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キク・ヤマタ『八景』

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1897年、在リヨン日本領事の山田忠澄とフランス人の妻マルグリットの間に生まれた山田菊(キク・ヤマタ)は、戦間期にはヴァレリーをはじめとするフランスの文人たちと交流しながら日本を… もっと読む
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記事一覧

山田菊『八景』序文「事のいきさつ」

(凡例はマガジンのページをご覧ください) 「おばさん、一緒に来てください。鳥を買いたいの…

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山田菊『八景』第一部「宮島」

(凡例はマガジンのページをご覧ください) 神殿の島霧のなか聖なる島に船が着く。艶の出た桟…

山田菊『八景』第二部「東京」(前半)

(凡例はマガジンのページをご覧ください) 鳥の羽ばたき大きな灰色のしみが、鬱蒼とした日本…

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山田菊『八景』第二部「東京」(後半)

(凡例はマガジンのページをご覧ください) 公園芝 齢千年の墳丘の上に、鳩小屋の軒を積み重…

山田菊『八景』第三部「京都」(前半)

(凡例はマガジンのページをご覧ください) 東海道それは百年来の街道だ、侍たちを従えて漆塗…

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山田菊『八景』第三部「京都」(後半)

(凡例はマガジンのページをご覧ください) 盲目の皇子の寺琵琶湖へ行く途中に開けた場所を見…

山田菊『八景』第四部「山々」

(凡例はマガジンのページをご覧ください) 日光わが恋は 知らぬ山路に あらなくに 迷ふ心ぞ わびしかりける 貫之 杉の長い闇、この植物の列は柱や桁まで続く、緑を脱がされ、枝葉を落とされ、金に飾られ、漆を塗られた、精気のない動かぬ植物だ。 美しき森の柱廊は、長く緩やかに、彫刻を施された山、日光へと至る。 震える柱、華厳の滝は、透明な二段目の高台、中禅寺とその湖を支えている。 流れる早瀬をさらに少しずつ遡ると、最後の高原、湯元に出る、そこから虹が伸び、卵の臭いのする温泉

山田菊『八景』第五部「浜辺」

(凡例はマガジンのページをご覧ください) 鎌倉まどろまじ 今宵ならでは いつか見む くろと…

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山田菊『八景』第六部「松島」

(凡例はマガジンのページをご覧ください) 日本の北、太平洋に面して、とてつもなく反対の世…

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