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チャイニーズクラック(ラー油の話)

先週末、Karnival der Kulturen (Genetiv、2格複数形ですな)というベルリン5月のメイデーに続くめちゃの大きい毎年恒例イベントが開催された。

このKarnival der Kulturen=多重文化のカーニバルはドイツ、南米、アフリカなどあらゆる人種と文化が一体となって行われるお祭りで、1990年代、増大したドイツでの人種差別に対する平和な応酬として始まったイベントでベルリンにとっては大変意味深いお祭りなんであります。

朝10時、友達が家を訪ねてきて朝ごはんを一緒に食べたあと、「ああ、これからKarnival der Kulturenに行かなくちゃいけないからね」と帰っていった。午後、彼のルームメイトがフラーッと何処かに行って、手土産に蒸し餃子と胡麻団子を持って帰ってきた。

彼、ルームメイト、私と3人、ルームメイトの手作りの天然ビール酵母ジンジャーエール(ビール酵母で発酵させて炭酸を作ったジンジャーエール)を飲みながらお土産の餃子と胡麻団子をモグモグと食べる。

「ところで餃子って簡単に作れるの?」

…という話になったので、早速昨日休みだったので、米粉で餃子の皮を作ってベジタリアン使用の焼き小籠包を作った。

焼き小籠包にはコリアンダー、黒胡麻、リンゴ酢が良く合う。そして忘れてはいけないのがアジアンマーケットで売っているラー油である。ここベルリンのアジアンスーパーでは「寂しそうな中国人のおばさん印」と仲間内で呼んでいる中華食材のシリーズがある。ラー油に豆豉(黒大豆の塩漬け味噌)が入ったもの、ニンニクとこれでもかっつうくらいの唐辛子が漬け込んであるものなどがあるんだけれど、私たちが一番好きなのは通称「チャイニーズクラック」と呼んでいる唐辛子と四川花山椒が死ぬほど入っているやつ。リンゴ酢にオイル、中の具を半分に割った焼き小籠包の中に入れると死ぬほど後引き、ついつい、限界以上に食べ過ぎてしまう、という危険な食べ物なのだ。

昨日、ルームメイトの子が帰ってきた時、ちょうど私は焼き小籠包を作っていた。フライパンから焼きあがった焼き小籠包を目の前で早速かぶりつくルームメイト。「チャイニーズクラック、小籠包の中に入れなよー」というと、次に焼く前にお皿の焼き小籠包は彼のお腹の中に消えていた。焼いてるそばからなくなる…「ああ、もう一つ、あともう一つ…」ととうとう1時間かけて20個くらい食べていた(しかも1個は結構でかい)。「やめようやめようと思うんだけど、焼き小籠包を食べたいのかチャイニーズクラックがなせる技か分かんないけどやめられない…ああ、もうひとつ食べてしまおう」と大盛況だった。

友人の誕生日にこのチャイニーズクラックをあげたことがある。私たちの仲間内でハマっている「四川豆腐」という唐辛子スパイスに油揚げが漬け込んであるという恐ろしい食べ物がある。これを焼いて、チャイニーズクラックをどっさりかけて食べるのが彼女のお気に入り。これはやめられない。

チャイニーズクラックは一口目はあんまり感じない。食べていくと徐々にその味を感じだし、止まらなくなるのだ。蒸し鶏、豆腐、炒め物、チャーハンなどなんでも合う。とりあえず入れてしまいたくなる。

この24時間で既に半分のチャイニーズクラックがなくなってしまった…今でもめちゃ食べたい…恐るべし、チャイニーズクラック。

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