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金言896:商いの世界

商いの世界では、ライバルが多くて競争の激しい既存市場のことをレッドオーシャン、
競争のない未開拓市場をブルーオーシャン、そしてライバルも競争もない独占市場をブラックオーシャンというそうです。
飲食業など敷居の低い市場はレッドオーシャンで誰でも相応の開業資金があれば参入できます。そして低価格で差別化すれば生き残れると頑張りますが、ライバルが多いので体力勝負になって多くの新参者は1年以内に資金ショートで退場となります。それでは天敵のいないガラパゴスのようなブルーオーシャンを開拓すればいいのですが、新規開拓ですから誰でも簡単に参加できるわけではありませんし、開拓できても生き残るのはレアケースです。ブラックオーシャンは既得権やら知財やらの聖域を確保して高い壁のある王国のような市場です。これもまた、一般の商人には手が届くものではありません。

金融業者は、厳しいレッドオーシャンで生き延びるための伝統的な手口を強くアドバイスします。儲からない事業を減らし、損失の元凶を取り除き、人件費削減です。そして特定の機能や得意分野に集中強化増収を目指す事業計画については新規融資をするといいます。債務者に儲かる事業計画を策定する頭脳がなければ、融資の必須条件として融資担当者が子飼いのコンサルタントを定価で派遣します。ブルーオーシャンやブラックオーシャンの会社は、本業が堅調なかぎり金融業者の出番はあまりありません。

ビフォアコロナ時代、地元商店街の金融サポートを生業とする融資課長さんと宴席でご一緒した際、無礼講で質問しました。某クライアントがIPOを視野にいれた事業展開を考えていますが、目論見書作成とかIPOに向けた幹事会社の役はできるのかと聞きました。答はNOでした、証券会社ではないからです。でも証券会社の取次や、IPOにまつわるスタッフやコンサルの紹介はできるとのことでした。
そういう事例はあったのかと尋ねると、過去に1件ありとのことでした。
上場により市場から資金調達できるので、お付き合いは希薄になるかもしれませんが、メジャーバンクにメインバンクを移すことなく取引を継続することで地元経済の活性化や町おこしのお役に立てることでしょうということで、中締めとしました。

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