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再生工場、稼働中!~高校野球ハイライト延長戦3日目・日野

滋賀県内の「町」には日野と愛知しか高校がない。おととしのベスト8が記憶に新しい日野でも、本格的に野球をするには通学環境などの苦労も多い。谷口顕監督によると、推薦制度があっても腕に自信がある選手の入部は少ないという。

だからこそ、谷口監督は選手の背中を押し続けている。「頑張れるのは高校が最後。せっかくだから一生懸命やってみないか」。中学時代に控えだったり、硬式を経験していなかったりした選手であっても、真正面から再チャレンジすることの大切さを訴えてきた。

今のチームで主軸を打つ2年生の本島勇輝は、高校1年の秋に野球部入りを決めた。中学の途中で一度は離れた野球だが、遅れたスタートを努力で巻き返し、レギュラーの座をつかんだ。谷口監督の言葉を借りれば「日野再生工場」の象徴とも言える。

きょうの試合は、中盤にミスが絡んでリードを広げられるも徐々に挽回。名門相手にあと一歩まで迫った。本島はタイムリーを含む2安打。3年生もほとんどの選手がヒットを放った。「悔しいけれど粘り強く頑張った。褒めてやりたい」。チャレンジ精神を失わなかった選手たちの成長に、試合後の工場長は目を細めた。

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