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ベルリンの典型的な月曜日の朝

ベルリンの典型的な週末、について既に先日書いたんだけど、今日は月曜。これは文字通りの月曜日なのか、それとも実際は「週末の続きの月曜日」なのかの評価は微妙となってくる。特に典型的な週末を過ごすベルリナーにとってはどっち側を取るのか大変難しい選択でもある。

月曜日。いくら遊びという遊びは全て好き、というベルリナーにとって、普通の文字通りの月曜日が来るということ、そしてそれを乗り越えなければいけないということ、月曜日という日は大変無慈悲なものである。学校の始まり、仕事の始まり、月曜日は元気いっぱいに始めます!みたいな人はもちろんいなくてみんな眉間にしわを寄せながら覚悟を決めてベッドから出る。

8時。まず、眉間にしわを寄せながら手巻きタバコを巻く。タバコがないとベルリナーは何も始められないし終われない。タバコをくわえながら眉間にしわを寄せコーヒーを作る。懐かしの直火式エスプレッソメーカーは今でも大活躍なので、分解して水を入れ、コーヒー豆をバスケットの中に溢さないように集中して入れ(大抵少しこぼす…あ、コボした)火にかける。エスプレッソが出来るまでの間、ゆっくりタバコを吸う。放心状態。2本目のタバコを巻く。今度はちょっぴりマリファナを加えてソフトなジョイントを作る。コーヒーを飲み終わったらシャワーに行く。シャワーを超時間をかけて浴びる…というかシャワーの下で延々とアッタカイシャワーを浴び続ける…タバコを巻いて2杯目のコーヒーを作りながら朝ごはんの準備をする…バター、ヌテラ(東ドイツ出身ならヌドッシー)、ジャム、生ハムかサラミ、チーズを並べてとにかく食べる!…ただし、冷蔵庫にあったならば…

一方、同じく月曜8時。ナイトクラブはまだ全然開いているのでまだまだ週末の続きという場合もある。クラブによってはお昼まで営業しているところがあるので、瞼が伸びきった状態で辛うじて目を半分開けて、タバコを片手に朝日の差すチルルームでソファーかソファーのアーム部分にちょこっとお尻を乗せて友達とダラダラ話し続ける…次に踊りたくなるまで…またはそろそろ疲れたので帰ろうか、という相談をする。クロークでジャケットを受け取って友達または恋人またはその日知り合った人と重い足取りで駅に向かい、パン屋の軒先でトルコ式の朝ごはんとコーヒー、搾りたてのオレンジジュースを飲む…眉間にしわを寄せながら手巻きタバコ片手に…だいたい10時前にそこをお開きして家に帰る…

子供を自転車の後ろに乗せたパパがキーター(保育園)に向かう姿、のんびり歩く老人は月曜のベルリナーにとって背景でしかない。別の世界。週末の余韻に浸りながらバスや地下鉄UBahnに乗って仕事や予定に向かう。ジョイントのマイルドな煙の影響で少しだけ夢心地で。


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