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リファレンスチェックって何だ?

皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
突然ですが皆さんは「リファレンスチェック」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
もしあなたが人材業界で働いている方、あるいは人事職のポジションにある方であれば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

最近、弊社の取引先からも選考プロセスの一環として、リファレンスチェックを求められるケースが増えてきました。そこで今回はリファレンスチェックについてみていきたいと思います。


リファレンスチェックとは?

まずは言葉の定義からですが、リファレンスチェックとは直訳すると身元照会(Reference Check)という意味になります。採用の場面では、企業が応募者や内定予定者に対して、履歴書や面接では確認できないような内容を調べるために行われる一連のプロセスを意味しています。

具体的には、前職や前々職の上司や同僚などに聞くのが基本で、今までの職場での勤務態度がどうであったか、仕事への取り組みや実績がどんな様子だったかなどを確認するというのが一般的です。

このリファレンスチェックは従来は外資系企業で行われることが多かったのですが、最近では日系企業でも導入している会社が増えてきています。

またこれは、いわゆる「身辺調査」とは明確に異なるので注意が必要です。身辺調査は第三者機関に犯罪歴や家族関係などについての調査を依頼することを意味し、これは昨今の個人情報保護法の厳格化などの流れもあり、実施するのはかなり難しくなっているのが実情です。

加えて、リファレンスチェックが応募者本人の事前の同意を得て行うのに対してこうした身辺調査などは本人の同意を得ないで行われることが多いのでその点、プライバシーの侵害や道義的な観点でも問題になる可能性がある点は留意をしておくべきポイントです。

リファレンスチェックはなぜ行われるのか?

それではリファレンスチェックはなぜ行われるのでしょうか?リファレンスチェックを行う理由は主として以下の3つがあります。

《リファレンスチェックを行う理由》
■書類・面接でわからない部分を確認する
・リファレンスチェックを行う最も典型的な理由は、履歴書や職務経歴書などのレジュメや面接をしただけではわからない応募者の人物像を正しく把握すること
です。書類に書かれているわずかな内容や30分から1時間程度の面接で応募者がどんな人なのかを深く理解するのは容易ではありません。その不十分な点を補う位置付けとしてリファレンスチェックは行われます。

入社後のスキルや経験のミスマッチを防ぐ
リファレンスチェックでは、今までの職場でどのように仕事で能力を発揮してきたか、人間関係をどのように構築してきたかといった点を確認することで入社後のミスマッチを防ぐという狙いもあります。

■リスクの最小化
・例えば、リファレンスチェックを行うことで、休職など応募者が申告していないことを発見できる場合があります。このように応募者が言いにくいことやそもそも申告していない情報を確認することで企業として想定外のリスクを防ぐということもリファレンスチェックを行う理由の一つです。

 

リファレンスチェックの流れ

以上のようなリファレンスチェックですが、実際にはどのような流れで行われるのでしょうか?
まずは応募者に対してリファレンスチェックを行うことに対する承諾をとるところからスタートします。

その後はその応募者から以前一緒に働いていた方(通常は前職や前々職の上司、企業によっては同僚でもOKのケースもあります)を最低2名以上推薦してもらい、リファレンスチェックを行っていくという流れが一般的です。

ここで問題となってくるのは、「誰がリファレンスチェックを行うのか?」ということです。これは企業によっても異なりますが、応募先の企業や転職エージェントが行うのが一般的です。

因みに、弊社、カタリストエージェントではリファレンスチェックを代行していません。

それは私の考えとして候補者を紹介しているエージェントが行うリファレンスチェックではどうしても客観性を欠くと思いますし、選考結果に対する責任を持てる立場でもないと考えているからです。

応募者がリファレンスチェックを受けるメリットは?

ここまで企業から見たリファレンスチェックについて見てきましたが、応募者にとってリファレンスチェックを受けるメリットはあるのでしょうか?

先ほどの流れで見たように通常は前職の上司や同僚などにリファレンスチェックをお願いすることが多いのですが、しっかりと自分の事を理解してくれており、かつポジティブに話してくれる人を選べば選考においてもプラスになりうるという点はメリットの一つです。

このことは、面接などの情報を補うという点では企業のみならず、応募者も同様であるということです。その意味では誰にお願いするかということは十分に考える必要がありますし、更には自分を推薦してくれるような上司や同僚との関係を日頃から作っておくことがとても重要です。

リファレンスチェックを効果的に行う重要性

最後にリファレンスチェックについては選考プロセス上、効果的に行うことがとても重要だと思います。例えば、応募者が自ら選んできた人に対して、リファレンスチェックを本当に適切に行えるのか?という事を考えればそれだけでも実施する側に高度なノウハウの蓄積が必要であったりします。

また、リファレンスチェックのプロセス自体に(複数の相手が関係するために)とても時間がかかるケースもあり、その結果、選考がスピーディーに進まないというケースもあります。そうなれば、本末転倒です。

以上のように、リファレンスチェックを適切に行っていくということは実はとても難しいものだと思います。ただ単に他の企業が行なっているからとか、親会社から言われたからなどのようにリファレンスチェック自体が目的化しないように是非、実施する企業は考えて欲しいと思います。

転職・採用に関するご相談はお気軽に弊社までお問い合わせ下さい。




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