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拓け、名門の新時代~高校野球ハイライト延長戦11日目・八幡商業

監督交代がこれほど衝撃ニュースとして広がる公立高校は八幡商業ぐらいだろう。1987年に就任し、夏4連覇も成し遂げた林勝さんが15年。2002年に就任し、甲子園で帝京と名勝負を繰り広げた池川準人さんが19年。「平成を2人で乗り切っていただいた」と笑う小川健太監督も池川さんと同じ八幡商業OBだ。

母校の監督就任は重圧と背中合わせでもある。春の取材日も練習グラウンドには多くのOBが駆け付け、「監督、あの相手には…」「最低この辺やな!」と熱い言葉を掛けた。ただ本人は「覚悟はできている」とさわやかな笑顔。この人柄が期待感を高めさせる。

監督として初めて挑んだ夏は3回戦で近江に敗退するも、何度も同点に追いつき粘りの姿勢は見せた。「試合の流れを読みながら、相手にプレッシャーを掛けていた。主体的に戦うチームに変わるきっかけをくれた」。監督が交代する難しい流れの中、北浦優樹主将を中心に奮闘した3年生を労った。

「時代も変わった。もう一度強いチームを作り、甲子園へ勝負する」。選手を上手く乗せる林イズム、覚悟と厳しさに理論を加えた池川イズム。間近で見てきた全てをブレンドし、令和に就任した新監督は虎視眈々と名門復活を狙う。

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