なのだ。

最近は大抵、漫才の動画を延々と見る。お気に入りは中川家、ナイツ、華丸大吉、ブラマヨ、和牛、とろサーモン、かまいたち、ミキ。
寝る時もYoutubeでBGM用の漫才を流しながら寝る。すぐ眠りに落ちることができる。何も考えなくていい、幸せな時間だ。

しかしたまに、稀に、松本人志のすべらない話→ゾッとする話と流れてしまうことがある。そして、ここ数日その流れにハマってしまっている。
誰もいない暗い居間でゾッとする話を聴くのはほんとに楽しいけども、あるところを超えると怖くて動けなくなる。仕方ないので猫を抱いてトイレに行く。昨夜動けなくなったのは、狩野英孝がある心霊ロケ現場で撮ったエスパー伊東の写真を見た時だった。

その写真はすでに見たことがあって、最初は「なつかしいな」と思った程度だった。顔の右半分がずるっと崩れている、なかなかに薄気味の悪い写真だ。しかし突然思い出した。

エスパー伊東、謎の病で立てず歩けずまともに話せずで休業中じゃないか。

その時の会見、気の毒を通り越してゾッとしたのを思い出した。思わず画像を検索した。顔の右半分、麻痺しているように見える。

心霊スポットで撮った写真のなかで顔の右半分が崩れた人が、やっぱり顔の右半分が麻痺して謎の重病で倒れた。
けっこうな時間が経過しているとはいえ、急に気がついたから「うわああ」となっていたら、突然、大音響で鳴る着信音。

心臓止まるかと思った。
あの人からじゃありませんように、と思った。
すぐ切れますように、とも思った。
幸いすぐ切れた。でも残念ながら、あの人、つまり母だった。

夜中の2時とか3時とかに突如ワン切りされることがある。
母は何をしているのだろうか。

怖いから考えない。

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