Solyanka
ベルリンのバビロニア、クロイツベルグを中心とした、ガイドブックには絶対載っていないリアルベルリンについて書いてます。うっかり住んでしまったところはディープな人種のるつぼだった…アート、ドラッグ、ヒッピー、ヒップスター、物乞いとビオライフ…ちょっと狂ったベルリン情報。
いまだコロナ禍のドイツで、なんとびっくり妊娠発覚。しかも44歳、○高(マルコウ)初産。異国で初めて尽くしの妊婦体験を綴っていきます。
愛用している平和の圧力鍋のパッキンがとうとうヘタレてきた。 かれこれ10年以上、一週間のお料理のうち何度も一緒にキッチンに立ってきた圧力鍋。そして、はるばる太平洋を3ヶ月に渡って私を追いかけてやって来て、舞台を日本からドイツに移して活躍している。 初めてドイツにやって来て、ダンボールの外に出してまずキッチンに持って行ってガステーブルの上にドンッと置いてみた。ルームメイトが来て「なにこの鍋?かっこいい」と言われてちょっと嬉しくなった。 もともと玄米を炊くために購入したんだ
我が家は1800年代後半に建設されたアルトバウ、と呼ばれる建物で、家は最上階。広さは大体100平米。ちょっと変な作りになっていて、大きな2つの大きな部屋、小さな部屋、そしてものすごく大きなキッチンから成っている。ちなみにこの小さい部屋は元キッチンだったのを、大きなキッチンへ彼氏がDIYで作り直してしまったそうだ。元キッチンというのはベッドを配置するには縦にも横にも少しだけ小さすぎ、そしてあって欲しくない場所に柱があり、寝室として使いたいのに全く役割を果たしてくれない、という超
2週間前まで30度とあんなに外が暑かったのに、先週からみんなニット帽を目深に被り、日本の冬のコートを着込んで道を行き来したり外でタバコを吸っている。通りでは木の実が道路にパチッパチッと音を立てながら落ちてくる。秋が来た。 2週間前の金曜日。あまりに暑くてエアコンをつけようか迷ったくらいだったのに、突然家中から「チュルチュルチュル〜」という音が流れ出した。耳をすます。音がする方向へ行ってみる。それはハイツング(セントラルヒーティング)の中のオイルが動きだす音だった。とうとう暖
集合住宅の階段室を、最上階にある彼の部屋に向かってノシノシと上がってくると、「チョット!」と呼び止められた…2階に住む一度も顔を合わせたことがないし話もしたことがないオマ(おばあちゃん)だった。 「あんたの彼氏に用事があるから呼んで来てちょうだい」とオマ。 「ああ、あのオマはなんでも知ってるからね。」と彼。 …おばあちゃん、初めて会うのになんで私のこと知ってるの?しかも私が通るのを待っていたかのように呼び止められた…この家の建物の人とこの数ヶ月の間、3人くらいしか会った
先週末、Karnival der Kulturen (Genetiv、2格複数形ですな)というベルリン5月のメイデーに続くめちゃの大きい毎年恒例イベントが開催された。 このKarnival der Kulturen=多重文化のカーニバルはドイツ、南米、アフリカなどあらゆる人種と文化が一体となって行われるお祭りで、1990年代、増大したドイツでの人種差別に対する平和な応酬として始まったイベントでベルリンにとっては大変意味深いお祭りなんであります。 朝10時、友達が家を訪ねて
ベルリンのほとんどの人が生活に充実感を感じているそうだ…ただし恋愛以外は。確かにベルリンは恋は出来るけど恋人を作るには一筋縄ではいかない。「もっとシングルを楽しみたい」「ひょっとしたらもっと素敵な出会いが出来るかもしれない」って思っているからなかなか恋人というゴールに辿り着くのは困難。 ベルリンも他の国でも「付き合いましょう」というセレモニーがないので、「私たち、一体どういう関係なわけ?」って思うことがある。自由恋愛がゆえ、おつきあいしているのかカジュアルな関係なのかの線引
春夏秋冬、とにかく関係なく、なんとなくドヨーンとした気分になった時、リラックスしたい時、ふ、と思いつく。 「あ、サウナに行こう。」 そんな時は、同じくクロイツベルグの端にあるTempodromのベースメント部分にあるLiquidromというちょっと近未来的異空間サウナに向かう。 Liquidromにはスチームサウナ、フィンランド式サウナ(90度)、ヒマラヤソルトサウナ、ケロの木パノラマサウナ(70度くらい)がある。それからわすれてはいけない死海プール。言わずもがな、プカ
ドイツにはドイツ人の大好きな食べ物がある。それはフレッシュチーズ、Quark(クワークまたはクワルク)っちゅう食べ物でドイツ人がドイツ料理を作るとなると何かと食卓に上がってくる。 それはフランスでいうと「Fromage Blanc」ってやつで、マガジンハウス信者だった私はOliveやanan、はたまたフィガロでパリ特集をするたびにフロマージュブランが出てくると食べたいと思った10代の若者だった。フランス料理屋でフロマージュブロンを初めて食べた10代後半、正直言って思ったより
自転車の季節がやってきたわけですが、自転車だけじゃなくてベルリンにはホワイトアスパラガスの季節もやってきたのであります。 ホワイトアスパラガスといっても缶入りの臭いやつじゃございません、シュッとしてフレッシュなみずみずしいやつでございます。 灰色のベルリンの冬から徐々に太陽が出てくる日が増えてきて温かくなると「ああ、あともうちょっとでホワイトアスパラの季節だよね」という話題が出てくる。春の枕詞、ホワイトアスパラガス。ちなみにドイツ語だとシュパーゲル(Spargel)っ
ドイツで軽食屋のことを「Imbiss」と呼ぶ。このインビス、ちっこい店形式の場合もあればスタンドや屋台の場合もある。学校の後、飲みに行く前後、クラブで夜遊び明け、はたまた日曜日でどこも開いていない時にいつでもウェルカムなインビスは人々のお腹と心の空腹を確実に満たしてくれる場所。 【ケバブ】ベルリンの典型的なインビス食のヒエラルキーの頂点に立っているのは間違いなく「ケバブ」。これ、実は意外にもベルリン発祥の食べ物。一番有名なケバブ屋はムスタファ(Mustafas Gemüse
ベルリンの典型的な週末、について既に先日書いたんだけど、今日は月曜。これは文字通りの月曜日なのか、それとも実際は「週末の続きの月曜日」なのかの評価は微妙となってくる。特に典型的な週末を過ごすベルリナーにとってはどっち側を取るのか大変難しい選択でもある。 月曜日。いくら遊びという遊びは全て好き、というベルリナーにとって、普通の文字通りの月曜日が来るということ、そしてそれを乗り越えなければいけないということ、月曜日という日は大変無慈悲なものである。学校の始まり、仕事の始まり、月
ある意味夢のような仕事なのか、それとも厳しい仕事なのか…ベルリンっ子が愛してやまないアイス屋さん「Eiscafe」が街に戻ってきた!3月中旬くらいから10月の中旬くらいまで営業し、「また春になったら会いましょう」という貼り紙をある日突然店の前に下げ、街から忽然と姿を消してしまう。なんでお店の前に特大アイスのオブジェが出て、シャッターが開き、自慢のアイスを店先のショーケース冷蔵庫の前に並べて営業が開始すると、「わー、お帰りなさい」とお店に入って大好きなピスタチオアイスをオーダー
ベルリナーはバイエルンが大嫌いである。南ドイツの鼻がかかった感じ、尊大な雰囲気、皮のパンツとあの帽子を見ると「ウゲーッ、最ッアク」と顔をしかめる。 特に今、ベルリンの数少ない住宅がお金持ちのバーバリアンに買い占められて、かつて東西ドイツ統一後のベルリンの自由なパーティーライフの代名詞だったプランツラウラーベルグ(旧東側)はシュバビロンと呼ばれ、南ドイツ出身のヤングペアレンツがパパやママに買ってもらったアパートに軍団で引っ越して、ひとつの村化している。ベビーカーと子供服とプレマ
ベルリンで数回目の長い冬を越し(住人になってからは数回目だけれど、この冬は何度も越したことがある)春をすっ飛ばしてまた新緑の季節がやってきた。ベルリンはサッカーの年は暑くなるのだそうだ。そういえば2016年も大変暑く、毎日30度越えみたいな感じだった。 さて、ベルリンで大切な日といえば東西ドイツ統一の秋、10月3日と5月1日メーデーである。エルストマイ(1stMai:ドイツ語のメーデー)はパンク精神の塊のベルリナーにとって正直大晦日よりもクリスマスよりももっと重要で意味のあ
ドイツにまた冬がやってきた! 朝起きたらいきなり雪が降っていた、というか積もっていて、キッチンが窓と床からじんわりと寒く、腕の外側や腰のあたりに冷気を感じる。こうなると朝ごはんに「フルーツヨーグルト」というわけにもいかなくなってくる。 コーヒーを淹れて、マグカップを片手にソファーでぼーっとしながら、「あ、豚汁食べたい」と思いつく。 お椀の中から豚肉と少し崩れかかったジャガイモが顔を出す豚汁が出す湯気をコーヒーが出す湯気を見ながら連想する。ああ、豚汁食べたい。 ところで
10月に入るあたりから、気温が急に下がって肌寒くなるベルリン。早いとこのあたりから暖房をこの秋初めて入れた、みたいなことを耳にしだす。 気温が下がってくると、急に日照時間も短くなってきて、朝は明るくなるのが本当に急に遅くなり、夕方も5時くらいには暗くなってしまう。そのうち、サマータイムが終わって、1日が1時間だけ、今までより早く進んでしまう。 日照時間が短くなると、話題になるのが「ビタミンD」の話。ビタミンDとはカルシウムを形成する際に必要になったり、ビタミンDが減ってし