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教養・ノンフィクション

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#科学

『宇宙からの帰還』 立花隆

『宇宙からの帰還』 立花隆

「地球は青かった」というガガーリンの言葉は、人類で初めて宇宙から地球を見た宇宙飛行士の言葉という文脈を背にして、壮大で深淵に響く。
しかしその言葉だけ冷静に見れば、実は詩情もなにもない実際的な響きだ。
なるほど、マーキュリー、アポロ、ソユーズなど、1960年代から始まった宇宙飛行の計画では、宇宙飛行士に抜擢される大部分は軍人だったという。軍人かつ技術系インテリである宇宙飛行士は、人文系の文化とは縁

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『時間の終わりまで』 ブライアン・グリーン

『時間の終わりまで』 ブライアン・グリーン

「我思う、故に我在り」とは言うが、そんな我とは何ぞや?
太陽の周りを周る地球の上に存在する人間という生命体、分子の集合体である有機物が、思う、その思いとは何から作れどこに存在するのか。
そんな、考えてみたら不思議なことについて、改めてじっくり考えるための、こっくりと濃密な手引き書がここにある。

壮大なテーマを扱う本書は、次のような筋立てで書かれている。

・エントロピーの法則
・宇宙の誕生と生命

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銀河の片隅で科学夜話

銀河の片隅で科学夜話

『銀河片隅で科学夜話』 全卓樹

各回10ページ弱ほどで、短時間で読み切るのにちょうど良いサイズ。

数学、物理学、天文、生物学など、科学の様々な分野の興味深い事柄を、筆者ならではの温かみとユーモアをもって日常的な景色に溶け込ませた、詩的な科学エッセイ集である。

セピアカラーの挿絵も美しく、筆者もおすすめしているように、夜寝る前のひとときや通勤電車の中で、一話ずつ読むのに最適の一冊だ。

この本

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