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大患難時代(後半)

地の王たち、高官たち、千人隊長たち、
金持ちたち、力ある者たち、
すべての奴隷と自由人が、
洞穴と山の岩間に身を隠した。
そして、山々や岩に向かって言った。
「私たちの上に崩れ落ちて、
御座に着いておられる方の御顔と、
子羊の御怒りから私たちを隠してくれ。」
(黙示録6章15-16節)
地の王たち、高官たち、千人隊長たち、金持ちたち、力ある者たち、
すべての奴隷と自由人
とは、指導者層、エリート、特権階級なので
世界経済フォーラムに喜んで参加している
….. そういう類いの人たちでしょう。
シュワブにファウチ、ザッカーバーグにゲイツ、
オバマもバイデンも、そして竹中平蔵までもが
洞穴と山の岩間に身を隠し
山々や岩に向かって言
います。
私たちの上に崩れ落ちて
私たちを隠してくれ
….. 
こんな様子が想像できるでしょうか?
ちょっと観てみたいと思うのは
筆者だけでしょうか?

上記は大患難時代の前半に起こること。
前半を少し読んだだけでも
携挙で取り残されると
「生活用品の備蓄程度では十分でない」ことが
分かっていただけるかと思います。
執筆時点(2024年3月)でも
生きづらさは相当なものですが
これから始まる患難時代は
今の比ではありません。
世界に背を向けて
逃げ出したいほどの禍とは
どのようなものなのでしょう?
なぜ、今救われることを勧めているか
少しでも分かっていただければ幸いです。

さて、大患難時代後半の3年半が始まります。

鉢の裁きへの序章 - 黙示録15章


1 また私は、天にもう一つの大きな驚くべきしるしを見た。七人の御使いが、最後の七つの災害を携えていた。ここに神の憤りは極まるのである。 2 私は、火が混じった、ガラスの海のようなものを見た。獣とその像とその名を示す数字に打ち勝った人々が、神の竪琴を手にしてガラスの海のほとりに立っていた。 3 彼らは神のしもべモーセの歌と子羊の歌を歌った。「主よ、全能者なる神よ。あなたのみわざは偉大で、驚くべきものです。諸国の民の王よ。あなたの道は正しく真実です。 4 主よ、あなたを恐れず、御名をあがめない者がいるでしょうか。あなただけが聖なる方です。すべての国々の民は来て、あなたの御前にひれ伏します。あなたの正しいさばきが明らかにされたからです。」

黙示録 15:1-4

 1節では、7人の天使達が7つの鉢を携えているシーンが描写されます。ここに神の憤りは極まるという言葉の重みを感じていただけるでしょうか。登場する7人の天使達は、神の怒りを地に注ぎます。これにより、地の裁きが完成されます。その裁きの厳しさは、想像を絶するものになると、念を押されているわけです。

 2-4節には、大患難時代に入って殉教した聖徒達の姿が神の竪琴を手にしてガラスの海のほとりに立っていたという描写があります。絵画的な光景です。彼らは獣の刻印を受けとらず、反キリストの前に膝を屈しなかった者達です。死を恐れず、立ち向かった彼らは、二つの歌を歌います。一つはモーセの歌(出エジ15章1-18節)、もう一つは子羊の歌です。

黙示録15章2節

5 その後、私は見た。天にある、あかしの幕屋である神殿が開かれた。 6 そして七人の御使いが、七つの災害を携えて神殿から出て来た。彼らは、きよく光り輝く亜麻布を着て、胸には金の帯を締めていた。 7 また、四つの生き物の一つが、七人の御使いたちに七つの金の鉢を渡したが、それには世々限りなく生きておられる神の憤りが満ちていた。 8 神殿は、神の栄光とその御力から立ち上る煙で満たされ、七人の御使いたちの七つの災害が終わるまでは、だれもその神殿に入ることができなかった。

黙示録 15:5-8

 5-8節では、一連の裁きを含んだ7つの鉢が7人の天使達に渡されます。結果、天の聖所は神の栄光(シャカイナグローリー)に満たされます。これにより、鉢の裁きが地に注ぎ終わるまで、誰も聖所に入ることができなくなりました。そして16章1節で、いよいよ7つの鉢の裁きが地に注がれます。ただ、この光景は、地上からは見ることができません。この時、天にいる者だけが目にする光景です。

黙示録15章6節

I. 鉢の裁き

第一の鉢 - 黙示録16章2節

第一の御使いが出て行き、鉢の中身を地に注いだ。すると、獣の刻印を受けている者たちと獣の像を拝む者たちに、ひどい悪性の腫れものができた。

黙示録16:2

 最初の鉢の裁きは、獣の刻印を受けている者にのみに起きる悲劇です。ひどい悪性の腫れものとは、皮膚にできる潰瘍か、悪性の腫瘍と考える現代の聖書学者がいます。現代における悪性腫瘍とは、生体の自律制御を外れて自己増殖する細胞集団を指す言葉です。腫瘍のうちで周囲の組織に浸潤して転移するものの総称で、がんのように死亡につながることも多いものを指します。が、必ずしも同じとは言えません。聖書の解釈を現代に引き寄せて考えると見誤ることが多いで注意が必要です。

 旧約聖書に登場する、これに似た症状には、エジプトを襲った「膿の出る腫物」や、ヨブを苦しめた悪性の腫物などがあります。

8 主はモーセとアロンに言われた。「あなたがたは、かまどのすすを両手いっぱいに取れ。モーセはファラオの前で、それを天に向けてまき散らせ。 9 それはエジプト全土にわたって、ほこりとなり、エジプト全土で人と家畜に付き、うみの出る腫れものとなる。」 10 それで彼らは、かまどのすすを取ってファラオの前に立ち、モーセはそれを天に向けてまき散らした。すると、それは人と家畜に付き、うみの出る腫れものとなった。

出エジ 9:8-10

6 主はサタンに言われた。「では、彼をおまえの手に任せる。ただ、彼のいのちには触れるな。」 7 サタンは主の前から出て行き、ヨブを足の裏から頭の頂まで、悪性の腫物で打った。 8 ヨブは土器のかけらを取り、それでからだを引っかいた。彼は灰の中に座っていた。

ヨブ 2:6-8

 こうした痛みを伴う、ただれや腫れ物などの記述は、確かに現代的な皮膚病や癌を指していると解釈することも可能ですが、聖書の時代、特に旧約時代には、現代医学用語は存在しないため、現代的な疾病や症状に当てはめるには無理があります。うみの出る、あるいはからだを引っかいたなど症状や所作から推し量るしかないでしょう。いのちに関わる病ではないかもしれませんが、辛い症状であることは確かです。

 大患難時代前半の第五のラッパの裁きでは、信者以外の人(未信者も含む)に対して、死にたくても死ねない苦しみが与えられましたが、ここでの苦しみは獣の刻印を受けている者たちと獣の像を拝む者たちに限定されます。裁きとしての腫れものですから、一般的な湿疹や蕁麻疹など軽い症状のものを想定しない方がいいでしょう。

黙示録16:2

第二の鉢 - 黙示録16章3節

第二の御使いが鉢の中身を海に注いだ。すると、海は死者の血のようになった。海の中にいる生き物はみな死んだ。

黙示録16:3

 二つめの鉢は、海に対する裁きです。聖書では「塩」は裁きの象徴として用いられており、創造の時点で既に、海は罪に対する裁きの象徴でした。海は人間の罪や悪の影響を受けやすい場所ですが、一方で神の目から隠れていると思われる場所でもあります。むしろ、目をつぶり、見過ごされていたのかもしれません。海が血に変わることは、神の怒りや憤りを表しており、海洋生物が全滅することは、神の恵みや慈しみが最早消え失せてしまったことの表れです。人間や他の生き物にとっても耐え難いものとなります。

 これに似た現象は、聖書の「出エジプト記」第7章に記されています。モーセとアロンが、エジプトのファラオの前で行った奇跡の一つです。モーセが杖を振り上げてナイル川の水を打つと、水はことごとく血に変わり、川の魚は死に、川は悪臭を放ち、エジプト人はナイル川の水を飲めなくなったとあります。このことによって、わたし(聖書の神)が主であることを知る、とあるとおり、神の力と主権を示す出来事でした。

 モーセの場合は飲み水が影響を受けましたが、黙示録で裁きを受けるのはです。この時以降、海には生き物が棲めない状態になります。第二のラッパの裁きでは、海の1/3が血に変わりました。ここでは残りの海水が影響を受け、海の生物が死に絶えます。

黙示録16:3

第三の鉢 - 黙示録16章4-7節

4 第三の御使いが鉢の中身を川と水の源に注いだ。すると、それらは血になった。 5 また私は、水をつかさどる御使いがこう言うのを聞いた。「今おられ、昔おられた聖なる方、あなたは正しい方です。このようなさばきを行われたからです。 6 彼らは聖徒たちや預言者たちの血を流しましたが、あなたは彼らに血を飲ませられました。彼らにはそれがふさわしいからです。」 7 また私は、祭壇がこう言うのを聞いた。「しかり。主よ、全能者なる神よ。あなたのさばきは真実で正しいさばきです。」

黙示録 16:4-7

 第三のラッパの裁きでは、飲み水の1/3が血に変わりました。そしてここでは、残りの飲み水が影響を受けます。ただし影響を受けるのは、川と泉であって、井戸の水や貯水池は無傷で残ります。第二の鉢の裁き同様、水が血に変わることとは、神の力と主権を示す出来事です。

 裁きの理由は、預言者や聖徒たちの血を流させた罪に対する報復で、神の裁きの正しさを明らかにするため、と記されています(5-7節)。これで海も、その海に流れ込む川の水も血の色に染まります。飲み水を求めて川に集まる野生動物たちも死の影に怯えることでしょう。

黙示録 16:4

第四の鉢 - 黙示録16章8-9節

8 第四の御使いが鉢の中身を太陽に注いだ。すると、太陽は人々を火で焼くことを許された。 9 こうして人々は激しい炎熱で焼かれ、これらの災害を支配する権威を持つ神の御名を冒瀆した。彼らが悔い改めて神に栄光を帰することはなかった。

黙示録16章8-9節

 第四のラッパでは、太陽や月、星々など、天体の光源の1/3が影響を受けましたが、ここでは太陽の温度が上昇し、人間が焼き尽くされるほどになります。科学的に考えてみると、人が直接太陽に焼かれる可能性は低いと思われます。が、太陽からの放射線やフレア、さらには太陽の変化(黒点の活発化など)による影響は、地球や地球上の生命に大きな影響を及ぼす可能性は否定できません。ここ数年の異常なまでの夏の暑さや異常気象を鑑みると、この延長線上にある未来が垣間見えるかもしれません。

 この時点で人々はやっと、こうした状況が神から来ることを理解するのですが、決して悔い改めようとはしません。人間の罪深さ、罪に雁字搦めにされた状態の人間たちの絶望的な状態を痛感させられる記述です。

黙示録16章8節

第五の鉢 - 黙示録16章10節~11節

10 第五の御使いが鉢の中身を獣の座に注いだ。すると、獣の王国は闇におおわれ、人々は苦しみのあまり舌をかんだ。 11 そして、その苦しみと腫れもののゆえに天の神を冒瀆し、自分の行いを悔い改めようとしなかった。

黙示録16章10‐11節

 第五のラッパは、全部で五回あるうちの三回目の暗闇でしたが、ここに記されているのは四回目の暗闇に当たります。これにより、獣の王国全体が、暗闇に包まれ、トランスヨルダンの三地域を除く、全世界が暗闇に襲われます。人々の苦しみは増し加わるのですが、それでも人々は悔い改めようとしません。トランスヨルダンとは、ヨルダン川の東側にある地域のことです。歴史的には、旧約聖書の時代にはギリアデ、アンモン、モアブ、エドムなどの地域がありました。

人が暗闇を怖れることには幾つかの要因があります:

  1. 不確実性と未知への恐怖: 人間は「視覚」を主要な情報源として用います。暗闇は視覚からの情報を奪い、周囲の状況を把握しにくくします。このため未知のものや予期せぬ出来事への恐怖が増大します。

  2. 孤独感: 暗闇は孤独感を引き起こします。視覚的な接点がないために、他者や物事とのつながりを感じにくくします。

  3. 危険への恐怖: 暗闇は危険を覆い隠します。視覚からの警告がないため、危険に対する恐怖が増します。

  4. 想像力の暴走: 暗闇は想像力を刺激します。視覚情報がないため、人間の頭脳は自ら情報を補完しようとします。これが恐怖を生む物語やイメージを生み出します。

 その苦しみと腫れもののゆえに天の神を冒瀆していることから、この時点でもなお、獣の刻印を受けた人間は、腫れ物やのどの渇きに苦しんでいる様子が想像できます。

黙示録16章10節

II. ハルマゲドンの戦い

 いよいよとなる、大患難時代のクライマックスは、ハルマゲドンの戦いメシアの再臨です。これらに関係する聖書箇所は膨大ですが、ここではハルマゲドンの戦いを幾つかの段階に分けて、一つひとつみていきましょう。

 ハルマゲドンという名称は、様々な場所で、様々な状況で、人類最終戦争的な意味合いを含んで用いられていますが、来るべきハルマゲドンはまったく違うことが理解していただけるかと思います。

第六の鉢 - 黙示録16章12-16節 - i) メギドの丘に集結する反キリスト軍

12 第六の御使いが鉢の中身を大河ユーフラテスに注いだ。すると、その水は涸れてしまい、日の昇る方から来る王たちの道を備えることになった。 13 また、私は竜の口と獣の口、また偽預言者の口から、蛙のような三つの汚れた霊が出て来るのを見た。 14 これらは、しるしを行う悪霊どもの霊であり、全世界の王たちのところに出て行く。全能者なる神の大いなる日の戦いに備えて、彼らを召集するためである。 15 ──見よ、わたしは盗人のように来る。裸で歩き回って、恥ずかしい姿を人々に見られることのないように、目を覚まして衣を着ている者は幸いである── 16 こうして汚れた霊どもは、ヘブル語でハルマゲドンと呼ばれる場所に王たちを集めた。

黙示録16章12-16節

 第六の鉢の裁きが注がれると、ユーフラテス川が干上がります(12節)。こうして、反キリストの軍勢が大河を越えてハルマゲドンに集結します。聖書学者の中には、日の昇る方から来る王たちを「中国軍」と解釈する向きもありますが、これはラッパの裁きで登場する「二億の軍隊」の起源を「中国」と想定していることから派生しているようです。そもそも2023年調べでは、中国軍の兵士は234万人で、「二億」には全く及びません。聖書では「東方の国」とは常にバビロンやメソポタミア地方を指す言葉です。したがって、この王達は、メソポタミア地方から上ってきた王たちであると分かります。現代の中東情勢を鑑みると、イランやイラク方面からやってくると考えられます。「イスラエルを地上から抹消する」と息巻くイランの現行政権を見ると無きにしも非ず、ですね。

 反キリストは、同盟国の王たちに参戦するよう促します。この戦争は最終的なユダヤ人撲滅を目論む世界規模の戦争に発展します。これは「偽りの三位一体」(サタン・反キリスト・偽預言者)の働きによるもので、悪霊の働きが強くなり、戦いに乗り気でない王たちをも奮い立たせます(14節)。15節は信者に対する励ましです。16節ではヘブル語でハルマゲドンと呼ばれる場所が登場します。映画の「アルマゲドン」をはじめ、最終戦争、あるいは最終兵器的な意味合いで一般的に用いられていますが、本来はこの中東地域で将来起きる戦争を表す言葉です。

 ハルマゲドンの原語は「ハル・メギド」。「メギドの丘」という意味で、イズレエルの谷の西側に位置しており、現代では観光施設が隣接する場所です。筆者も二度、足を運んだことがあります。歴史的にも戦略的なロケーションで、イスラエル最大の谷に抜ける場所を守る要所となります。メギドの丘からイズレエルの谷全体を見渡すことができます。ガリラヤの低地である、この大きな谷に、ユダヤ人撲滅のため、世界中の軍隊が集結します。

 この低地で戦いは行われません。イズレエルの谷、メギドの山は、軍隊が集結するだけの場所で、実際の戦いは別の場所で行われます。 

メギドの丘の位置関係(右にガリラヤ湖、さらに右上にはゴラン高原でシリア国境付近)
黙示録16章16節

ii) 大都市バビロンの崩壊 

 反キリストは、悪名高い、あのバビロンを再建し、世界の首都として制定します。この都市は政治的な意味合いを持つだけでなく、経済の中心地としても栄えるようです。このバビロンは「奥義のバビロン(Mystery Babylon)」と記されているため、正確なロケーションは分かりません。おそらく、時が来るまで伏せられることでしょう。あくまで筆者の個人的な意見ですがこの場所は文字通り、イラクのバグダッドと考えます。EU諸国と考える人もいるようですが、これは近年、欧州に反キリストを連想させる建造物やしるしが多く確認できるためでしょう。

左がバベルの塔、右がEU議会ビル
CERNは、底知れぬ所に通じる穴(黙示9:1)のこと?
ドイツのペルガモン博物館には「サタンの王座(黙示2:13)」の現物が移設されている 

 ハルマゲドンの戦いが始まって間もない段階で、このバビロンが突如破壊されます。破壊に関しては聖書にも幾つか言及されています。

1 バビロンについての宣告。これはアモツの子イザヤが見たものである。 2 「はげ山の上に旗を掲げ、彼らに向かって声をあげ、手を振って、彼らを貴族の門に入らせよ。 3 わたしは、わたしに聖別された者たちに命じ、また、わが怒りを晴らす勇士たち、わが威光に歓喜する者たちを呼び集めた。」 4 おびただしい民にも似た、山々のとどろく音、集まって来る国々、王国のどよめく音がする。万軍の主が軍隊を召集しておられるのだ。 5 彼らは遠い地から天の果てからやって来る。全世界を滅ぼすための主とその憤りの器だ。

イザヤ13章1-5節

 この大都市バビロンに対して、多くの者が立ち上がります。彼らは反キリスト軍に敵対する勢力で、反バビロン勢力となります。目的は悪の大都市バビロンの破壊。都市の破壊に手を貸す者達は、わたしに聖別された者たちと呼ばれていることから、彼らが信者であることが分かります。異邦人の信者で結成された勢力。映画『スターウォーズ』に登場するレジスタンス軍のような立ち位置なのかもしれません。大都市バビロンの陥落は、ソドムとゴモラのそれと似ています。バビロンは悪霊たちの幽閉される場所となり、人が住めるところではなくなります。

18 その弓は若者たちを撃ち倒す。彼らは胎の実さえあわれまず、子どもたちにさえあわれみをかけない。 19 こうして、諸王国の誉れ、カルデア人の輝かしい誇りであるバビロンは、神がソドム、ゴモラを滅ぼしたときのようになる。 20 そこには永久に住む者もなく、代々にわたり、住みつく者もない。アラビア人もそこには天幕を張らず、牧者たちもそこに群れを伏させない。 21 そこには荒野の獣が伏し、彼らの家々には、みみずくがあふれる。そこには、だちょうも住み、雄やぎがそこで飛び跳ねる。 22 山犬はその砦で、ジャッカルは豪華な宮殿でほえ交わす。その時が来るのは近く、その日はもう延ばされることはない。」

イザヤ13章18-22節

 破壊に伴い、バビロンは悪霊たちの巣窟となります。再臨したメシアが治める千年王国の間、バビロンは悪霊たちが幽閉される場所となります。バビロンに対する裁きは、他と比べても重いものとなります。あっという間に燃え広がる火によって、この大きな街が滅ぼされる様子が描かれます。バビロン陥落後、バビロンに依存する者達の間で嘆き声が上がります。これらは主に以下のカテゴリーに収まります。①反キリストに従属した七人の王たち、②商人たち、③流通ビジネス関係者がこれに当たります。

9 彼女と淫らなことを行い、ぜいたくをした地の王たちは、彼女が焼かれる煙を見ると、彼女のことで泣いて胸を打ちたたく。 10 彼らは遠く離れて立ち、彼女の苦しみに恐れをなして、「わざわいだ、わざわいだ、大きな都、力強い都バビロンよ。あなたのさばきは一瞬にしてなされた」と言う。 11 また、地の商人たちは彼女のことで泣き悲しむ。彼らの商品を買う者が、もはやだれもいないからである。 12 商品とは、金、銀、宝石、真珠、亜麻布、紫布、絹、緋色の布、あらゆる香木、あらゆる象牙細工、高価な木材や青銅や鉄や大理石で造ったあらゆる器具、 13 シナモン、香料、香、香油、乳香、ぶどう酒、オリーブ油、小麦粉、小麦、家畜、羊、馬、馬車、奴隷、それに人のいのちである。 14 「おまえの心が欲しがる果物は、おまえから遠ざかり、ぜいたくな物や華やかな物は、すべておまえから消え失せて、もはや決して見出すことはできない。」 15 これらの物を商って彼女から富を得ていた商人たちは、彼女の苦しみに恐れをなして、遠く離れて立ち、泣き悲しんで言う。 16 「わざわいだ、わざわいだ、大きな都よ。亜麻布、紫布、緋色の布をまとい、金、宝石、真珠で身を飾っていたが、 17 あれほどの富が、一瞬にして荒廃に帰してしまった。」また、すべての船長、その場所を航海するすべての者たち、水夫たち、海で働く者たちもみな、遠く離れて立ち、 18 彼女が焼かれる煙を見て、「これほどの大きな都がほかにあっただろうか」と叫んだ。 19 彼らは頭にちりをかぶり、泣き悲しんで叫んだ。「わざわいだ、わざわいだ、大きな都よ。海に船を持つ者たちはみな、ここでその繁栄から富を得ていたのに、その都が一瞬にして荒れ果ててしまうとは。」

黙示録18章9-19節

 七人の王は、遠方から大都市バビロンの方向に立ち上る煙を見て、大いに嘆きます。彼らの富も地位もバビロンあってのものだからです。彼らはイズレエルの谷、メギドの丘から、その様子を覗い知ることになるのです。 この頃のバビロンは世界経済の中心地で、ビジネスや貿易が盛んな都市でした。ところが突如、この街が災難に見舞われます。王の富も商人たちの富も煙のように消えてしまいます。貿易で富を得ていた者たちも、都市を襲った突然の災害に声を失います。 

※参考聖句:エレミヤ50章~51章:破壊の様子。黙示録18章1-24節にも同様の内容が記されています。 

黙示録18章9節

iii) エルサレム陥落

 驚いたことに、反キリストと世界の同盟軍は、バビロン陥落の知らせを受けても、街に戻ろうとはせず、エルサレム進軍を推し進めます。反キリストは、サタンの意向を優先するためです。サタンの意向とは、ユダヤ人を地上から一掃すること、メシアの再臨を妨げることに他なりません。

1 宣告。イスラエルについての主のことば。天を張り、地の基を定め、人の霊をそのうちに造られた方、主の告げられたことば。 2 「見よ。わたしはエルサレムを、その周りのあらゆる民をよろめかせる杯とする。エルサレムが包囲されるとき、ユダについてもそうなる。 3 その日、わたしはエルサレムを、どの民にとっても重い石とする。すべてそれを担ぐ者は、身にひどい傷を受ける。地のすべての国々は、それに向かって集まって来る。

ゼカ 12章1-3節

1 見よ、主の日が来る。あなたから奪われた戦利品が、あなたのただ中で分配される。 2 「わたしはすべての国々を集めて、エルサレムを攻めさせる。都は取られ、家々は略奪され、女たちは犯される。都の半分は捕囚となって出て行く。しかし、残りの民は都から絶ち滅ぼされない。」

ゼカ 14章1-2節

 地のすべての国々は、それに向かって集まって来る(3節)。イズレエルの谷(メギドの丘)に集結した反キリスト同盟軍が南下して、エルサレムを包囲。イスラエルは、国家として1948年5月独立していますが、ここで再び、エルサレムが異邦人の手に落ちます。この際、エルサレム住民の半数は、捕虜となり、残りの半数は何とか生き長らえます。

 その日、わたしはエルサレムを、どの民にとっても重い石とする(ゼカ12:3)。サタンに発破をかけられ、自らを奮い立たせてきた反キリスト同盟軍ですが、なかなかエルサレムを陥れることがかないません。神御自身が介入され、残って戦うユダヤ人たちを強めるためです。反キリスト軍はかなりの痛手を被ります。神の介入は、4-9節に記されています:

4 その日──主のことば──わたしはすべての馬を打って驚かし、その乗り手を狂わせる。しかし、わたしはユダの家の上に目を見開き、もろもろの民のすべての馬を打ってその目を見えなくする。 5 ユダの首長たちは心の中で言う。『エルサレムの住民は、彼らの神、万軍の主によって私の力となる。』 6 その日、わたしはユダの首長たちを、薪の中にある火鉢のようにし、麦束の中にある燃えるたいまつのようにする。彼らは右も左も、周りにいるどの民も焼き尽くす。しかしエルサレムはなお、元の場所エルサレムに残る。 7 主は最初にユダの天幕を救う。ダビデの家の栄えと、エルサレムの住民の栄えが、ユダ以上に大きくならないようにするためである。 8 その日、主はエルサレムの住民をかくまう。その日、彼らの中のよろめき倒れる者もダビデのようになり、ダビデの家は神のようになって、彼らの先頭に立つ主の使いのようになる。 9 その日、わたしはエルサレムに攻めて来るすべての国々を根絶やしにしよう。

ゼカ 12章4-9節

 メシア再臨の前、エルサレムにおける戦いでは神御自身が介入され、この日、イスラエルはかつてのダビデ王のごとく強くされます。異邦人の軍勢は、エルサレムに攻め上り、ユダヤ人を一掃しようと目論見ます。ところが神は、イスラエルの指導者を薪の中にある火鉢のようにし、麦束の中にある燃えるたいまつのようにされ、周りの異邦人勢力を焼き尽くします。ミカ 4:11-5:1にも同様の記述がありますが、ここではその後の展開にも言及しています。エルサレムはここで、敵の前に陥落します。

11 今、多くの国々があなたに敵対して集まり、そして言う。「シオンは汚されるがよい。われわれはこの目でじっとそれを見ていよう」と。 12 しかし彼らは主の御思いを知らず、その御計らいに気づかない。主は、打ち場の麦束のように彼らを集められたのだ。13 「娘シオンよ、さあ、脱穀せよ。
わたしが、あなたの角を鉄とし、あなたのひづめを青銅とする。あなたは多くの国民を粉々に砕き、彼らの不正な利得を主のために彼らの財宝を全地の主のために聖絶する。」5:1 今、軍勢をなす娘よ、勢ぞろいせよ。包囲網が私たちに対して設けられた。彼らはイスラエルをさばく者の頬を杖で打つ。

ミカ 4章11節-5章1節

 イスラエル軍の反撃は、文字通り神がかっているのですが、最終的にはイスラエル軍は敗れ、異邦人勢力がエルサレムを制圧します。彼らは、指導者を捕らえ、その頬を杖で打つと記されています。さらに、ゼカリヤ14章2節にある通り、都は取られ、家々は略奪され、女たちは犯されます。エルサレム住民の半数は捕虜となりますが、残りの半数は逃げ延びます。この逃げ延びた人たちがイスラエルの希望となります。 

ゼカ 14章2節

iv) ボツラにおける反キリスト軍

 この段階では、ユダヤ人とその指導者たちの姿は、最早エルサレムには見られません。この時既に彼らは、ボツラ Bozrah (エドムの地で南ヨルダンにある現ペトラ)に移動しています。ハルマゲドンの戦いにおける、サタンの主要な目的は、ユダヤ人抹殺であるため、反キリストの軍勢は南下し、ボツラへと下っていきます。逃げ延びたイスラエルの指導者と民がそこにいるからです。

13 まことに、わたしは自分にかけて誓う──主のことば──。必ずボツラは恐怖のもと、そしりの的、廃墟、そしてののしりの的となる。そのすべての町は、永遠の廃墟となる。」 14 私は主から知らせを聞いた。「使者が国々に送られた。『集まって、エドムに攻め入れ。戦いに向けて立ち上がれ。』

エレ 49:13-14節

 イスラエルのレムナント(残れる者)たちを滅ぼし尽くそうと、諸国の軍は集結し、ボツラへと下ります。そしてこの時点で ….. 

 メシア再臨まで、あと3日。 

エレ 49:13節

(以下、キリストの再臨に続く)


※引用、および参考:

Dr. Arnold Fruchtenbaum; "The Footsteps of the Messiah: - Revised 2020 Edition"
・メッセージステーション ヨハネの黙示録講解メッセージ

文中聖書引用:
聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会




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