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コミュニケーションの始点は自己共感と自己理解から

昨年、各社でハラスメント研修やコンプライアンス研修の研修講師をしていて感じたのは、土台の「コミュニケーション」の改善が先決ではないか?ということでした。

どうしても弁護士が研修講師をすると、法律・ガイドラインの説明や判例紹介など法律上のリスクを伝える(脅す)内容になってしまい、それはもちろん重要なことなのだけど、研修の最後は、前向きな明日からできる小さな一歩を考えてもらう内容にしたいなと考え、コミュニケーションに関する研修を受けてみました。

ちなみに、「コミュニケーション能力は、鍛えないと養われない。」という言葉も心に残っていて、一度きちんと学んでみたいと思っていたことも動機の一つでした。

受けた研修は、
株式会社クオリア主催 酒井麻里先生 オーセンティック・コミュニケーション入門講座。
『オーセンティック・コミュニケーション』とは、NVC(Nonviolent(非暴力的) Communication)の知見をビジネス向けに再編し、職場の関係性の質を向上させ、組織内に本質的な変化を起こすコミュニケーション手法です。

率直に自分のニーズを伝え合い、共感的に聴き合い、心理的安全性を育み、質の高い共感性を磨くことにより、多様な人とのより本質的なコミュニケーションができるための具体的な手法について学びました。ダイバーシティ&インクルージョンの土台でもありますよね。

私は初心者でしたが、受講者の方が熱心な方ばかりで、グループワークをはじめ非常に質の高い意見が交わされて、大変有意義な講座でした。

さて、その中で、強烈に印象に残ったことは、「自分とコミュニケーションがとれていない人が多い。」という言葉。

自分とのコミュニケーションは、自己共感、自己理解とも言い換えられます。
「自分が発する言葉、行動、それを生む感情、さらにその奥にある考え・解釈、価値観、ニーズという各段階を観察して把握することができること」とも言い換えられます。

パワーハラスメントをする上司は、自分自身が何かに怯えていたり、焦っていたり、満たされない状態にあるのかもしれません。

コミュニケーション能力を養うには、まず、自己受容・自己理解(I)。そして、相手(You)とのコミュニケーション、さらに、組織(We)の中のコミュニケーションという順番だそうです。

自分のチーム間のコミュニケーションや部下とのコミュニケーションに悩んでいる方も多いかもしれませんが、まずは、自分との対話・自分の観察ができているかを確認してみることは大事だと思います。

私の場合、周りとのコミュニケーションがうまくいかないときは、疲れすぎていたり、難しい案件を抱えていて心に余裕がないときなので、最近は、まずは、自分ができるところからと、睡眠時間を確保、運動をして体調を整えるなど自分自身が心地よく感じていられる環境づくりを意識しています。

とある会社さんの過去の研修資料を拝見していたところ、ハラスメントやメンタルヘルスのテーマで産業医の先生が行われた研修の内容が「まずは、よく寝る。」と書かれてあって、やっぱりな!と思ったものです。

以前、友人が何気なく「この歳になったら、自分で自分の機嫌を取れるようになっておかないと。」といった言葉が印象的で、今も戒めとして心にとどめているのですが、同じことだなと。

なんか、部下や上司の言動にイライラするという方がいらっしゃったら、まずは、自分が疲れていないか、チェックしてみるといいかもしれません。

自己共感は、腹筋と一緒で、日々のトレーニングで鍛えられるそうです!


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