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ベルリン名物ホワイトアスパラガスの季節がやってきた

自転車の季節がやってきたわけですが、自転車だけじゃなくてベルリンにはホワイトアスパラガスの季節もやってきたのであります。

ホワイトアスパラガスといっても缶入りの臭いやつじゃございません、シュッとしてフレッシュなみずみずしいやつでございます。

灰色のベルリンの冬から徐々に太陽が出てくる日が増えてきて温かくなると「ああ、あともうちょっとでホワイトアスパラの季節だよね」という話題が出てくる。春の枕詞、ホワイトアスパラガス。ちなみにドイツ語だとシュパーゲル(Spargel)って言う。

日本ではあんまり話題にならないけど、ドイツでアスパラガスのことになると話題に上がるのが「尿が臭くなる」話。硫黄の混じった独特の匂いになるのだけれど、これはアスパラガスを食べて尿が臭くなる人とならない人、どちらもいる。これに関しては面白い記事を見つけたので、こちらをごらんくださいまし(人はアスパラガスを前に4つに分かれる 臭いおしっこの謎を追い求めた科学者たちの歴史)。

まだ4月のある日、彼氏と夜ごはんを食べながら「もうすぐホワイトアスパラガスの季節だね」と話していた。彼氏が2週間ほど海外に行ってしまうので「きっと戻ってくる頃にはホワイトアスパラガスが店に並ぶ頃だろう」と戻ってきた食べる約束をした。
4月の後半、ある日仕事から戻って彼氏の家に行くと、テーブルの上にはホワイトアスパラガスが置いてあった。なんと!ソースは何にするのか、という議論になり「いや、今日は単純にバターソースにしよう。」シュニッツェル用のパン粉に焼き目をつけ、バターレモンソースを作る。「シュパーゲル煮るのに砂糖も入れた?」もちろん、入れましたとも!

適当にナイフで切って、バターソースによくからめたホワイトアスパラガスはジューシーで少しだけ苦味があるけどバターの濃厚さとマッチしてとても美味しい。バターソースの他に、オーランデイズソース(卵黄とバターのソース)かなど議論をする。私は特製タルタルソースが好きだけれど!生ハムも買っておいてくれたので、一緒に頬張りながらトロけそうになる。

ちなみにベルリン、というかベルリン近郊のブランデンブルグ州はホワイトアスパラの名産地です。ブランデンブルグというのは元東ドイツだったところ。「東の頃はブランデンブルグで育ったアスパラはほとんどが西側に行ってしまって、一般の人の口に入ることはなかったんだ」と子供時代を旧東ドイツで過ごした彼は言う。「東の頃はブツブツ交換だよね。車直してくれるからその代わりアスパラくれるとか。」東側あるある、かなり興味深い。修理工は物資が結構集まってくるので「◯◯はあるか?」と聞いてみると「ちょっと屈んでみないとわからんがね」というのが返答だったらしい。この屈んでみる=床下に隠してある、という隠語だったらしい。笑える。

ベルリンの日曜は店が閉店しているので、土曜日に2日分の買い物をしなければいけない。金曜の夜のディナーにオーランデイズソースを出したので、「何か食べたいものはあるか?」と聞いたら「今週は絶対に絶対にシュパーゲルにオーランデイズソース、そしてジャガイモだな!」とリクエストが上がったので、はい。ホワイトアスパラガスとじゃがいも、バターも買ったぞ!

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